F3ほど戦闘的な気分にはならないけれど、一般的なスポーツネイキッドの基準で考えると、ロッソを含めたブルターレ800のライポジはスポーツ性重視で、ハンドルはやや低く、シートはやや高め。僕自身はこの乗車姿勢に好感を抱いているけれど、フレンドリーさを高めたい場合は、リアの車高を少し下げてもいいのかもしれない。
ブルターレの特徴である楕円型ヘッドライトは、現代のMVアグスタの生みの親として知られるマッシモ・タンブリーニが原型を考案。MVアグスタ専用のニッシン製マスターシリンダーも、タンブリーニがデザインを手がけた。
昨今ではスポーツネイキッドの定番になっているけれど、ブルターレは2001年に登場した初代750から、アルミテーパーハンドルを採用。φ43mm倒立フォークはマルゾッキ。右に伸び、左に圧側ダンパーアジャスターが備わる。
コンパクトなメーターはモノクロ液晶。右端にはエンジンモードとABS/トラクションコントロールのレベル、左端にはギアポジションを表示。
左上に備わる細長いスイッチは、メーター内の表示切り替えと設定変更用。かつてのMVアグスタのウインカースイッチは、今回試乗したロッソのような最下段が定番だったが、最近は中央付近のモデルが増えている。
右側スイッチボックスには、ハザード、4種のエンジンモード選択ボタン、セル/キルスイッチが備わる。バックミラーの支持部は、ボルトを1本しか使わないクイックリリース構造。
シートレザーは側面と上面で異なる素材を使用。ウレタンは硬めの印象で、スポーツライディングには最適だが、ロングツーリングに使うと尻が痛くなるかもしれない。タンデムシート下は電装系部品でギュウギュウ。
シートカウル裏面はフラッシュサーフェス化を徹底。テールランプはツライチを意識したデザインで、リアウインカーがナンバープレートと共にスイングアームにマウントされているため、テール周辺はかなりスッキリした印象。
ステップはラバーなしのスポーティな構成。シフトペダルは位置調整が可能。標準装備のクイックシフターは、アップとダウンの両方に対応する。
並列3気筒エンジンは、量産車では珍しい逆回転クランク/4軸構成/カセット式ミッションを採用。カムチェーンは左サイドに設置されている。RRの13.3:1に対して、ロッソの圧縮比はやや低めの12.3:1。
流麗なマフラーは右側3本出し。排出ガス・騒音規制が世界一厳しいと言われた2010年代中盤以前の日本では、このスタイルで販売できず、日本市場専用マフラーが開発されたが、現在はイタリア本国と同じ仕様で販売。
ブレーキは、F:φ320mmディスク+ラジアルマウント式4ピストンで、R:φ220mmディスク+対向式2ピストンで、ブランドはブレンボ。ABSはボッシュの9Plus。
スポーク部の切削加工は省略されているものの、3.50×17/5.50×17のアルミ鋳造ホイールは、基本的にはRRと同じ。タイヤはピレリ・ディアブロロッソⅢ。
リアショックはザックス。なお排気量や年式によって構造は異なるが、トリレス構造のスチールパイプ+アルミ製ピボットプレートのフレームと片持ち式スイングアームは、1999年以降のMVアグスタ全モデルに共通する要素。