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メルセデス・べンツGLB | セールス絶好調も納得。Gクラス譲りのデザインと3列シートの利便性は強烈な商品力

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メルセデス・ベンツGLB 250 4MATIC スポーツ

メルセデス・ベンツのSUVとしては9車種目となるGLBクラスだが、6月の日本上陸以来、すでに中核モデルとしての存在感を発揮中だ。本格オフローダー・Gクラスを彷彿とさせるスタイルと、最大7人乗車が可能なユーティリティの高さ。実際に乗ってみれば、人気が出るのも納得の1台だった。

TEXT●安藤眞(ANDO Makoto) PHOTO●MotorFan.jp

クーペSUVが全盛の昨今、あえてのスクエアボディが新鮮に映る

1997年のMクラスから始まったメルセデス・ベンツのSUV戦略。そのトリを務める形で登場したのが、このGLBクラスだ。セダン系のBクラスが5人乗りのハイトワゴン風であるのに対し、GLBは3列シートを備えた7人乗りのSUVとなる。

ボディサイズは、全長4650mm×全幅1845mm×全高1700mmと、日本の交通環境でも持て余さない大きさ。ちなみにBクラスと較べると、220mm長く、50mmワイドで、135mm背が高い。ホイールベースはBクラスの2730mmに対し、100mm長い2830mmとなっており、単純にBクラスのプラットフォームを使ってSUV化したクルマではないことがわかる。価格帯も512万円からと、100万円弱、GLBのほうが上級だ。

GクラスからインスピレーションされたというスクエアなデザインがGLBの特徴。標準のグリルはツインルーバーなのだが、AMGラインとGLB250 4MATICスポーツはシングルルーバーとなる。
ベースのBクラスより一回り以上大きいGLB。見切りがいいため、取り回しは良好だ。
キャラクターラインを廃して、面の張りで力強さを表現しているGLBのサイドビュー。
こちらはBクラス。GLBとはまったくキャラクターが異なることが分かる。
GLBのインテリアは、GLAと共通(=A&Bクラスとほぼ同じ)。メーターバイザーがなく、10.25インチディスプレイが二つ並ぶ。
運転支援機能の操作は主にステアリング右のスイッチで行なう。ACCは自動再発進機能付き。
センターコンソールの奥には、スマホのワイヤレスチャージャーが備わる。

日本向けのラインナップは、2.0Lターボディーゼルエンジンを搭載したFWDのGLB200dと、2.0Lガソリン直噴ターボエンジンを搭載したAWDのGLB250 4MATIC SPORTの2種類。今回、試乗したのは後者となる。

GLB 200dには2.0L直4ディーゼルターボ(150ps)、写真のGLB 250 4MATIC スポーツには2.0L直4ガソリンターボ(224ps)を搭載。販売比率は65:35でGLB200dの方が多いそうだ。

まず、居住性からチェックしていこう。運転席のヒール段差は大きく、乗車姿勢は本格4駆風のコマンドポジション。ハイトアジャスターがいちばん下でも、ボンネットは端のほうまで見渡せる。

2列目席も、1列目同様の着座スタイル。シートには140mmのスライド機構が付いており、身長181cmの僕が座ると、最前端ではヒザ前の余裕はゼロ(というよりマイナス)、最後端なら120mm。頭上の余裕は約100mmと、十分にある。

シート肩口には3列目乗降時に使用するウォークイン機構用のレバーが、腰の横には折りたたみ時に使用するストラップが付いている。折りたたみ機構の作動はこのストラップが唯一なので、格納時にはクルマの両側に回り込まなければならない。レバーとストラップの機能が逆ならば、ラゲッジ側からも格納できて便利だと思う。

3列目の乗り込みスペースは、僕の体格では必要最小限。乗車空間も同様で、2列目席のスライドを最前端にしても、ヒザの前には30mm程度の余裕しか残らない。つま先は前席下に入るのでなんとか座れるが、大人なら短距離移動用と割り切ったほうが良さそうだ。

