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正体不明なKTMのフラッグシップをサーキットまで自走し徹底検証!! バイクの“GT=グランツーリスモ”は何がすごい!? 今さら聞けないので乗ってみた【KTM 1290 SUPER DUKE GT 試乗インプレ】

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旋回力高く、エンジンも全域でパワー漲る!!

 排気量1301ccのフラッグシップエンジン「LC8」を搭載しているとあって、そのポテンシャルは凄まじいものです。最高出力173PSを発生する75度Vツインエンジンは、全域に力強さが漲っています。スロットルレスポンスが鋭く、タイムラグなしにしっかりとトラクションがスムーズにかかり、怒濤の加速がいつでもどの速度域からでも味わえるのでした。

 6軸IMU(慣性計測装置)を用いたBOSCH製のモーターサイクル・スタビリティーコントロールが搭載され、ハイパワーなエンジンも手懐けてしまえるのがスゴイところです。

 ライディングモードは「スポーツ」「ストリート」「レイン」そしてオプションの「トラック」があり、スロットルレスポンスやトラクションコントロールなどの介入度をそれぞれで最適化します。

 ウイリーコントロールをセットしておけば、ライダーは安心してフル加速も味わえますし、コーナリングABSによって旋回中も危険回避のためならブレーキを強くかけることができてしまえるのです。

エンジンも足まわりも電子制御で最適&安全に

 ハンドリングは軽快でクセがなく、フロントからグイグイ向きを変えてくれてコーナリング性能が高い。キレッキレの走りで、さすがはデュークシリーズのフラッグシップ。

“GT”といえども、その高いスポーツ性能を存分に楽しむにはサーキットが最適でしょう。レーストラックに持ち込んで正解です。

 しかし、一般公道ではツマラナイのかといえば、そんなことはありません。電子制御サスペンションによってダンピングも「スポーツ」「ストリート」「コンフォート」と、手元のスイッチで瞬時に切り替えることができ、サーキットと公道とで使い分けることができます。

 こうした先進的な電子装置はサーキットでのファンライドで威力を発揮しますが、なにより安全のためにあり、公道でこそ大きな安心材料となるのでした。

 サーキットまでの往復は市街地、高速道路を走りましたが、あいにくの雨天。しかしライディングモードを「レイン」に設定しておけば、トラクションコントロールの介入が強まってタイヤのスリップを極力抑えてくれますし、エンジンも穏やかな特性となって扱いやすくなるのでした。

「LONG DISTANCE THRILLS」を愉しむ

 オートクルーズコントロールも備わり高速道路も快適ですし、グリップヒーターも標準装備。フロントまわりはボリューミーで、ウインドプロテクションも申し分ありません。スクリーンは手動で上下し、アップしておけば上半身に走行風は当たりませんし、左右に張り出した外装のおかげで下半身も風から守られます。

 ハンドルもアップライトで、ライディングポジションもゆったり。それでいてシート高は835mmまで落とされ、身長175cmの筆者の場合、足着き性に不安はありません。

 2019年式ではアップにも対応するクイックシフターが採用され、クラッチレバーの操作なしでスムーズなシフトチェンジができるのもありがたかったです。

 気がつけば、1日じゅうハードに走っていたわけで、レーストラックを走り込んだうえに高速道路や市街地を雨のなか駆け抜けたにもかかわらず疲れが少なかったことは、報告しておかなければなりません。

 そしてサーキットでは、その高い運動性能からレーストラックでこそ真価を発揮すると感じましたが、決してそれだけではなくツーリング性能も高いことがわかりました。

 なるほど納得です。「1290 Super Duke GT」はKTMが謳っているとおり、正真正銘の“スポーツツアラー”なのです。サーキットでハイパフォーマンスを発揮しながら、その往復やツーリングに出掛けたときは快適な走りが楽しめます。かなり欲張りな1台だと言えるでしょう。

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