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【エンジンオイルを正しく選ぶ】「●×W-30」の数字とか、「鉱物油」「部分合成油」ってどんな意味?

  • 2019/08/08
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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「高性能で優れたエンジンオイル」とは?

▲すべて同じメーカーのエンジンオイル。写真左から「鉱物油」「部分合成油」「100%化学合成油」。肉眼で見る限り、見た目に大きな違いはない。

 エンジンオイルにとって、潤滑・冷却・密封・洗浄作用は当たり前。昨今では、エンジンの進化とともに、オイルの性能も飛躍的にアップしている。

 現在、市販されている「高性能で優れたエンジンオイル」とは、

1:超低温でも始動性が良い

2:ストリートやツーリングで多用する低中回転域において、エンジン内のパーツにかかる抵抗を最小限に抑える理想的な粘度を保持。その結果、燃費が向上

3:高温になっても、粘度の変化が少ない。具体的には、長時間、高回転を多用して高温が続いても潤滑性が良く、油膜が切れない

4:温度低下が早い=放熱性が良い

 これらの大部分を満たすエンジンオイルは、100%化学合成油の中でも、非常に高価(鉱物油や部分合成油よりも製造に手間がかかり、コスト高。これが価格に反映される)でハイスペックな、レース用のレーシングオイルのみ。

 ビギナーは、「どの項目を重視すべきか?」を念頭に置き、パーツショップや販売店の店員さんと相談しつつ、自分に合ったエンジンオイル選びを実践しよう。

エンジンオイルの“粘度”の見方

 エンジンオイルの容器に明記されている「10W-30」「10W-40」「5W-40」「20W-60」(いずれも、低温&高温での性能を両立させているため、マルチグレードと呼ばれる)という数字。

 これらは、寒さに対する強さと、オイルの粘度(柔らかさ。ドロドロ具合)を表したもの。

 粘度はメーカー指定を選ぶのが基本だが、季節や用途によって変更するユーザーも多数。

●●W=エンジンが始動できる温度の目安

 ●●Wは、どのくらいの寒さまで、エンジンが始動できるかを示す。W=Winterの略で、“寒さ”を意味する。

・20W=マイナス10℃まで
・10W=マイナス20℃まで
・5W=マイナス25℃まで

 この数位が低いほど、寒さの厳しい寒冷地に強いエンジンオイルだといえる。

- ●●=高温側の粘度

 ハイフン(-)右側の数字は、高温側の粘度のことで、エンジンオイルが熱をもった時(100℃。つまり運転中)の、オイルの粘りを示す。

 数値が小さいほど、熱をもった時に柔らかく、逆に高いほど熱をもっても粘度が高い。

 粘度は30~60が一般的。

「粘度から見る、エンジンオイル選び」の具体例

 ここに「①10W-30」「②20W-60」「③5W-40」の3種類のエンジンオイルがあるとしよう。

 キミなら、どれを選ぶ?

 「-●●」の数値がもっとも小さな(数値が小さいほど、熱をもった時に柔らかい)①は、エンジン内部の各パーツにかかるフリクション(抵抗・負担)が減少するため、②よりも燃費が向上する傾向にあり。

 「-●●」の数値が大きい②は、①よりも高温時の被膜保持や、粘度の安定性に優れたタイプ。

 つまり、一般的に、

 ①は低中回転域を多用する、街乗りやツーリングに適したタイプ

 ②は高回転域を多用し続ける、レースや峠の走行に向いたタイプ

 ③はマイナス25℃でもエンジン始動が可能な、寒冷地や真冬でも安心して使えるタイプ

 であるといえる。

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