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懐かしのトラディショナルモデル「GB」がGB350として日本上陸!|ボア×ストローク比が妙に気になる348cc空冷単気筒。

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本来なら、恒例のモーターサイクルショーで公開が予定されていた期待のミドルクラス単気筒がこれ。実はこの350ccモデルはインド市場で「H'ness CB350」として昨年9月にデビュー、既に1万台突破の高い人気を獲得している。「GB」のブランドネームが復活登用されての国内投入は、にわかに注目を集めそう。撮影のために触れて跨がり、エンジン始動厳禁の限定取材ながらも、なかなか個性的な魅力が漂ってきた。今回は試乗前のファーストインプレッションである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

ホンダ・GB350.......価格未定

オールニューモデルの投入に興味津々!

 全て新作のブランニュー・モデルながら、何とも地味な佇まいが先ずは印象深い。しかしそこからは、只ならぬ雰囲気が漂ってくるのである。
 先ずは次の写真で示す通り、スチール製のパイプフレームはセミダブルクレードル方式を採用、いかにもオーソドックスな前後サスペンションはもちろんの事、キャストホイールはフロント19、リヤ18インチサイズの組み合わせ。
 ジオメトリー等の詳細データは未公表ながら、往年の標準的ロードスポーツを彷彿とさせる点が新鮮かつ気になるところ。

 撮影車両を押し歩くと、操舵フィーリングも含めてそれなりにズシっと重い手応えを覚える。参考諸元によると車両重量は181kg。今、ファイナルエディションが販売されているヤマハSR400は175kgだから6kg重い。しかし、GB350の方がそれより少しばかり車体が大柄な事もあってか、扱いが重過ぎるとは思わなかった。
 高さ800mmのシートに跨っても、足つき性に不安を感じる事はなく、背筋を真っ直ぐ伸ばして乗れるごく普通の自然体ポジションが好印象。
 手前絞りの少ないアップハンドルに手を添えた時、前方に広がる景色が大地から大空まで広々と快適に感じられた。その開放的な感覚だけでもパーソナルタイムを自由気ままに過ごすに相応しい相棒になってくれそう。
 センタースタンドも標準装備され、その扱いやすさも良い。サイドから後方の高い位置を連ねる黒パイプのグラブバーや段差の少ないロング・ダブルシートと高過ぎない位置にセットされたピリオンステップで、タンデムライディングも快適そうである。
 5段ミッションのシフトペダルにはスーパーカブ系モデルに見られるシーソー式が採用されているのも印象的。普段使いの足代わりに乗った時、例えばフォーマルシューズを履いていたとしても、つま先(甲側)を傷つける事なくアップ/ダウンシフトが可能となるわけだ。

 さてGB350で最も興味深いのは何と言っても空冷OHCシングルエンジンだ。注目すべきはそのボアストロークにある。
 それは70×90.5mmと言う超ロングストローク・タイプ。ちなみにヤマハSR400は87×67.2mmのショートストローク・タイプ。既報のホンダNC750XやカワサキW800のボアは共に77mmでストロークは80mmと83mmと言うロングストローク・タイプ。
 ロングストロークで定評のあったかつてのカワサキ・エストレヤは、それでも66×73mm。内径➗行程でスクエア比を算出すると、エストレヤでさえ0.9、GB350は何と驚きの0.77である。
 トランスミッションは5段式。恐らくワイドレシオと組み合わされる超ロングストローク・シングル・エンジンが果たしてどんな出力特性と、どのような乗り味を発揮してくれるのか、試乗するのがとても待ち遠しい楽しみな存在と言える。
 実際SR400と比較すると最高出力発生回転数は1,000rpm低い。排気量が51cc小さい事もあって、パワーこそ控えめながら、最大トルクはSR400の28Nmを凌ぐ30Nmを誇っている点も見逃せないのである。

 シンプルかつシックな艶消しで仕上げられた全体の雰囲気はレトロな感覚だが、搭載技術は最新の物が投入されており、湿式多板のクラッチにはアシスト&スリッパクラッチを採用。
 クランク軸前方には1軸バランサーシャフトを装備、クラッチと同軸上にあるミッション側メインシャフトにもバランサー機能を入れて、長いストロークをピストンが往復する振動を打ち消す策にも余念が無い。
 電子制御系も最新デバイスが奢られている模様。例えばHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)も採用されるだろう。さらに標準化されるかどうかは不明ながら、HSVCS (ホンダ・スマートフォン・ボイス・コントロール・システム)が装備されてくるかもしれない。
 
 何れにせよレトロ感覚たっぷり、トラディショナルな外観と新機軸の融合は見逃せない。そして買いやすい価格設定でもSR400を大胆に凌いでくれれば、多くのユーザーのハートを掴むことができるのではないだろうか。
 大いに期待したいのである。

足つき性チェック(ライダー身長168cm)

ご覧の通り、両足は膝にも余裕を持って、べったりと地面を捉えることができる。上体の起きたゆったりと自然体なライディングポジションが印象的だ。

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