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「各メーカーのバッテリーの規格統一」が電動バイク普及のカギ! |国内バッテリーコンソーシアムの進展

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国内4メーカーが肩を並べる発表となったのは、昨年8月の「eやんOSAKA」以来のこと。それはバッテリー交換式電動二輪車の実証実験で4社が連携を図る事であったが、昨日(3月26日)、東京のくるまプラザにおいて、「電動二輪車用交換式バッテリーの相互利用を可能にする標準化に合意」した旨が我々プレス関係者に発表された。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
取材協力●本田技研工業株式会社
    ●川崎重工業株式会社
    ●スズキ株式会社
    ●ヤマハ発動機株式会社

ポイントは使用バッテリーの規格統一にある。

 クルマもバイクもEV化の波が押し寄せてきているのは良く知られている。その背景にはグローバル規模での環境問題であるカーボンニュートラル(脱炭素社会)への注目が高まっているからに他ならない。       
 慣れ親しんだ内燃機関(エンジン)もかなりクリーンになっているが、乗り物自体から出る排気ガスがゼロという意味では、EVに叶わない。またゼロスタートでピークトルクを発揮するモーター動力による乗り味も新鮮。走行騒音が静かで、比較的部品点数が少なくシンプルに作れるメリットも侮れない。
 もっともエネルギー源を電力に切り換えることが、トータルで見て、地球環境へのダメージを“本当に”減らせられるのかどうかは、懐疑的な部分も少なくはないだろう。ただ、現状においてEVには静かでクリーンな良いイメージが伴っている事だけは間違いない。

 バイクの場合は特に搭載スペースや重量、車両価格に占められるバッテリーコストの割合が高い点が問題となり、クルマよりも開発や普及が後手に回っている。
 EV自体は鉛バッテリーの時代から存在し、ホンダやヤマハがいくつかのモデルをリリースしてきた経緯はあるが、商品化においては大きなバッテリーの存在が常にネックとなっていた。
 簡単に言うと不十分な航続距離。出かけた先で電欠した場合の不安。そして充電の手間暇が上げられる。 
 こうした事態の解決策として業界が一団となるコンソーシアム(共同事業体)を発足させたのが2019年4月の事。
 それ以前には交換式のバッテリーを使う方法やEVバイクのシェアシステム等で先行し成功させた例を誇る台湾のGogoroとヤマハが協業検討する場面もあったが、日本の4社が一丸となって「交換式バッテリーの相互利用を可能にする標準化への合意」で将来的に大きな力を持つに至った点が今回記者発表された全てである。
 

 この合意に基づき新たな(規格化された)バッテリーを開発。前述の欠点を補う事へ貢献していこうというわけ。
 取り出し自由な統一バッテリーが、どこでも気軽に入手できる環境整備が叶えば、例えばコンビニ等のバッテリーステーションで充電済みのバッテリーへ気軽に交換でき、実用航続距離は伸び、電欠の心配も減る。
 各社多くのバイクで同じ電池が活用され、バッテリーステーションにも置かれるようなら、生産量は飛躍的に増え、コスト削減が促進される。規格化される事で、一定のデバイスを介せば、他のアイテムへの給電にも活用範囲が広がる等、メリットが大きい。
 つまりはEV普及促進に向けた切り札として交換式バッテリーの規格統一に踏み出した事が発表内容の骨子である。
 ちなみにバッテリーはこれから開発されるので、具体的にどのような形の物になるのかは見えていないと言う。現在ホンダBENLY e 等で実用化されているモバイルバッテリー(50.4V/20.8Ah) と異なることも間違いないそう。
 ただ今回は、原付一種と二種の製品向けバッテリーの規格化であり、各社相互利用とバッテリーステーション等の環境整備についての合意であると明言された。
 
 今後の新開発となれば、少しでもコンパクト軽量なデザインになる事を期待したいところだが、既に自動車技術会規格(JASO) のテクニカルペーパー「TP21003 」に準拠して規格化の推進が動き出しており、4月にはより具体的な内容が公表されるもようである。
 

バッテリーは今も劇的な進化の途上にあるが、現状は実用上にまだ少なからず課題がある。
脱着可能という意味では広く普及している電動アシスト自転車と同じ方式。しかも使用バッテリーが規格統一され街でも交換利用できるメリットは、ユーザーにとってもありがたい。

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