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「大阪から愛知まで2562円!」という2002年の過去記事を発見。現況のバイク輸送事情を探る! バイクの輸送料金|佐川急便とヤマト運輸に確認、宅急便(宅配便)で送付できる?

  • 2019/09/21
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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モンキーBAJA(バハ)を、「大阪から愛知まで」宅急便(宅配便)で輸送したって本当?

作業風景をチェック

「80kgもの大きな荷物(バイク)を、宅急便(宅配便)として送れるものなのか?」

佐川急便に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

重量物は“宅配便”としてのサービスではなく、作業員2人で運ぶ大型輸送サービスに

“クロネコヤマト”のヤマト運輸に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

ヤマト運輸の「バイク専用輸送」輸送イメージ

「引っ越し便」を使う手もあるが……

まとめ

佐川急便に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

写真は佐川急便HPより。
 とはいえ、囲み記事を読む限り、2002年(平成14年)には、「人一人が持てるもの」であれば、確かに“宅急便”として送付可能だった。これは紛れもない事実だ。

 余談だが、今でもはっきりと覚えている出来事がある。筆者がモト・チャンプ編集部員だった1998年(平成10年)頃、編集部に『木箱に入った50ccの外国製バイク』が送られてきた。

 この外国製バイクは、大阪のバイク輸入業者が扱っていたミッション付きの大柄なヨーロッパ製スポーツモデルで、「ぜひとも試乗に!」という流れで、大阪から東京まで送られてきたものだった。

 当時驚いたのは、『木箱に入った50ccの外国製バイク』が、通常の荷物を運ぶ、普通のトラックで運ばれてきたことだ。

 運んできた業者は「佐川急便」。まるでプロレスラーのような、屈強な体格のドライバーが、バイクの入った木箱を縦にしてエレベーターに乗せ(縦にしなければ、狭いエレベーターに乗らなかったため、恐らくエレベーター前で、横から縦に載せ替えた模様)、100kgは超えると思われる大きな木箱を、編集部のある9階まで一人で運んできた時は、彼のパワーとタフさに度肝を抜かれた。

 3人がかりで再びエレベーターに乗せ、1階の駐車場まで運び、「釘抜き」を使ってせっせと木箱を解体したのを覚えている。

重量物は“宅配便”としてのサービスではなく、作業員2人で運ぶ大型輸送サービスに

写真はイメージです。
 話はさらに逸れるが、佐川急便といえば、筆者が学生の頃(1990年前半)、東京の多摩地区にある佐川急便の集配所へ、夜中の荷分けのアルバイトに行ったことがある。大音量で軍歌が鳴り響く集配所では、ドライバーが集配してきた荷物を、ドライバーと一緒に降ろすのだが、「降ろすのが遅い!」と、何度もドライバーから怒鳴られた。

 また、ドライバーと荷下ろしした後、他のアルバイトの男性とペアを組み、ベルトコンベアに乗って流れてくる荷物を仕分けるのだが、荷物の中には、道路に設置の白い「ガードレール」、また「エンジンらしき工業製品」、加えて「ワケの分からない巨大な金属の塊」等々、重量物が次々に運ばれてきた。

 想像してもらえば分かると思うが、「ガードレール」「エンジンらしき工業製品」「ワケの分からない巨大な金属の塊」などの重量物は、たった2人きりで仕分けることなどできはしない。

 それでも筆者及びペアになった50歳くらいのオッサンは、当初、真面目に作業をこなしていた。しかし相棒のオッサンは、この作業が余程辛かったのか、それとも途中でアホらしくなったのか、夜中3時の休憩時間を見計らい、まだ電車やバスの動いていない真夜中にもかかわらずに脱走した(代わりに若い男がやって来た)。

 「ストリートファイト(街中の喧嘩)では、佐川急便のドライバーは中途半端な格闘家よりも強い」「佐川急便は何でも運ぶ」という、当時の定説を思い出しながら、佐川急便の問い合わせ窓口に電話で、「宅配でバイクを送りたいんですが……(佐川さんなら大丈夫でしょWW)」と聞いてみたところ、

 「自転車以外の二輪車(バイク)や、大型家具など、一人での集配車両への積み下ろしが不可能な荷物については、基本的に宅配便としてはお預かりできません」とのこと。

 「あれれ、昔、木箱に入ったバイクが、佐川急便さんのトラックに積まれて、運ばれてきたことがありますよ(時代も変わったのかな??)」と切り返したところ、

 「セールスドライバーの判断により、受け付ける場合もありますが……。そもそも、木箱に入ったバイクって、一人では運べませんよね?」

 はい。オレだってそう思う。だが、9階まで一人で運んで来たマッチョもいた……。う~む、ドライバーによりけりか。

 佐川急便によれば、木箱に入ったバイク等の重量物は、“宅配便”としてのサービスではなく、作業員2人で運ぶ大型輸送サービスとなるとのこと。もしもバイクの輸送を希望する場合は、「輸送は可能か?」「梱包はどうするか?」等の打ち合わせや、別途見積もりが必要であるという。

