Toyota Prius THSⅡ　TOYOTA HYBRID SYSTEM トヨタ・プリウス、熱効率40％への道程（下）EGR、燃焼室、そして……

2019/05/11

上は吸気マニフォールドを分解したもの。4気筒分の吸気出口の真上に横長のトーナメント型EGR流路が2分割の別部品で取り付けられている。その通路の上にを吸気マニフォールドの部品が載って下の写真のようになる。EGR量の増加が熱効率向上にはもっとも大きな効果を発揮したという。

排気管(画面右側)を出た排気を三元触媒直後で取り出し、この写真の水冷式EGRクーラーを経て温度を下げ、樹脂製マニフォールド内の分配機構へとガスが流れる。トヨタはいち早くクールドEGRの効果に着目し、先代2ZR-FXEに採用した。

ピストン冠面形状の比較。左が新型で右が旧型。強いタンブル流を生むため冠面はなだらかなテーパー状になり、中央部に凹面が形成されている。旧型の時代には、強タンブル流による高速燃焼という考え方がまだ確立されていなかった。

ピストン裏側の形状は旧型（右）と新型（左）で大きく異なる。ピストンリング取り付け部分の裏側にあるオイル穴は、旧型では4つが接近していたが、新型では円周上に分散配置された。この写真に見える穴はふたつだが、穴の数は変わっていない。ピストンリングは公差を詰めたうえで面取りを減らしている。こうした可動部部品は、世代が新しくなるに連れて少しずつ軽くなり、機能が磨かれ、見た目にも洗練されてくる。クランクオフセットは新旧共に変わらない。

これがフローシャッティングバルブの内部。奥に小さな穴が空いていて、バルブ閉のときはこの穴からだけ冷却水が流れる。開弁温度は局所高温になる条件の見極めも含めて決定された。取り付け場所はEGRクーラーの真下である。

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