Motor-Fan[モーターファン]｜自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

無料登録

10年を見据えたデザイン新生フィアット500 デザイン考2 新生フィアット500 デザイン考2：継承だけではない、10年を見据えたデザイン

2020/05/24
CAR STYLING編集部松永大演

新型フィアット500のレンダリング。ほぼプロダクトが固まった段階で、改めて描かれたものと思われる。

2004年のジュネーブショーに登場した、フィアット・トレピウーノ・コンセプト。のちに登場する3代目フィアット500のスピリッツを伝えるモデルでもあった。

できるだけコンパクトにという狙い。わずか3.3mの全長の中で、助手席を前進させ後席にも大人1人と子供が乗れる空間を確保した。

2019年モデルのFiat Star。3代目モデルは、仕様によって様々な装飾が施されるが、このモデルがほぼ基本的な形。

上が3代目で下が2代目。現行のFFレイアウトはかなりプロポーションが違うのだが、短くてもしっかりと存在感のあるフロントフードや、リヤ周りのイメージを似せたり、ウインドウとボディの面責比率を近く見えるようにする（窓を小さく見せる）などにより、500らしさを実現。

3代目FFフィアット500。キャラクターラインでボディの上下を分け、下半身に力強さを表現。しかしこれは先代のアイデアでもある。写真はフィアット500ヴィンテージ57で、メッキのバンパー風ガーニッシュを装備。

3代目のFFフィアット500のインテリア。今回はインテリアには触れていないが、樹脂パネルによって初代のような鉄板剥き出しのイメージを演出。写真は500ヴィンテージ57のもので、ルーフカラーのホワイトを共用。

EVとなった新型フィアット500。より安定感のある形とできたのは、サイドウインドウの下のショルダーと呼ばれる部分が、大きく横に広がりどっしりと見えるためでもある。

キャンバスのルーフにFIATのロゴ。

フロントに、FIATのオーナメントではなく、あえて"500"の表記。

シート座面とシートバックの表皮にも、"FIAT"の文字をあしらったデザイン。

フィアット500らしさを継承。しかしその手法はさらなる洗練が加えられている。ちなみにドアハンドルは電磁式を採用している。

新型フィアット500の場合、ボディサイドのキャラクターラインの上の面が、ショルダーと呼ばれる部分。ここを後方に行くに従って上向きの面とすることによって、豊かさを表現。

リヤピラーがウインドウに呼応して、えぐられた形になっている。これにより、違和感なくピラー後方を一段外に出す形とすることができたようだ。

キャンバストップはキャンバスルーフを動かすために、支持部を動かすレール部分が並行に前から後ろまで設置できなければならない。

スケッチからもわかるように、面を削ぎ落としてシェイプアップがなされている。

ヘッドライトは大きな丸に見せているが、ボンネット上には半円のデイライトを装備。（上）ボンネットのプレスラインは太くシャープな印象に。（右）

フェンダーから突出する左右のウインカー。この存在感を印象深く見せるのが、その後に続くメッキのモールディングだ。

今回本文で触れなかったが、インテリアは極めてシンプル。それでいて最新の機能を満載しながら、実に上質さを演出している。

記事に戻る