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カブF号=空冷2スト49ccの自転車用補助エンジン 2ストのカブ!? 自転車と合体!? 希少な「カブF号」に乗った!

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昭和の大らかさが窺い知れるカブF号

当サイトでもおなじみのジャーナリスト・近田 茂氏にレポートしてもらおう。(以下、近田氏)

 発売当時は、エンジン音から別名「バタバタ」とも呼ばれたカブF号。「自転車オートバイ」と言われていたのも懐かしい。男性はもちろん、当時は女性が運転していたのも多かったと記憶している。
 補助エンジンを搭載した試乗車は、山口自転車製の実用車。業務用自転車とも呼ばれる、いわゆる荷物運搬用のヘビーデューティーなタイプだ。体感的に車重は、30kg前後あると思われる。

 カブF号とは、自転車用補助エンジンを指す。カブF号は汎用型なので、別の自転車にも後付けできるのが、当時の大きなポイントであり、メリットとなった。

 マシンにまたがって、車体を起こしてみる。パワーユニットはリヤタイヤ左脇の低位置にマウントされるためか、約6kgのエンジンの重量はさほど気にならない。
 エンジンの始動は、ペダルをこぎながらの、いわゆる押し掛けスタート。操作方法は、ハンドル左手にあるレバーを親指で押しながらペダリング。レバー操作でクラッチが切れるので、まずはペダルをこいで発進する。
 その後、レバーを離せばクラッチが繋がってクランキングされる。しばしペダルに抵抗を感じるが、そのうちにエンジンが始動。ペダルをこがなくても、リヤタイヤを回転してくれる仕組みだ。

 ハンドル右側のスロットルレバーを調節すれば、まるでクルーズコントロールを設定したような走りになる。
 もっとも“バイク”のようなパワフルさはないから、上り坂などでのパワー不足の時は、人力でペダルをこいでエンジンをアシストしてやればOK。あらゆる面で規制の緩かった、昭和20年代の大らかさが窺い知れる1台だ。(近田 茂)

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