高い機動性と機能性7人乗り3列仕様もホンダCR-Vの使い勝手を徹底チェック！|SUVレビュー

2019/07/09

〈先進的なハイブリッドのシフトセレクター〉ハイブリッド車のシフトセレクターは先進性あふれるボタン式。ホンダでいえばNSXやレジェンドと同様で、マクラーレンなどスーパーカーとも同じテイストだ。“押す”と“引く”を分けるなど操作性はしっかり考えられていて、慣れると便利だ。

〈新登場の3列車で多人数乗車を実現〉CR-Vとしては歴代初の3列シートモデルが用意された新型。2列車は後席シートを大型化して快適性を追求する一方で、3列車は多人数乗車の利便性や3列目からの乗り降りに配慮した2列目シート構造とするなど、それぞれ最適化されている。

大きな特徴はミニバンのようにインパネシフトを採用していること。初代はSUVなのにコラムシフトを採用してウォークスルーを実現。二代目以降はインパネシフトと変化したが、そのスピリットは新型にも継承されているというわけだ。今ではセンターコンソールが大きくなってウォークスルーはできないが、ライバルにはない個性だ。

フルデジタル表示式。中央は上部にパワー／チャージメーター（ハイブリッド車）、速度計、そしてマルチディスプレイを組み合わせた大型のTFT液晶で、マルチディスプレイ部が最も広いのは斬新だ。右は燃料計でハイブリッド車は左がバッテリー残量。

ハイブリッド車はボタン式のシフトセレクターで先進イメージ。その右は電動パーキングブレーキ（ホールド機能付き）で左は走行モード切り替えだ。

スターター（ハイブリッド車ではシステム起動スイッチ）はインパネ右側に。

センターコンソールのリッドは前方にスライドしアームレストになる。

運転席は2名分のポジションをメモリー可能。その内容はキーにも紐付けされ、乗り込むとキーの情報に基づいてシートが自動調整される。

運転席は全車電動調整式、シート脇に操作スイッチを組み込む。「Masterpiece」は助手席にも採用。左のスイッチは電動式のランバーサポート調整だ。

最上部がタコメーターとなり、左側がバッテリー残量計に代わって水温計になるのがハイブリッド車との違い。写真のマルチディスプレイは、瞬間燃費のバーグラフを添えた燃費表示だ。

一般的なレバー式のシフトを採用。前進のレンジは「Ｄ」とエンジン回転を高めに保つ「Ｓ」を用意する。左のボタンは走行モード切り替え。

パドルシフトを全車装備。ハイブリッド車の場合、アクセルオフ時の減速度を切り替える減速セレクターだ。

ハイブリッドシステムのエネルギーの流れや、4WDシステムの作動状況もグラフィックで見せてくれる。

急加速や急減速を示し、ECO運転ができているかをドライバーに伝えるホンダ独自のエコ画面。

センサーと連動し後席シートベルトの装着状況を大きく示すことで、後席乗員のシートベルト装着を促す。

ハンドル操作から居眠り運転や不注意を検知し休憩を促す「ドライバー注意力モニター」を国内初採用。

平均車速やスタートからの経過時間、残り燃料での航続距離などを表示するドライブコンピューター情報。

システムをオフにしたときには、過去3回にわたりドライブごとの平均燃費をバーグラフで表示する。

ナビの全車標準装備化は、このクラスのSUVとしては珍しい。ディスプレイは7インチ。詳細な交通情報を加味して高度なルート案内を行なえ、通信料まで永年無料（ホンダ負担）で使える専用通信端末も内蔵している。ちなみに標準装備のETC車載機は「ETC2.0」。

エアコンは左右独立温度調整式でハイブリッド車はエンジン停止中も作動する電動式。センターコンソール後部に後席用吹き出し口もある。

〈後席用は急速充電対応〉センターコンソールの後ろに2個備わる後席用のUSBアウトレットは、出力2.5Aの高出力型だ。

〈ふたつめのDC12V出力〉シフトセレクター下のトレーにはDC12Vアウトレットがもうひとつ組み込まれる。

〈前席用はナビに連携〉センターコンソールボックス内の前席用USBは1.0Aでナビとも連携。隣はDC12Vアウトレット。

ステップ高：500mm

3列シート車のみ、2列目にスライド機能が組み込まれていて調整幅は150㎜。後端位置が2列車と同じ前後席間距離となる。リクライニングともに左右独立で行なえる。

2列目シートも2列車とは完全に別設計。全体を前に倒せるようにつくられているが、これは荷室拡大モードではなく3列目への乗降を楽にするための仕掛けだ。

〈前席〉

シート高：690mm ステップ高：440mm

〈後席〉

シート高：720mm ステップ高：465mm

2列シート車の後席リクライニングは2段階。大きく傾けることができないとはいえ、姿勢の自由度が高まるのはありがたい。ちなみに後席シート形状は前席に比べるとフラットだが、着座部分をやや抉って姿勢を保持する。

