バイク用アダプティブクルーズコントロール（ACC）元年、KTM・1290スーパーアドベンチャーSを試してみた。

2021/06/20

2021年にフルモデルチェンジしたKTMの1290スーパーアドベンチャーシリーズ。1,301ccの水冷75度V型2気筒エンジンを搭載し、フロント19/リヤ17インチのアルミキャストホイールを履く〝S〟がACCを標準装備する。価格は￥2,390,000。

1,158ccの水冷V4エンジンを搭載するドゥカティのムルティストラーダV4 S。車両価格は￥2,880,000で、ACCはトラベル＆レーダー･パッケージ（プラス￥330,000）やフル･パッケージ（プラス￥527,000）で採用される。後方にもレーダーセンサーを搭載するのは今のところドゥカティのみ。

BMW初のACC採用車となったのはR1250RTだ。1,254ccの空水冷水平対向2気筒エンジンを搭載し、車両価格は￥3,070,000～。日本で販売される車両は全てプレミアムラインなので、ACC（BMWではアクティブクルーズコントロールと呼称）が最初から装備される。

1周5.8kmの外周路を、ほとんど右手を離したまま走り切ることができた。もちろん公道では常にブレーキをかけられるように準備しておくこと。

ヘッドライトマスク内に設置されたフロントセンサー。汚れたり凍結すると機能が制限されることもあるので注意。また、何かを貼ったり、塗装することも厳禁だ。

左側スイッチボックスにあるACCボタン（1）の短押しでアダプティブ速度制御システムのオン/オフ、プラス（2）とマイナス（3）ボタンで目標速度を設定する。ACCの適用範囲は30～150km/hで、自転車などの輪郭の幅が狭い車両は検知不可。また、コーナーや交通量の多い道路や滑りやすい路面、グループ走行時にはACCを使用しないこと。

車間距離（時間）はベリーショート：0.9秒、ショート：1.0秒、ミドル：1.2秒、ロング：1.5秒、ベリーロング：2.0秒の5段階から選択できる。また、ACCにはコンフォートとスポーツの二つのモードがある。コンフォートは加速と減速が穏やかで、なおかつ車体の傾きが大きくなるほど速度が低下する。これに対してスポーツモードは加減速がダイナミックになり、コーナーでも前走車との車間をそのまま維持する。

1290スーパーアドベンチャーSにはWP製の第2世代のセミアクティブサスが標準装備されており、左はリヤのプリロードを0％に、右は100％に調整したときの足着き性の差だ。オプションのサスペンションプロを選択すると、このプリロードを自動で調整するメニューがあり、フロントセンサーを最適な角度に維持するため、これをスタンダードモードに設定しておくことが推奨されている。

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