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最新オールシーズンタイヤ、TOYO TIRES「セルシアス」をBMW320dで試す オールシーズンタイヤのドライ/ウエット性能は満足できるか? PR

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トーヨータイヤのオールシーズンタイヤ「セルシアス」を装着したBMW320d。2018年F30型セダンである。

最近、注目度を上げてきたタイヤに「オールシーズンタイヤ」がある。最新のオールシーズンタイヤ、トーヨータイヤ「セルシアス」は、雪道もドライもウエットもかなりのレベルでこなせるオールラウンダーだ。マイカー、BMW320d(F30型)セダンに実際にセルシアスを履いてみた。まずは、ドライ/ウエット性能を試してみる。果たしてオールシーズンタイヤはアリか?

新車装着時のランフラットタイヤ(225/50R17)からCELSIUS(215/55R17)へ換装した。

オールシーズンタイヤは、ドライ/ウエットの通常の路面だけでなく冬期の雪道まで走行できる、文字どおり四季を通じた(All Season)全天候型タイヤのこと。近年、非積雪地域に住むドライバーからの注目を集めている。冬期、日常的に雪道を走る地域では、サマータイヤからスタッドレスタイヤへの履き替えは必須である。ところが、東京を含む関東南部、東海・近畿・中国地方の都市部では、山岳部へ出かけなければ雪に見舞われるのは、年に数回程度。そのためにスタッドレスへ履き替えるのはコストも手間も嵩んでしまう。なかなか踏み切れない。

路面適合表 ◎もっとも適している ◎適している △走行可能 ×推奨せず ※全車チェーン規制時はどんなタイヤ(スタッドレスタイヤも含む)もチェーン装着が必要となる。全車両チェーン装着規制に備えて冬期はタイヤチェーンを携行したい。
タイヤ交換の手間と工賃(春・秋2回)、交換したタイヤを保管する場所、スタッドレスタイヤ購入代は、非降雪地域を主体に走るユーザーにとっては、なかなか重い負担になる。

筆者もそんなひとりだ。狭いガレージにタイヤを4本置いておくスペースをとるのは難しい。降雪予報が出てからタイヤ交換するのも面倒だ。
そんな人向けのソリューションが、オールシーズンタイヤである。

テスト車両は、2018年型BMW320d SPORT。後輪駆動のセダンである。

筆者のクルマはBMW320dセダン(F30型2018年モデル)である。今回、最新のオールシーズンタイヤ、「TOYO TIRES CELSIUS(セルシアス)」をマイカーに装着してみた。セルシアスはトーヨータイヤが2019年から日本市場に投入したオールシーズンタイヤ。当初は165/60R15~225/65/R17の計6サイズ展開だったが、2020年11月から165/70R14~225/55R18の計13サイズを追加。全19サイズのラインアップで、より多くのクルマで装着可能になった。

履き替えて最初に感じたのは、「静か」なこと。そして当たりが柔らかいことだった。

なぜ、オールシーズンタイヤに換えたかといえば、最新のオールシーズンタイヤの性能を試したかったから、である。とはいえ、履き替えたのは3月上旬だから、まず試すことになるのは、ドライ/ウエット性能である。

じつは、私はすでにオールシーズンタイヤをマイカーに装着した経験があるのだ。2013年型F30 BMW320iにオールシーズンタイヤを履いて2年3カ月、2万5000kmほど走っている。その間、東京で何度か降雪(東京的には大雪)に見舞われたが、オールシーズンタイヤのおかげで何事もなく走行できた。文字通り、なんの不安もなく、である。正直、驚いた。

もちろん、オールシーズンタイヤはスタッドレスとは違う。圧雪路や凍結路面ではスタッドレスタイヤには敵わない。だが、高速道路の冬用タイヤ規制はチェーンなしでOKだし(全車チェーン規制の場合は、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーン装着が必要)、正直言って東京都内に降る雪ならオールシーズンタイヤでまったく問題ないことも確認済みだ。真冬にスキーに行こうと思ったら、ちょっと身構える必要があるけれど、春スキーならおそらく鼻歌交じりでラクラクといけるはずだ。

と、いいことずくめのオールシーズンタイヤだが、見方を変えればスノードライブはスタッドレスタイヤに敵わないし、ドライ/ウエット性能はサマータイヤより劣るとも言える。

これまでの経験から言えば、ドライ/ウエット性能はサマータイヤの8割くらい、スノー性能はスタッドレスのやはり8割くらいというのが、オールシーズンタイヤの印象だ。とくにドライ路面での音は、ちょっと気になった。

では、最新のセルシアスはどうだろう?

