ニッポンのカスタムとは、どこが違う?北米ならではのスタイルに注目 CT125っぽいアメリカン・ホンダのスーパーカブ|'60年代に人気の超お宝4バージョンがかっこいい!
- 2019/10/22
- MotorFan編集部 北 秀昭
スーパーカブが誕生した翌年の1959年、ホンダはアメリカに市場を切り開くために「アメリカン・ホンダ」を設立し、アメリカのバイク業界に参入。3年後の1962年、“ナイセスト・ピープル・キャンペーン”によって、ホンダのスーパーカブCA100はアメリカ社会に定着した。スーパーカブCA100の人気に伴い、アメリカではスーパーカブCA100用のオプションパーツがリリース。ここでは1960年代にアメリカで発売されていた、貴重な4種類のホンダ純正コンバートキット装着車をご紹介しよう。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net
協力●ホンダコレクションホール
アメリカでの“バイクの常識”を覆した「スーパーカブCA100」「スーパーカブCA102(セル付き)」とは?
スーパーカブが誕生した翌年の1959年、ホンダはアメリカに市場を切り開くため、「アメリカン・ホンダ」を設立し、アメリカのバイク業界に参入した。
アメリカは当時からクルマ社会。アメリカ人にとって、バイクというものは、オイルで汚れた“荒々しくてダークなイメージ”があった。
そのイメージを払拭したのが、1963年にホンダがアメリカで展開した、オシャレで親しみやすい、真っ赤なスーパーカブCA100を前面に押し出した、「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」。
主婦や親子、若いカップルなど、良識ある人々=ナイセストピープルに向けたこのキャンペーンは大反響を呼び、このキャンペーンをきっかけに、アメリカ人はバイクに対して新しいイメージを抱くようになった。
「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」により、ホンダの知名度は一気に向上。ホンダのバイクは、アメリカ社会に定着し、商品のラインアップもスーパーカブCA100だけでなく、ハンターカブ、モンキー、ダックス、CB750FOUR等々、排気量を問わず、充実したものとなった。
スーパーカブCA100やCA102(セル付き)の人気に伴い、当時のアメリカでは、ボルトオンで手軽に装着できるカブ用純正オプションパーツがリリース。ここでは、1970年までアメリカで発売されていた、貴重なホンダ純正のコンバートキット装着車をチェックしてみよう。
■スーパーカブ CA100|北米市場でホンダ躍進の起爆剤となった「アメリカのカブ」の秘策、ナイセスト・ピープル・キャンペーンって何だ
■「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のポスターに登場したスーパーカブCA100!(今買うなら60年記念車!)
ハンターカブの元祖?軽快さとシンプルさを追求したデザインがポイント
スチューデントキット(STUDENT)
「スチューデントキット(STUDENT)」という、ホンダ純正のカスタムパーツを組み込んだ北米仕様のスーパーカブ。このパーツは、軽快さとシンプルさを追求したデザインがポイント。
キットは、カブラと同様のデザインのレッグカバー、専用のエンジンカバー、ノーマルとは形状の異なる小物入れ付きのサイドカバー。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともに発売された。
当時流行した「ストリートスクランブラー」をイメージ
ボスキット(BOSS)
「ボスキット(BOSS)」は、当時流行したストリートスクランブラーをイメージした外観がポイント。CA105T&CT90用のアップマフラー、バーハンドル、フロントフェンダーなどで構成した、“ハンターカブ”を彷彿させるフォルムに仕上がっている。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともにリリース。
1967年(昭和42年)登場のスポーツモデル「SS50」をイメージしたガソリンタンクを装備
ロードスターキット(ROADSTER)
北米向けのスーパーカブ用としてリリースされた、「ロードスターキット(ROADSTER)」を装着したカスタム。1967年(昭和42年)に登場したスポーツモデル「ベンリイSS50」をイメージしたガソリンタンク&シート、専用サイドカバー、バーハンドル、フロントフェンダーなど、スポーティなフォルムが特徴。1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともに発売された。
■“Y部品”が組み込まれた伝説のスポーツモデル「ベンリイSS50」ってナニモノ?
ロング型のガソリンタンクや、ベンリイSS50風のレーシングタイプシートなどで構成
ラリーキット(RALLY)
「ラリーキット(RALLY)」は、レーシングフラッグ&ウイングマーク付きのロング型ガソリンタンク、「ベンリイSS50」風の細身のレーシングタイプシート、専用サイドカバー、バーハンドル、フロントフェンダー、2人乗りも可能なセミロングシートなどで構成。燃料タンクはFRP製で、インナータンクを内蔵。「ラリーキット(RALLY)」は1970年まで、スーパーカブCA100やCA102(セル付き)とともにリリースされていた。
写真は「ラリーキット(RALLY)」を装着したセルフスターター付きのスーパーカブCA102(1967年式)。CM90用ヘッドライトケースや、丸型マイルメーターに変更しているのもポイント。
●スーパーカブCA100/102の主要SPEC
エンジン:空冷4スト単気筒OHV49cc/最大出力:4.3ps/9500rpm/最大トルク:0.33kgm/8000rpm/ミッション:自動遠心式3速リターン/重量:55kg
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