ロー&ロング、大きなエンジンを誇示するかのようなクロームパーツ類、シンプルなペイントとクラシカルなディープフェンダー。表通りをクルージングする「ブルバードクルーザー」と呼ばれるスタイリングだが、同時に多くの人がハーレーらしいと感じる佇まいだろう。近くで見るとクロームの使い分けに気付き、細部まで美しいと実感できる。
跨ると見た目ほど大きく感じないシックリしたポジションに驚く。足つきは大変良好だし、ハンドル位置、ステップ位置などライディングポジションは非常にナチュラル。Uターンもしやすかった。
スポークタイプのホイールはクロームレースと呼ばれるもの。ホワイトウォールタイヤとディープフェンダーの組み合わせも素敵。シングルディスクだが制動力に不満はなく、しかもフォークはカートリッジタイプだ。
前方に伸びるステップボードに無意識に足を投げ出すと、このモデルは小柄な人にはちょっと厳しいかな? とも思ったが、ペダル類は意外と手前にあって不便はない。リアブレーキのストローク感もわかりやすいものでとても使いやすかった。
鞍型のシートはたっぷりとした幅がありソファーみたいな快適さがあるだけでなく、バイクの重心位置の近くにライダーを座らせてくれるためバイクの芯を捉えやすい。またそのすぐ下にあるサスペンションの動きも把握しやすいように感じられ、バイクの挙動が尻を通じて豊富に伝わってくるのだ。
クラシカルなルックスながら中身はモダンなLEDを備えるライト。特に左右のも点灯して3連となった時は驚くほどの明るさを発揮。このモデルだけではないが、ハーレーのライトの明るさに対する取り組みは国産車以上に感じるし、その演出もモダンで先鋭的だ。
文中では「ミルウォーキーエイトの小さい方」と書いたエンジンだが、それでも排気量は1745ccなのだから大排気量に違いない。走行距離極小ということもあってニュートラル出しだけがいくらか渋かったが、それ以外はとてもスムーズ&パワフル、そしてコントロールしやすい味付けとなっていた。
ソフテイルらしくサスペンションが隠れているためスッキリしたテール周り。そのおかげでホワイトウォールタイヤも眩しく、またマフラーの美しさも際立つ。軽快な操作感は比較的細身のタイヤも貢献しているだろう。テールランプは伝統のトゥームストーン型。
左右に独立したウインカースイッチやキーがなくてもONできるイグニッションなど操作系はハーレー定番のものだが、メーター表示含めクセはあるものの難解な部分がないのが良い。プルバックハンドルを握り、前に並ぶ3連のライトケースに映る景色を見ると、何とも素敵な、映画でしか知らない50年代アメリカの気分にさせてくれる。