アドベンチャーマシンとしての雰囲気は満点。個人的にも許容できる大きさ。長旅へ誘ってくれる相棒として欲しくなる1台だ。
マットダークグレーメタリック6
ブルーイッシュホワイトパール1
マットブラック2
機能性の徹底追及を目指したデザインスケッチ。如何にもヤマハの“テネレ”らしい「勇姿」が表現されている。
シート高は875mm。ご覧の通り両足はつま先立ちとなり、足つき性は良くない。ただ、車体がスマートで両足を地面に向けてスッと伸ばすことができるので、意外と支えやすかった。片足立ちだと足指の付け根まで接地できるので踏ん張りが効く、慎重にバランス維持に努めれば頻繁な停止でもそれほど苦にならない。
4眼のヘッドランプが個性的なフロントマスクを披露している。光源はLED式。写真はロービーム状態で、ハイビームにすると4眼全灯になる。クリアレンズのウインカーは一般的なオレンジバルブ式だ。
リーディングアクスルタイプの倒立式フロントフォークはφ43mm。210mmのロングストロークを稼ぎ出している。ボトム(インナー)チューブは樹脂製のカバーでしっかり保護されている。21インチスポークホイールにはピレリ製 SCORPION RALLY STRを履く。ダブルディスクブレーキはφ282mmの軽量ウェーブタイプをフローティングマウント。油圧キャリパーはブレンボ製2ポッドのピンスライド式を採用。フェンダーの取り付け位置も調節式だ。
既にMT-07等で評判の良い、水冷688ccショートストロークタイプの直(並)列2気筒はDOHC4バルブ・270度クランクを採用。吸排気系が異なる他、制御系も専用チューニングされたもようで、パワートルクの諸元は若干控えめなデータになっている。エンジン下部にはアルミアンダーガードを装備し、なお240mmのロードクリアランスも稼ぎ出している。
リヤモノショックのボトムリンク脇から右側に出されたアップマフラーは、それなりに長くボリュームはあるが、楕円断面形状の採用で、横方向への張り出しは少ないデザインになっている。
リヤサスペンションはボトムリンク式モノショック。リンクアーム及びシートを変更したローダウン仕様(38mmダウン)もある。
アルミシリンダーが採用されたリヤショックは黒いダイアルを回す事でプリロード調節及び、スクリュー方式で、伸び圧共に減衰力調節もできる。
マディーな路面でも如何にもトラクションに優れる大きなブロックバターンデザインが印象的。リヤブレーキはφ245mmの軽量ウェーブディスクに、ブレンボ製1ポッド、ピンスライド式油圧キャリパーをマッチ。なおABSはON、OFFの切り替えができる。
ライディングポジションにつくと、ハンドル幅は意外と狭く感じられる。シルバーのパイプバーはテーパードタイプ。
ご覧の通り、左側ハンドルスイッチは比較的シンプル。ベストポジションにあるホーンボタンを始め、長年指に馴染んだ各スイッチ操作は自然で扱いやすい。右の赤いプッシュボタンはハザードランプ用だ。
右側のハンドルスイッチは赤いシーソースイッチがエンジン・キルスイッチ。下の黒く四角いボタンは始動用セルスターター・スイッチ。中間の横押し式ノブはセレクトスイッチで、メーター表示の切り替えやリセットができる。
新鮮なデザインセンスを感じさせてくれるモノクロ液晶マルチファンクションメーター。縦置きマウントも個性的である。
如何にもオフロード系らしい細身で長いデザインのダブルシート。後席のクッションは薄手だが、前席はしっかりした厚みと硬さがある。
車体左脇のキーロックを解錠すると後席クッションが脱着できる。シートカウルには堅牢なバンジーフック4個を装備。カウル下の両サイドは指がフィットする形状にデザインされていた。
左右フロントフォークのトップエンドには伸び側のダンピング調節が装備されている。圧側の調節スクリューはボトム側に有る。
メーターの左脇には12Vのアクセサリー電源ソケットが標準装備されている。
テールカウルエンドの下側にビルトインされたテールランプはLED式。リヤフェンダーに取り付けられたクリアレンズのウインカーにはオレンジバルブが採用されている。
スラっとスマートなフォルムが印象的。特に乗車位置が細身に仕上げられており、着座でもスタンディングでも操縦しやすい。
アドベンチャーマシンとしての雰囲気は満点。個人的にも許容できる大きさ。長旅へ誘ってくれる相棒として欲しくなる1台だ。
マットダークグレーメタリック6