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5速化って素晴らしい! エンジンが一新されたホンダ・グロムを解説

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前後ホイールに12インチサイズを履くユニークなミニバイク。同カテゴリーのライバルはカワサキZ125 PROのみ。現在ヤマハとスズキに類似モデルは存在しない。初代デビューは2013年5月。その後カラーリング変更や2016年には外観の一新を経て、今回は外観とエンジンも変更された進化系として3月25日に新発売された。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO ●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
取材協力●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

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ホンダ・GROM.......385,000円

愛着のわく可愛らしいデザインが魅力的。

ディテール解説

⬛️主要諸元⬛️

ホンダ・GROM.......385,000円

フォースシルバーメタリック
マットガンパウダーブラックメタリック
HRC・GROM Race Base Model

愛着のわく可愛らしいデザインが魅力的。

HRC GROM Cup のワンシーン。
 ホンダグロムは、エイプシリーズの跡を継ぐエントリーモデルの担い手としてリリースされたレジャー系カテゴリーに属し、遊び心にあふれる楽しいモデルとしているのが特徴である。
 初心者にも扱いやすい取り回し性の良いコンパクトな車体サイズと親しみやすい外観デザイン。そして本格的バイクと同様な操作性を採用している。その特徴を示すキーワードは「親しみやすい」と「乗って楽しい」と言ったところ。
 
 今回の新型では、より斬新なスタイリングへの一新に加えて、新開発エンジンの搭載が見逃せない。
 バックボーンフレームに搭載された前傾の空冷SOHC単気筒エンジンは、低フリクション技術を徹底投入された123cc。特に目新しい技術では無いが、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームが採用されている。
 ボア・ストロークも変更。前モデルは52.4×57.9mmの124ccだったが、新型は50×63.1mmとよりロングストローク化され、圧縮比も9.3:1から10.0:1へとアップされた。
 結果として最高出力は7.2kW/7,000rpmから7.4kW/7,250rpmに向上。11Nmを発揮する最大トルクはその発生回転数が5,250 rpmから5,500rpmになっている。
 想像するに、より柔軟な出力特性を発揮。スペックデータが示す通り劇的な変化は無いだろうが、以前よりも頼もしいスロットルレスポンスと扱いやすい乗り味が期待できそう。
 もうひとつ見逃せない進化は、5速化された新開発ミッションの搭載。前モデルの4速と比較すると、1速から4速までは低めのギヤレシオとし、トップギヤは高めのギヤリングに設定されている。
 このミッションの変更により、前述の出力特性と相まって、よりパワフルな走りを発揮するだろう。
 クルージング時のエンジン回転数が低下するので、静かで快適な乗り味も期待できそう。結果的に燃料消費率も定地データでは62.7km/Lから63.5km/Lに、WMTCモード値は67.1km/Lから68.5km/Lに向上している。
 ホイールベースとシート高はほぼ同じ。ハンドルポジションは少し高く、幅は狭くなっている。そして車両重量は2kg軽量化された102kgになっているのも見逃せないポイントである。
 
 またGROMにはHRCからレースベース車がリリースされている。2016年からGROMを使用するワンメイクレースが開催されており、モータースポーツへの登竜門としても親しまれている。ちなみに新型と旧型はクラス分けされると言う。つまり新型のパフォーマンスはかなり高くなったと理解できるわけである。

ディテール解説

8角形デザインのLED式ヘッドランプはなかなかユニーク。ウインカーは12V21Wの電球式。ボルトオンされたタンクカバーは簡単に脱着できる。
アルミキャストホイールは5本スポークタイプ。φ31mmの倒立式フロントフォークはSHOWA製。ディスクローターはφ220mm、NISSIN製2ピストンのピンスライド式キャリパーが採用されている。
水平近くまで前傾された空冷シングル・エンジンは全体にブラックアウトされている。
1本マフラーは右出しのショートアップタイプ。
イエローのコイルスプリングが目立つ軽量シンプルなモノサスペンションを採用。
スイングアームは50X25mmの角断面スチール鋼管製。アンダータイプのリヤフェンダーやドライブチェーンカバーは一体デザインされている。
リヤディスクローターはφ190mm。NISSIN製1ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。
ブラックアウトされたパイプバータイプのアップハンドルを装備。
シンプルなデザインの液晶デジタルメーター。ギヤポジションや燃費計他、多彩な情報表示がある。
上側中央のREVインジケーターランプは6,750rpmから点滅を始め、7,500rpmで点灯表示になる。
ライディングポジションに自由度のあるフラットなダブルシート。左脇のキーロックを解錠すると簡単に脱着できる。
LED式テール&ストップランプはシートエンドにセット。テールビューはスッキリとデザインされている。

⬛️主要諸元⬛️

グロム
車名・型式:ホンダ・8BJ-JC92
全長(mm):1,760
全幅(mm):720
全高(mm):1,015
軸距(mm):1,200
最低地上高(mm):180
シート高(mm):761
車両重量(kg):102
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):63.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):68.5〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):1.9
エンジン型式:JC92E
エンジン種類:空冷4ストロークOHC 単気筒
総排気量(cm3):123
内径×行程(mm):50.0×63.1
圧縮比:10.0:1
最高出力(kW[PS]/rpm):7.4[10]/7,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):11[1.1]/5,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):6.0
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式5段変速
変速比:
 1速 2.846
 2速 1.777
 3速 1.315
 4速 1.034
 5速 0.843
減速比(1次/2次):3.040 / 2,533
キャスター角(度):25゜00′
トレール量(mm):81
タイヤ(前/後):120/70-12 51L / 130/70-12 56L
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式
フレーム形式:バックボーン

製造国:タイ

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