【街全体がロッシまみれ】バレンティーノ・ロッシの故郷、イタリア・タヴッリアをぐるぐる歩いてみた。
- 2019/10/01
- 伊藤英里
MotoGPで圧倒的人気を誇るライダー、バレンティーノ・ロッシ。そのロッシの町として有名なのがイタリア・タヴッリアである。実際に足を運んでみると、その町にはそこかしこにロッシの存在があった。
REPORT●伊藤英里(Eri Ito) PHOTO●YAMAHA、伊藤英里(Eri Ito)
MotoGPサンマリノGPのレースウイーク前、イタリアのタヴッリアを訪れた。ロッシが育ち、今も住んでいて、ファンクラブ本部やオフィシャルグッズストア、ダートトラックコースの『ランチ』などがある町。まさにロッシ一色の町だと聞けば、足を運ばずにはいられないではないか。
タヴッリアは、MotoGPサンマリノGPが開催されるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリから車で約20分、ボローニャ空港からは約1時間30分の場所にある。公共交通機関を使う場合は、最寄りの鉄道駅はないので、バスを乗り継ぐ必要がある。
そう、ロッシの町はそのくらい落ち着いた場所にあった。『TAVULLIA(タヴッリア)』という看板にお出迎えされてレンタカーを走らせると、間もなくロッシのファンクラブ本部やピッツェリア、ショップなどが集まる時計台付近にたどり着く。そのまま道なりに走れば、あっという間に住宅地を抜けてしまった。町全体が丘のなかにあるようでアップダウンがあり、周りもなだらかな丘に囲まれている。一言で言うと、とてものどかな場所。豊かに広がる自然に、うっかり癒されてしまったくらい。「こんなに穏やかな土地でロッシは育ったのか~」と、その風景を眺めながら思いを馳せる。
ロッシのファンクラブ本部やピッツェリア、バール、ジェラート屋さん、オフィシャルグッズのストアは、フォトスポットはひとところに集まっているから、まず迷う心配はなし。まず訪れるならこのエリアである。
ここには平日にもかかわらず、たくさんのロッシファンがやって来ていて、写真を撮ったり食事をしたり、グッズを買い求めたりしていた。この週はサンマリノGP開催週ということもあってか、イタリアどころか各国からファンが訪れていた。おまけに、ピッツェリアではイタリア語、スペイン語、ロシア語、英語、さらに日本語などでもあいさつが書かれていた。ロッシのファンが世界中にいる、ということなのだなあ……としみじみ感じる。
ちなみにサンマリノGP開催週には、このタヴッリアでロッシがプレイベントを行った。ダートトラックコース『ランチ』からタヴッリアの町を通り、ミサノ・サーキットまで、MotoGPマシンであるヤマハYZR-M1でデモランをしたのだという。大勢のファンが、タヴッリアの町にひしめいたそうだ。
ロッシファンだけじゃない!? タヴッリアにやって来たお客さんを直撃
せっかくなので、訪れていたお客さんにお話を伺った。まずキャッチしたのはフランスからやって来たというご夫婦。話しかけたときにはイタリア語だったのだけど、よくよく話を聞いてみればフランス人だということが判明! ご夫婦はフランスからヤマハのFZ-1 FAZERでやって来たそう。陸続きのヨーロッパならではだ。
バイクで帰ろうとしているところを直撃したご夫婦は、なんとフィンランドからやって来たそう。「こちらで借りた」のだというバイクは、ヤマハのRD350では……。かなり年季の入ったバイク好きではと思いながら話を聞くと、なんと旦那さん、フィンランドの国内ロードレース選手権の元ライダー! Moto2クラス、Moto3クラスにチームを持つ、アキ・アジョのお知り合いだそうで、サンマリノGPにも行くという。「(ミサノ・サーキットの)パドックで会おう!」と言って奥さんを後ろに乗せ、颯爽と走り去って行った(残念ながらパドックでは会えなかった)。いやはや、いろいろな方がタヴッリアを訪れているようです。
ダートトラックコース『ランチ』を訪れることもお忘れなく
さて、タヴッリアにやって来たら、行かねばならないところがもうひとつ。そう、ロッシのプライベートダートトラックコース『ランチ』である。こちらはロッシのショップなどが集まるエリアから、徒歩だとかなりの距離がある。「歩いても行けるけれど、クルマがかなりスピードを出すから、危ないのよ」とファンクラブ本部スタッフのお姉さん。実際その通りだったので、できればクルマなどで行くことをすすめたい。
『ランチ』のなかに入ることはできないけれど、普段は近くまで寄ることができるらしい。ただ、この日はそのエリアまでも入ることができなかった。サンマリノGP前と開催週の2週間は閉鎖されていたそうだ。それでも高台の道から眺めることはできた。丘のちょうどくぼんだ部分にダートトラックコースが作られている。コース脇には大きな建物があり、コースのなかには照明施設らしきものも立っていた。この規模の施設をひとりのライダーが作ってしまえるのがスゴイ。たどり着くのは少し大変かもしれないけれど、一見の価値ありだ。
タヴッリアでは、ロッシの存在をたっぷりを感じることができる。散策を終えたらピッツェリアでゆったりとピザをいただいて、バレンティーノ・ロッシというライダーに思いを馳せる──、そんな贅沢な時間を過ごすことができそうだ。
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