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内燃機関超基礎講座 | PV線図(圧力容積図)ピストンが上昇すると圧力も上昇。だから圧縮比が重要なのだ

  • 2020/05/27
  • Motor Fan illustrated編集部
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エンジンの基礎講座で必ず出てくるPV線図(Pressure Volume Diagram)「縦軸にシリンダー内圧力(P)、横軸にシリンダー容積(V)を置いたのがPV線図である」のだが、もう少し詳しく解説していこう。

 縦軸にシリンダー内圧力(P)、横軸にシリンダー容積(V)を置いたのがPV線図である。横軸はピストンの運動でもある。上の図で説明すると、吸気行程でピストンが行なった「燃料と空気を混ぜる」仕事は「1」「X0」「X1」「2」で囲った面積である。それが燃焼してピストンを押した仕事は「4」「X0」「X1」「3」で囲った面積。後者から前者を引くと、シリンダー内に押し込められた混合気が行なった仕事になり、それが「1」「2」「3」「4」で囲まれた面積になる。さらに圧縮比を高くすると、混合気が行なう仕事は「1」「2A」「3A」「4」になる。このエンジンの極限まで上げると「1」「2B」「3B」「4」になる。つまり、圧縮比を高くすると、色の濃い部分が追加になり、同じ体積の混合気が行なった仕事量が増える。圧縮比を高くすることがシリンダー内圧力(最終的にはパワー)にどう影響を与えるかはPV線図がよく表している。少し詳しく説明すると、実際にエンジンを測定して得られるPV線図は、右のグラフのように角が丸まったものになる。角が尖ったグラフはあくまでも模式図である。

グラフを見比べる

オットーサイクルエンジンでの吸気/圧縮/膨張/排気という作業は、シリンダー内圧力で測るとこのようなグラフになる。ピストンが下死点にあるときのシリンダー容積と上死点にあるときのシリンダー容積の比率が圧縮比である。

 よく「PV線図は難しい」と聞くが、シリンダー内に閉じ込めた混合気は圧縮によって温度が上昇し、そこで火を着けて燃焼するとピストンが押し戻され、シリンダー内圧力も下がるという、じつに単純な現象を表現しているに過ぎない。食わず嫌いにならず、上の図を参考にしていただきたい。

この部分がもったいない=ターボチャージャーの効能

膨張行程が終わった燃焼済みのガスは排ガスとして捨てられる。しかし、まだエネルギーは残っている。これを再利用するのが排気タービン、つまりターボチャージャーである。この三角で囲まれた部分の圧力が使われる。「どれくらいの量の空気を大気圧よりも余分に取り込んだか」を示す数値が過給圧である。

ミラーサイクルの効果をPV線図でみる

 韓国のヒュンダイ自動車が公表した自社製ミラーサイクル(アトキンソンサイクル)エンジンのPV線図。赤い線がミラー化の効果であり、吸気行程でポンピングロスが減り圧縮端では圧縮比がわずかに高くなっている。燃費が向上していることがグラフからわかる。

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