牧野茂雄の【深層レポート】in-depth reporting 新能源車＝NEV規制を読み解け。「テスラ100社」を夢見る中国、その勝算と現状（5：最終回）

2019/09/29

北京市内の幹線道路は交通量が激増した。ナンバー規制を敷いても焼け石に水だ。排ガス規制は厳しくなり、ことしから国６（ユーロ６相当）の規制になったが、最新規制適合車が半数以上を占めるようになるには４〜５年はかかる。冬場になると石炭暖房由来（じつは自動車排ガスの影響は小さい）のPM2.5が降って来る。

新車販売が急増した2003年以降、中国政府はガソリン小売価格の高騰を抑えるために国庫から中国石油など石油元売に対し補助金を交付していた。この負担が過大になったことがNEV規制につながったとも言える。現在は硫黄分が少ない「国５」燃料が市販されているはずだが、そのおおまかな流通量さえも、あまり伝わってこない。

中国販売車種の一台であるレクサスLM（PHOTO：LEXUS）

寧徳時代新能源科技のプラント（PHOTO：CATL）

重希土類フリー磁石を用いるホンダのモーター（PHOTO：HONDA）

フォルクスワーゲンID.3（PHOTO：VOLKSWAGEN）

中国でも再生可能エネルギーへの投資は活発だった。日産・NECから電池事業を買収した中国遠景能源（エンビジョン・エナジー）など大手は風力発電の設備輸出を拡大しつつあり、価格競争が激しくなった。しかし、近年はエネルギー部門からAI（人工知能）部門へと投資が流れており、再生エネルギー関連業界も淘汰が進むだろうと言われている。

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