3列目を使用すると、ラゲッジの前後長も背もたれ上端でほぼゼロになるから、荷物を積んでの移動にも適さない。

GLB 250 4MATIC スポーツはブラックの本革シートが標準。
見晴らしのいいドライビングポジション。乗員の身長は181cm。
2列目は6:4分割で140mmの前後スライドが可能。
写真は、3列目に座れる程度に2列目を前にスライドさせた状態。
3列目にはスマホが充電できるUSBタイプCポートも備わる。
大人が乗るには狭いが、短距離用でも7人乗車ができるのは便利。
3列目シート使用時の荷室容量は130L。奥行きも狭く、あまり荷物は入らない。
3列目を格納すると、荷室容量は500Lに。ゴルフバッグが2つ積載可能に。
2列目の背もたれは4:2:4で前倒し可能。この状態の荷室容量は1680L。

クルマとの対話感が高く、飛ばさなくても運転が楽しめる

では、試乗に出かけよう。エンジンを始動すると、車外では直噴インジェクターのカチカチ音がして、ちょっとディーゼルっぽい音質だが、遮音はしっかりしており、乗り込んでドアを閉めれば気になることはない。

トランスミッションはデュアルクラッチ式8速AT。クラッチは湿式多板方式なので、発進は滑らか。変速ショックもほとんど感じない。1760kgという車重からすると、2.0Lエンジンというのはダウンサイジングの位置付けになるが、ターボラグらしきものはほとんど感じられない。

高ギヤ段に固定してジワジワッと加速すると、過給圧の高まりとともにトルクが乗ってくることが感じられるが、多くの場合、ATがシフトダウンしてエンジン回転数を上げに行くので、普通に乗っていればターボエンジンであることは意識されない。登り坂でも低回転のままトルクで押していくが、ディーゼルエンジンと較べると、エンジン回転数は1.5倍ぐらい回っていることが多い(レブリミットの差がそのくらいだ)。

GLAよりもコンフォート志向な乗り味。しかし、コーナリングで腰砕けになるようなこともなく、意外なほどダイレクトなハンドリングが楽しめる。

乗り心地は総じて快適なのだが、試乗コースに悪名高い西湘バイパスが入っていたため、ジョイント乗り越し時にバウンシングの収斂が少し遅れる感じがあった。ドライブモードをSPORTに切り替えると、ドイツ車っぽい引き締まったフィーリングになるが、エンジンやトランスミッションの制御まで変わってしまうので、INDIVIDUALモードで脚だけSPORTにしておくと良いのではないか。

操縦性能は「俊敏」という感じではないが、操舵感はダイレクトで正確性が高いため、同乗者を不快にさせない滑らかな運転は行ないやすい。クルマとの対話感も高いため、飛ばさなくても運転は十分、楽しめる。

30〜40代のファミリー層・独身男性がターゲットというGLB。販売は非常に好調とのこと。今後はGLB200d 4MATICを導入予定で、GLB180も導入準備中。
ドライブモードによって、4MATICの前後トルク配分も変更される。COMFORT/ECOモードでは80:20、SPORTモードでは70:30、OFF ROADモードでは50:50となる。
20インチホイールを履くGLB250 4MATIC スポーツ。サスペンションもスポーツタイプとなる。

ちょっと驚いたのが、696万円という車両本体価格。あと4万円出せば、GLCならディーゼルエンジンを搭載した220d 4MATICに手が届く。装備の差までは精査していないが、3列目席の必要性が低いなら、GLCと乗り較べてから決めても良いのではないかと思った。

メルセデス・ベンツGLB 250 4MATIC スポーツ

■ボディサイズ
全長×全幅×全高:4650×1845×1700mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1760kg
乗車定員:7名
最小回転半径:5.5m
燃料タンク容量:60L(無鉛プレミアム)

■エンジン
型式:260
形式:水冷直列4気筒DOHCターボ
排気量:1991cc
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
圧縮比:10.5
最高出力:165kW(224ps)/1800-4000rpm
最大トルク:350Nm/1800-4000rpm
燃料供給方式:電子制御式燃料噴射

■駆動系
トランスミッション:8速AT
駆動方式:四輪駆動

■シャシー系
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rディスク
タイヤサイズ:235/45R20

■燃費
WLTCモード:12.0km/L
市街地モード:8.8km/L
郊外モード:12.1km/L
高速道路モード:14.0km/L

■価格
696万円

メルセデス・ベンツGLB 250 4MATIC スポーツ
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