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レヴォーグのエンジンとアイサイトは完全新開発、プラットフォームも新型レガシィよりさらに進化 新型スバル・レヴォーグプロトタイプ開発責任者・五島 賢PGMインタビュー…合い言葉は「目指せ、ヴィジヴツアラーコンセプト」!【東京モーターショー2019】
- 2019/10/24
- 遠藤正賢
10月23日にプレスデイ初日を迎えた「第46回東京モーターショー2019」で、スバルが世界初公開した新型「レヴォーグ」プロトタイプ。2020年後半発売予定の市販モデルはどのような姿になるのか? 今回発表されたプロトタイプとの違いは? 開発を指揮したスバル商品企画本部の五島 賢(ごしま さとし)プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)に聞いた。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/スバル
--新型レヴォーグプロトタイプは、キープコンセプトでもなく劇的に変わったわけでもない、何とも言えないエクステリアデザインになっているように感じたのが正直な所ですが、その狙いは?
五島 (笑)。一番はスバルのアイデンティティ、一目見てスバル車と分かることですが、2018年3月にジュネーブモーターショーで発表した「ヴィジヴツアラーコンセプト」、あのモデルをベンチマークとしました。「あれをそのまま量産しようよ」というのが、プロジェクトチームが掲げた所で、「目指せヴィジヴ」という想いがありましたね。あのモデルも新しい形ですがスバル車であるのは事実なので。
ヘキサゴン(六角形)グリルやコの字のラインなどはキープしていますが、現行車と見比べると、ラインのシャープさやグリルの大きさ、ヘッドランプの小ささなどに先進性を感じていただけると思います。
--そうですね、かなりスポーティなシルエットになった印象がありますね。
五島 そこはお客様の期待に応えた形ですね。一つ上のクラスに高めることがお客様のニーズと思っていますので。ヘッドランプはスバル車で最も小さくなっていますし、ヘキサゴングリルも今までは正直ヘキサゴンになっていなかったのですが、今度は確実にヘキサゴンになっていますね(笑)。
--新開発の1.8L水平対向直噴ターボエンジンを搭載するとのことですが、これは完全に新規設計なのでしょうか?
五島 はい、完全新開発です。
--ボア×ストローク比やボアピッチなども変えているのでしょうか?
五島 厳密にどこがどうとは言えませんが、燃焼から新設計しています。
--「スバルグローバルプラットフォーム」(SGP)に「フルインナーフレーム構造」を採用したということは、新型レヴォーグプロトタイプのプラットフォームは、北米で先行発表されている新型レガシィに近いものと考えればよろしいでしょうか?
五島 フルインナーフレーム構造を採用したという点では同じですが、上屋の構造は意匠に合わせて調整していますので、我々の開発チームとしてはさらにレベルを上げていると自負しています(笑)。
--フルインナーフレーム構造について、改めて教えていただけますでしょうか?
五島 一番最後の工程が違うのですが、今まではアウターパネルに幾つか部品が付いていたんですね。それは工程上、どうしても先に付けておかなければならなかったのですが、そこは骨格として機能する所なので、言わばそこに穴が開いている状態だったんですね。ですから骨格のねじり剛性が落ちてしまうんですよ。
今回は一回全部骨格を組んでから、薄い鉄板一枚を貼る、そういうイメージですね。
--アウターパネルと骨格を明確に分ける…?
五島 その通りです。中のフレームをちゃんと作って、最後にアウターパネルを貼り付けるだけですね。
--従来はアウターパネルに付いていた骨格とは、具体的にどれですか?
五島 代表的なのは車体後部、Dピラーの脇の下、あの辺りが構造上最も組みにくい所で、どうしてもアウターパネルに付けておかなければならなかったので、剛性が低かったのですが。
--それが可能になったのは、大きな骨格を組み上げる設備が導入されたからですか?
五島 そういうことです。溶接の順番も変わりますので、設備の配置も変えています。
--アイサイトもハードウェアが見た目からしてハッキリ変わっていますが、特に進化した部分は?
五島 新開発したカメラで一番狙ったのは広角化ですね。それを実現するには今の搭載位置ではダメで、フロントガラスに取り付けるタイプになっています。測定できる距離はさほど変わっていません。
--カメラ間の距離が広がり、レンズ自体も小さくなったように見受けられます。
五島 そのあたりは、量産モデルの時に追々(笑)。また、レーダーを4つ、フロントとリヤに2つずつ付けています。これは従来リヤに付けていたものと、世代は違いますが機構としては一緒で、主に交差点などでのブレーキアシストの機能を上げています。
その上に、高精度マップとロケーターを積むバージョンもあるのですが、そちらは運転アシスト、疲れないように、従来の「ツーリングアシスト」をさらに進化させたものになっています。具体的にはカーブの前で減速したり、渋滞時にはハンズオフ走行が可能になる、ということですね。それらは高精度マップがあるからできることです。
--高精度マップはスバルさん単独で作られるのでしょうか?
五島 そこもまだ申し上げられないですね(苦笑)。
--新型では、WRXとの共用化は?
五島 今日はあくまでレヴォーグだけですので…(苦笑)。
--車体寸法は変わっているのでしょうか?
五島 もちろん変わっていますが、今日は公表しておりませんので、写真をよく見比べてみて下さい(苦笑)。
--基本的にはこの格好のまま市販化されると考えて良いのでしょうか?
五島 プロトタイプです、それ以上は言えません(笑)。よく見ていただければ、お分かりいただけると思います。
--もうそのまま公道を走れそうな雰囲気がプンプン漂っていますが(笑)。
五島 肯定も否定もしません(笑)。
--このまま発売されることを期待しています。ありがとうございました。