リヤドアの最大開口角度はほぼ直角（正確には85度）。車両脇が広い場所なら、乗り降りが楽になる。

後席センターアームレストは快適に使えるよう上面がほぼ水平だ。

❶ サンバイザーのカードホルダーはベルト式。はがきサイズのカードまで挟めるため便利で使いやすい。

❷ サングラスや運転用のメガネを入れるのにちょうどいいスペース。運転中もサッと手を伸ばして出し入れ可能。

❸ 保湿系の大型ボックスティッシュが収まる広さのグローブボックス。ロックが左右にあり見栄えもいい。

❹ センターコンソールは前トレー、マグカップも置けるドリンクホルダー、後ろトレーの3段構えで実用的。

❺ センターコンソールは深くて大容量。トレーはスライド＆取り外し式でアレンジの自由度が高く、外さなくても下にボックスティッシュが置けるのは見事。

❻ インパネ右端には小型のポケットも用意している。ガソリンスタンドの会員カードなどを置くのにも好都合。

❼ ドアアームレストの、ドアを閉じる際に手で握る部分も底があって小物置き場として重宝する。意外に便利だ。

❽ シートバックポケットは運転席にも助手席にも備えている。大型サイズでA4サイズの本を挿してもゆったり。

❾ 後席センターアームレストのドリンクホルダーが縦配置なのは、腕を置いて休める機能を重視しているから。

❿ リヤドアのアームレスト（ドアハンドル）も小物入れとして使える。ただしフロントよりもひとまわり小さい。

⓫ 674㎜というフロントドアポケットの前後幅に驚く（後方は壁の奥まで収納部）。スピーカーを高くして実現。

⓬ リヤドアポケットも前後幅366㎜とかなりの広さ。ここに2本のドリンク＋冊子が置けるクルマは少ない。

乗員2名に対してふたつのドリンクホルダーとふたつのポケットを用意しているのは、ミドルサイズSUVの3列目としては親切。3列目の乗員には便利でありつつ、シートを畳んだ時にも荷室空間を狭くしないような設計になっているのも見事だ。

❶ ホイールハウスを利用したドリンクホルダー。上部を支えるステーは格納式で、床面は窪んでいるからステーを広げなくても小さなトレーとして使える。

❷ 3列目の収納は少数精鋭。座面の左右にあるポケットはスマートフォンを置くのにも都合がいい。子供が乗る時はゲーム機置き場になることだろう。

地面から640㎜の開口部下端地上高はSUVとしてはかなり低い。おかげで多くのSUVと比べてスーツケースや自転車など地面から持ち上げて荷室に載せる荷物を積みやすく、実用主義の車体設計を実感する。

後席格納は写真のように遠隔操作のリリースレバーを引く、もしくは背もたれ上部にあるレバーを引く、のふたつの方法で行なえる。いずれもシートはワンタッチで畳まれる。

巻き取り式のトノカバーを標準装備。車外から荷物を見えなくする目隠しになるほか、静粛性向上、荷物の臭いを遠ざける、などの効果もあるアイテムだ。

〈通常時〉高さ：850mm 最小奥行き：950mm

〈後席格納時〉最小幅：1045mm 最大奥行き：1930mm

後席分割が左右60対40なのは、荷物の量に応じて後席の広さを調整できることと、狭い側を倒しても（法規上は）4人乗車できるためだ。国産SUVでは珍しく、左右の壁もカーペット張りで上質だ。

テールゲート下部の断面には、電動でゲートを閉じるスイッチを組み込む。電動テールゲートは「Masterpiece」に標準装備。

荷室にもDC12Vアウトレットが用意されている。荷室から電源を供給してパンク修理キットや電動ツールが使えるというわけだ。

荷室の壁にあるリリースレバー。左右両側にあり、右のレバーを引けば右側の後席が倒れる仕掛けになっている。操作感は重くない。

ハイブリッド車の床下はジャッキやパンク修理キットに加え、わずかに小物を置けるスペースを用意する。

〈IRカット／スーパーUVカットガラス〉フロントドアガラスは、ジリジリと照り付ける赤外線や日焼けの原因となる紫外線を99％カット。フロントウインドウも同様の効果がある。

〈アクティブコーナリングライト〉夜間に車速が40㎞/h以下でハンドルを90度以上切った時などに、斜め方向専用のライトが点灯して視認性を向上。

〈後席確認ミラー〉ルームミラー近くに、開閉式の“もうひとつのミラー”を内蔵。広範囲を映す鏡で、振り返らずに後席の様子が分かる。

〈バニティミラー〉運転席と助手席のサンバイザー裏に装備。ミラーの脇にはリッドの開閉に連動して点灯／消灯するランプが組み込まれている。

電動テールゲートを標準装備する「Masterpiece」は、日本市場向けのホンダ車として初めて足の動きでゲートを開閉できる機構を採用。テールゲートが開く高さはあらかじめ任意で設定できるほか、作動中にクローズボタンを押せばその場で停止する。

〈通常時〉高さ：940mm 最小奥行き：355mm

〈3列目格納時〉最小幅：1045mm 奥行き：925mm

〈2+3列目格納時〉最大奥行き：1900mm

2列目の分割が2列車と左右逆なのは、右ハンドル地域で3列目のアクセス性を考えているから。

荷室後部に上下可動式（155㎜）の板を装備。上段にすればシート格納時の床がフラットになる。

アンダーボックスは深さも十分で、26ℓの大容量。洗車道具を入れておくのにも便利だ。

〈通常時〉高さ：840mm 最小奥行き：960mm

〈2列目格納時〉最小幅：1050mm 最大奥行き：1850mm

ハイブリッド車と違ってガソリン車は、床の高さが二段階調整式。上段にすればフラットになり、下段（写真）にすれば荷室高が100㎜増す。

大きなアンダーボックスもガソリン2列車だけの特権だ。容量は24ℓあり、防水のトレー状になっているから濡れた荷物も積みやすい。

〈Honda SENSINGのカメラ〉先進安全システムはミリ波レーダーと単眼カメラを“眼”として使う。そのカメラはフロントウインドウ上部のルームミラー奥に組み込む。

〈Bピラーのハンガー〉Bピラーにある小さなフックは、コートやジャケットなどをシワになりにくい状態で引っ掛けられる便利装備。

〈プリズムアンダーミラー〉光の屈折を活用し、死角となる助手席側前輪付近がドライバーから確認できる鏡を助手席ドアミラーの下に装備する。

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