【プリウスPHVのデュアルモータードライブ】MG2がホイールを駆動するのは通常と同様、MG1の駆動力(★)をホイールに伝える(●)ためにはキャリアを固定しなければならない(×)。逆回転方向の回転抑制のための機構がワンウェイクラッチというわけである。
プリウスPHVのトランスアクスルユニット:P610型のベルハウジング側。ワンウェイクラッチが備わっているのが見て取れる。
初代プリウスのパワートレイン。
二代目プリウスのパワートレイン。
三代目プリウスのパワートレイン。エンジンが1.8ℓになった。トランスアクスルでは動力分割機構と減速機構を一体化、効率を著しく高めている。
四代目プリウスのパワートレイン。トランスアクスルのレイアウトを刷新した。
四代目プリウスに搭載されているTHS-IIトランスアクスルは、MG2を別軸配置することでレイアウトを刷新、小型軽量化を果たした。(FIGURE:TOYOTA)
動力分割機構。エンジン出力はキャリアに、MG1はサンギヤに接続される。歯車によって機械的に嚙み合っているので、左グラフで示す回転数の斜線は必ず直線になる。(FIGURE:TOYOTA)
【エンジン始動】*1のMG1を回転させて(★)サンギヤを回転させ、キャリアを駆動してエンジンを始動させる(●)。リングギヤは*2のMG2が停止しているので回らない(×)。グラフから読み解くと、サンギヤの回転数を高め、しかしリングギヤは固定されているので、キャリアがそれに連れて正回転するという仕組みである。このとき、MG2には正トルクをかけてエンジン反力を打ち消す制御を施している。
【バッテリー充電@停車時】上図とはドライブ/ドリブンが逆転した状態。MG1を回転(●)させるためにエンジンを回転させる(★)。なお、車両停止時にはMG2に負トルクをかけることで、ホイールの回転を止めている(×)。
【バッテリー充電量OK時の軽負荷走行】MG2を回転させてホイールを駆動。エンジンは停止しているのでグラフではキャリアは0ポイント(×)、MG2駆動で連れ回るリングギヤは正回転(★)するので、MG1は逆回りに空転(●)する状態。
【バッテリーを充電しながら走行】THSの真骨頂。エンジンからのトルク(★)でサンギヤ(MG1:●)とリングギヤ(ホイール出力:●)をともに正転駆動する。
【エンジントルク主体の定常走行】エンジントルク(★)はホイール出力(●)へ多く割り振り、MG1も駆動(●)しているという状態。その電力で適宜MG2を駆動、エンジントルクをアシストする。
【回生時】ホイールの回転を受けてキャリア(★)がMG1を回転させて発電(●)。エンジンは停止しているのでキャリアは固定(×)。
【後退時】ホイールの直接の駆動はMG2からのトルク。エンジンが停止していればキャリアは固定(×)、MG1は正転しているが空転状態。もしバッテリー残量が充分でないときはエンジンを運転させてMG1を駆動し、MG2への電源とする(図中の斜線がリングギヤの交点を支点としてもっと傾きを増すイメージ)。
【プリウスPHVのデュアルモータードライブ】MG2がホイールを駆動するのは通常と同様、MG1の駆動力(★)をホイールに伝える(●)ためにはキャリアを固定しなければならない(×)。逆回転方向の回転抑制のための機構がワンウェイクラッチというわけである。
プリウスPHVのトランスアクスルユニット:P610型のベルハウジング側。ワンウェイクラッチが備わっているのが見て取れる。
初代プリウスのパワートレイン。