実用化へデンソーが進めるSiC（シリコンカーバイド）ウエハの開発現場 EV、電動車両の性能向上の切り札！デンソーのSiCパワー半導体

左がSi（シリコン）パワー半導体のウエハ（トランジスタ）で右がSiCパワー半導体のウエハだ。サイズの小ささがわかる。この写真はトヨタが2014年に発表した当時のものである。

SiCの元になるアチソン結晶。研磨剤の副産物として得られるもので、この結晶は屋久島産。ここからデンソーのSiC研究が始まった。自然界にはダイヤモンドと違ってSiCの単結晶はほとんど存在しない。

下にうっすら見える部分が現在のSiパワー半導体を使ったインバーターのサイズ。SiCパワー半導体を使えば、体格も大幅に小さくなる。将来的はパワーコントロールユニットのサイズ5分の１を目指す。

この部分が炉。ここにSiCの原料の粉末を入れて2300℃以上に熱して昇華、再結晶化させる。均熱性を保つために0.1～16rpmでゆっくり回っている。中は窒素とアルゴン。

デンソーが特許を持つRAF法は、高品質な種結晶を作る技術で、一度成長させた結晶から欠陥の少ない部位を縦や斜めに切り出し、さらにその部位を種結晶として使う。それを繰り返すことで低欠陥の種結晶を作る。

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