 ちなみに、佐川急便の「大型家具・家電設置輸送サービス」では、3辺の合計が160cm以上600cm以内、重量80kg以内の家具や家電を受け付け中。80kgを超える場合は、別途要相談となる。料金例は下記の通りだ。

“クロネコヤマト”のヤマト運輸に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

写真はヤマト運輸HPより。
 今度はヤマト運輸の問い合わせ窓口に電話で、「宅急便でバイクを送りたいんですが……」と聞いてみたところ、

 「バイクは宅急便ではなく、“バイク専用輸送”をご案内しております」と、至って事務的にご返答いただいた。

 「昔、ダンボールでバイクを梱包し、80kgの荷物として運んでもらったことがあるのですが……」と、しつこく粘ってみたところ、

 「例えば、重いお荷物を持つのが困難なお年寄りの多い過疎地。また、災害時等の緊急時等には、臨時に規定外の大きな荷物を受け付る場合もあります。しかし、基本的にバイクの輸送に関しては、“バイク専用輸送”をご案内しております」とのこと。

 ヤマト運輸が展開する“バイク専用輸送は、全国各地にクルマやバイク(ビッグバイクも可能)を輸送してくれるサービスだ。

 本サービスは、国内の専門会社との提携サービスとなっており、輸送は提携業者が行う。

【料金例】
車種:バイク(100cc以下)
経路:大阪府から愛知県まで
料金:32,940円(税込)
(本体価格) 30,500円

 輸送途中、万が一事故などが発生し、車体に損害を与えた場合、輸送担当会社規定の車両補償の範囲内で賠償される。

 なお、輸送は専用のキャリアカーを使用。つまり、面倒な梱包等は一切不要。安心して任せられるのが大きなポイントだ。

ヤマト運輸の「バイク専用輸送」輸送イメージ

「引っ越し便」を使う手もあるが……

ヤマト運輸の「単身者向け引越しサービス」のボックス(ヤマト運輸HPより)。
 巷では、バイクの送付には「引っ越し便を使えばいい」という意見もある。例えば、ヤマト運輸の「単身者向け引越しサービス」。家財量に合わせてボックス数を選び、申し込みするシステムだ。

 ボックスのサイズは、幅104cm×奥行き104cm×高さ170cm。ダンボール等でしっかりと梱包し、縦向きにすれば、モンキーBAJA(バハ)ならば2台は積載できそうだ。

 「“単身者向け引越しサービス”で、バイクは送れますか? ダンボール等でしっかりと梱包します。重さは80kgくらいです」と、電話でヤマト運輸の問い合わせ窓口に聞いてみたところ、

 「“単身者向け引越しサービス”は、家具や家電などの生活用品が対象となりますので……。お客様がバイクを『家財道具です』と偽り、仮に輸送中に破損したとしても、バイクは補償対象外になります。バイクの輸送は、補償も付いて安心できる、“バイク専用輸送”をご案内しております」とのこと。

 バイクの場合、ガソリンやエンジンオイルは抜いていても、ディスクブレーキのオイルが漏れるかもしれない。また、衝撃で梱包が破れ、バイクが倒れた場合、チェーンオイルでボックス内が汚れる可能性もある。その場合、運送会社から損害賠償を求められるはず。

 ボックスの破損や汚れを考慮し、引っ越し便でのバイク輸送は控えるのが、社会人としてのマナーかな? と筆者は思う。

まとめ

 今回は、佐川急便とヤマト運輸の2社に問い合わせてみたが、結論としては両社とも、バイクの送付は基本的に宅配便や宅急便として受け付けていない。2002年(平成14年)は「人一人が持てるもの」まで送付可能だった宅急便は、2019年(令和元年)現在、25kgまで(ラージサイズのヤマト便は30kgまで)に制限されている。

 もしも引っ越し等でバイクを輸送するならば。車両の破損や補償を考慮し、ヤマト運輸の「バイク専用輸送」を始めとした、安心して利用できるバイク専用の輸送システムを利用した方がベターだろう。

 2019年現在、インターネットのオークション等、バイクを通販する場合、ヤマト運輸の「バイク専用輸送」等のバイク専用の輸送システムを使うのが常識となっている。バイクの送付=バイク専用の輸送システムの利用。これが定番なのだ。

 バイク専用の輸送システムは、確かに宅配便に比べて割高。しかし、補償もきちんとしていて、面倒な梱包の必要もなし。人員も、梱包材料も、時間も、大幅に節約できる、便利なサービスであることを覚えておこう。

■ヤマト運輸の「バイク専用輸送」

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