ホイールは変えずにタイヤだけランフラットからオールシーズンタイヤに換えた。それにともなってトランクには「パンク修理キット」を積んだ。
まずは、サイズ。
筆者のBMW320dの新車装着タイヤは、225/50R17サイズのランフラットタイヤである。これをセルシアスの215/55R17に換装した(ホイールは変えていない)。

元のランフラットタイヤ:225/50R17 外径656mm
今回装着したセルシアス:215/55/R17 外径668mm
外径が12mm大きくなるので、スピードメーターの誤差が1.8%ほど出ることを心得ておく。

セルシアスの特徴は左右非対称パターンを採用していること。
右前輪のトレッド面のアップ写真。上の図と左右が反対になっていて、左側がOUT側、右側がIN側になる。

トレッド面を見てみる。セルシアスの特徴は左右非対称パターンを採用していること。IN側はスノー性能を重視し3Dグリップサイプとジグザグブロックを配置。OUT側にはウエットを重視した縦溝やドライの操安性を考えた周方向連結ブロックなどを配置している。あらゆる路面を想定していることが、トレッドパターンからもわかる。


コンパウンドには独自の材料設計基盤技術「Nano Balance technology」を用いて開発が行なわれたシリカ分散を向上させるアクティブポリマーを採用している。ウエット性能と転がり抵抗低減を両立するほか、スノーポリマーも盛り込むことで雪にも強いコンパウンドとしていることが特徴で、結果として欧州でシビアスノー要件を満たすタイヤに与えられる「スノーフレークマーク」の打刻が認められている。

○で囲んだところに注目。速度レンジは「V」(240km/h)、右の○のなかにあるのが、スノーフレークマークである。
サイドウォールにはタイヤサイズの「215/55R17 98V」と刻まれている。注目は最後の「V」だ。これはスピードレンジを表していて、Vは240km/hの速度に耐えることを示している。多くの国産スタッドレスは速度レンジが160km/hの「Q」だから、セルシアスが高い高速性能をもっていることがわかる。
ちなみに速度レンジ表示は
Q:160km/h
S:180km/h
T:190km/h
H:210km/h
V:240km/h

タイヤ交換をして走り始めてすぐに感じたのは、「静かさ」だ。前に履いていたオールシーズンが、ややざらついた音が気になったが、今度はそれがほぼ気にならない。

せっかくオールシーズンタイヤを履いたのだからスノードライブを試したかったのだが、3月下旬の山形でもそれは叶わなかった。が、ドライ路面での走りは堪能できた。
ランフラットタイヤの技術進歩は著しい。かつてランフラットといえば、乗り心地が硬いと相場が決まっていたが、現在ではそんなことはない。だが、ランフラットからオールシーズンに履き替えれば、やはり当たりの柔らかさは実感できる。乗り心地、いい。

高速道路を走ってみる。と、なんとなくグニャっとした腰砕け感があった。冬期のスノー性能と引き換えだから仕方ないか、と思ったが、やはりちょっと気になる。

空気圧は、交換時に前後とも220kPaにしてもらった。これを、少し上げてみることにした。前240kPa、後260kPaにしてみると、この腰砕け感はうまく消えてくれた。220kPaは225/50R17サイズのランフラットタイヤの指定空気圧だったのだが、いまのところ215/55R17サイズのセルシアス+BMW320dだと空気圧やや高めがいいようだ。

タイヤを換装してすでに2000kmほどドライブした。そのうち1000kmは、東京〜山形のロングドライブだった。

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途中、降雨でウエット路面も走ったが、問題なし。燃費にも影響はなかった(もしかしたら、元のランフラットタイヤよりタイヤ幅が狭くなったこともあって良くなったのかも)。

筆者は、マイカーで箱根のワインディングロードを攻めたり週末サーキットでスポーツ走行を楽しんだりしない。ごく一般的なSUVやコンパクトカー、セダンのオーナーと同じようにごく普通にドライブする。おそらく大概の人が同じようにクルマを使うと思う。そうであれば、冬期の積雪に対応できるセルシアスは有効な選択肢だ。文字どおり、一年を通して快適に走ることができる。サマータイヤの8割、いや8割5分はいけている。

装着して1500kmほど走行したあとのトレッド面。来シーズンの雪が待ち遠しい。

オールシーズンタイヤを装着している間の99.8%は雪ではなく通常のドライ/ウエット路面を走行するはずで、その意味でもセルシアスは、最新オールシーズンタイヤに期待されるすべての性能をクリアしている。あとは、スノー。スノードライブについては、また別にレポートをお届けしたい。

CELSIUS適合サイズ表

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