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世界的なオートバイ冒険家・風間深志さん発案のツーリング・ラリーが大人気なワケ 列島横断500km! 太陽追いかけ千里浜でゴールのSSTR2020に参加してみた

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日の出とともに自身で決めた日本列島の東海岸からスタートし、日没までに日本海の千里浜にゴール。世界的なオートバイ冒険家・風間深志さんが発案したSSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)2020に参加しました。

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●磯部孝夫(ISOBE Takao)、風間深志事務所

パリダカで味わったゴールの感動を千里浜で!

 日の出から太陽を追いかけて走り列島横断500km、千里浜で見た夕陽は感動モノでした。年々、エントリー台数が増え、ツーリングライダーたちに人気のSSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)に参加しました。

 SSTRは世界的なオートバイ冒険家・風間深志さんが発案。1985年にバイクでエベレスト登攀(とうはん)し、6005メートルの世界記録を樹立した風間さん。1987年に北極点、92年に南極点到達を果たし、いずれもバイクでは史上初の快挙で、パリ・ダカールラリー日本人初参戦など二輪ラリーのパイオニアとして知られています。

 そんな風間さんが「パリダカの感動を日本のライダーにも」と、2013年に始めたのがSSTRです。「ダカールの海岸をヴィクトリーランしたような体験を、日本のバイク乗りにも味わってもらうことはできないかと考え、日本で唯一バイクで走ることが認められている海岸、石川県羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイをゴールと定めました。

 出発地点は、日本海と反対側の海岸線ならば何処だってOK。基本ルールは、日の出とともに参加者自らが設定する日本列島の東海岸から出発し、列島を横断。日没までに日本海の千里浜にゴールするという単純明快なもの。第1回は参加台数130台でしたが、面白いと評判を呼び、エントリー台数は年々増加すいる一方。2020年大会は5000台の定員が、受付開始とともにすぐに埋まるほどの人気ぶりでした。

2019年5月25日(土)~26日(日)に開催された2019年大会。

コロナの影響で、初のオープン形式へ

 2020年大会は5月23日(土)〜24日(日)に開催予定でしたが、コロナの影響で初のオープン形式「My SSTR」へ変更。2020年10月1日~21年3月31日の期間中に自分で参加日を決め、主催者が用意したSSTRシステムにスマートフォンでログイン。出発時とゴール到着などを登録します。システム未使用でも写真をメールで送信するなどの方法も用意されています。

 さて、筆者がスタート地点に選んだのは大黒ふ頭(神奈川県横浜市)。暗いうちに集合し、ゼッケンを車体に貼ると気持ちが高ぶります。ハーレーダビッドソン「ロードグライドリミテッド」のリヤシートにカメラマンを乗せ、気の合う友人と出発しました。

 SSTRは優劣をつけるものではなく、参加したライダーが無事にゴールし、全国から集うライダー同士で交流を深めることを主な目的とした自己完結型のラリーです。レースではありませんが、参加者みんながゼッケンを貼り同じ目的を目指す。こうした興奮を共有するためにも、ゼッケンが重要だと風間さんは言います。

 そして、さすがは風間さんが考えただけのことがあります。いくつかの指定された地点(高速道路のパーキング/サービスエリア、道の駅)に立ち寄ってポイントを獲得し、日の入時刻までに千里浜に辿り着くというミッションが、参加者には課せられているのです。日の短くなった時期に千里浜での夕陽を確実に撮影したいと考えると、“完走”扱いはかなり難しいことがわかりました。我々は立ち寄り地点をすっ飛ばし、とにかくゴールを目指すことにしたのでした。

 首都高そして圏央道を経て、まずは中央道でひたすら西へ。松本インターで降り、糸魚川に北上、北陸道に抜けるルートか、安房峠を越えて高山、白川郷を抜けていくかですが、後者を選びます。首都圏からだと他に、関越道から上信越道で上越ジャンクションまで行き、北陸道に抜けるルートなどもあります。ただし分散された立ち寄り地点が複数あるので、完走扱いを目指すなら一筋縄にはいきません。

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