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アメリカ映画に出てくるような”ハーレーらしさ”で選ぶなら、ソフテイルデラックスが適任だ。|ハーレーダビッドソン

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こういったスタイルを指す「ブルバードクルーザー」という言葉があるらしく、ソフテイルファミリーの「デラックス」はそれに当てはまるらしい。しかしハーレー専門用語(?)を知らない人からしても、何だか古き良きアメリカ映画に出てきそうなその佇まいには、素直にカッコ良いと感じられるはずだ。しかも近づくと細部が非常に凝っていることに気づかされ、さらに気に入ることだろう。簡素な装備と比較的軽量な車体、細身のタイヤなど、見た目も走りもいかにもハーレーらしい素敵さがある。

TEXT●ノア セレン
PHOTO●山田俊輔

目次開く

ハーレーダビッドソン ソフテイルデラックス……2,539,900円〜

デラックスなのにシンプルの妙

これで排気量が小さい方って…ハーレーおそるべし。

足つきチェック

ディテール解説

主要諸元

エンジン

ディメンション

パフォーマンス

ドライブトレイン

シャシー

電気

ロー&ロング、大きなエンジンを誇示するかのようなクロームパーツ類、シンプルなペイントとクラシカルなディープフェンダー。表通りをクルージングする「ブルバードクルーザー」と呼ばれるスタイリングだが、同時に多くの人がハーレーらしいと感じる佇まいだろう。近くで見るとクロームの使い分けに気付き、細部まで美しいと実感できる。

ハーレーダビッドソン ソフテイルデラックス……2,539,900円〜

 ハーレーに詳しくない人からすると、そもそも「ファミリー」って何でしたっけ? となることがあるが、今や色々統合されてわかりやすくなっている。水冷750ccのストリート、昔からあるスポーツスター、そしてこのソフテイル、と3つに大別。色々バッグとかついたツーリングファミリーもあるけれど、以前あった「ダイナ」がなくなってソフテイルに統合されたから色々シンプルでありがたい。
 こうして新しく大きなファミリーとして再スタートしたソフテイルは、ご存知のようにシート下に隠れた1本サスを備えた、昔ながらのリジットフレーム的なルックスを持つ構成。これにカムを1本に戻し、かつてのフィーリングや極低回転アイドリングを実現したミルウォーキーエイトエンジンの排気量違い2種類のいずれかが載っている、ということだ。
 デラックスはこのソフテイルフレームにミルウォーキーエイトの107ci、小さい方の排気量を積んで、昔ながらのスタイリングを与えたもの。ホワイトウォールタイヤや3連のライト、鞍シートや墓石型のテールライトが伝統的で、冒頭に書いた昔のアメリカ映画に出てきそうな雰囲気を出している。とてもナチュラルなポジションを作り出してくれるプルバックハンドルとしっかりお尻をサポートするシート、広いステップボードで、あの頃の映画に出演している気分で走り出す。

デラックスなのにシンプルの妙

 デラックスという名前からは様々な装飾品が多いような印象も受けるものの、実は逆にスマートでシンプルというのがこのモデルの魅力だ。重量も比較的軽く、ポジションにも無理がなく、エンジンの反応も思い通りで、煌びやかなスタイリングからは想像しなかった付き合いやすさがあった。
 やはり何よりも印象が良いのはポジションだ。手前に引かれたプルバックハンドルは大きな車体(ハーレーは皆そうだが)をコントロールするのに最適でフロント周りの重さを感じさせないし、低重心に貢献する低いシートはバイクの芯をしっかりとらえさせてくれて低速でもフラフラするようなことはない。ステップボードは遠くて最初は小柄な人には厳しいかと思ったが、肝心のペダル類は遠くなく、ボードの手前の方に足を置けば操作が難しいということはないだろう。細身のリアタイヤのおかげもあって操作感よく、交差点の右左折など本当に軽やかだった。

これで排気量が小さい方って…ハーレーおそるべし。

「小さい方の」ミルウォーキーエイトか、と思ったが実際に走り出すとアクセルに対する反応がとてもわかりやすく、不足は全く感じない。とてもスムーズで、欲しいだけの動力を自由に引き出せたため車体のコントロールが容易で、このサイズながらUターンも苦にしなかった。
 そしてスタイリング、離れて見るのはもちろん良いが、実際に接してみると同じメッキ/クロームでもそれぞれ違った表情が与えられていることに気付く。各部ピカピカには変わりないのだが、所によってはちょっとブロンズがかっていたり、もしくは少しマット調だったり。このさじ加減が絶妙で作り手のセンスが見えて嬉しい。
 ルックス・走り・接しやすさなど総合して、これまで乗ったハーレーの中でもトップクラスに気に入ってしまったこのデラックス。コダワリ派から初心者まで薦めたい名車に思う。

足つきチェック

跨ると見た目ほど大きく感じないシックリしたポジションに驚く。足つきは大変良好だし、ハンドル位置、ステップ位置などライディングポジションは非常にナチュラル。Uターンもしやすかった。

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