RR-R SPではフルカラーのTFTメーターでOHLINS Smart ECを使ってメーターパネル上でよりきめ細かいセッティングを可能としている。
RR-Rの車体に関しては、本田技術工業株式会社、二輪事業部ものづくりセンターの石川譲さん(完成車開発部 完成車統括課)にお伺いした。
こちらがRR-Rの車体ディメンション図となるが、ホイールベースは前モデルのCBR1000RRが1,405mmだったのに対し、RR-Rでは1,455mmと伸ばされている。スイングアーム長は622.7mmと長くなり、キャスター角は24°、トレールを102mmに設定しており、CBR1000RRよりキャスター、トレール量より増やし、セルフステアが働きやすくすることで安定性を向上させている。
筆者(身長177cm、体重70kg)が実際にまたがった状態がこちらとなる。シート高は830mmでCBR1000RRより10mm上がっているが、両足のかかとまで着いた状態で車体を支えられた。ポジションはハンドルが低くかなりレーシーなポジションとなる。ステップ位置がここ最近のスーパースポーツとは違い後方かつ上方となっているが、これは深いバンク姿勢での操作性を考慮したものだという。
前モデルのCBR1000RRとRR-Rの実車で比較してみると、ホイールベースがRR-Rで距離が広がっているのが分かる。その中でもスイングアームの長さが目立つ形となっている。
CBR1000RR-R
こちらはそれぞれの車体を前方から撮影したもの。RR-Rはアッパーカウルが横に大きくなりウイングレットがあることで少しずんぐりして見える。全幅はハンドル絞り角がひらいているためRR-Rがわずかに広い。
CBR1000RR-R
RR-Rの外観上の特徴となっているウイングレットは空気抵抗となる前面投影面積の拡大を抑え、かつ突起物とならない形態としている。ウイングレット内の3枚のウイングでダウンフォースを発生させてウイリーを抑制し、ブレーキングやコーナー進入時の車体姿勢の安定化にも貢献する。
新設計のフレームは高度な剛性チューニングを可能とする薄肉GDC製法が採用されている。肉厚を最低2mmに成型したアルミ製ダイヤモンドフレームとなっている(写真はCGイメージ)。
リアサスペンションはCBR1000RRのユニットプロリンクからプロリンクに変更されたが、リアショック上側はブラケットを介してエンジンブロック後部に締結する構造がとられた。
RR-RはフロントフォークがSHOWAのBRFサスペンションとなる。ブレーキはØ330mm、5mm厚の大径ディスクローターにNISSIN製ラジアルマウントキャリパーの組み合わせだ。
RR-RではSHOWA BFRC-liteをリアサスペンションに採用する。伸側、圧側の減衰調整が可能となるが、かなり奥まったところにあるため、専用の工具が必要になりそうだ。
RR-R SPでは加圧ダンピングシステムが新たに追加されたOHLINS電子制御NPXフロントフォークが採用されている。フロントブレーキキャリパーはBREMBOのSTYLEMAとなっている。
リアサスペンションは電子制御TTX36リアサスペンションが搭載される。細かなサスペンションのセッティングはメーターパネルで変更を行うことができる。
RR-R SPではフルカラーのTFTメーターでOHLINS Smart ECを使ってメーターパネル上でよりきめ細かいセッティングを可能としている。