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モトグッツィ V7Ⅲラフは、伊達を気取れるネオクラシック界のスクランブラーである。 モトグッツィ V7Ⅲラフ試乗|昭和、平成から続く空冷90度Vツインエンジンの味わいに浸る。

  • 2019/12/22
  • MotorFan編集部 大屋雄一
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日本ではスタンダードモデルに位置付けられるV7Ⅲストーン。これをベースにワイヤースポークホイールやセミブロックタイヤ、アルミ製の前後フェンダーなどを採用し、往年のスクランブラースタイルに仕立てた特別仕様車が〝V7Ⅲラフ〟だ。撮影車両は純正アクセサリーのアロー製2in1アップマフラーを装着。よりアーバンカントリースタイルを強調したスタイリングとなっている。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

モトグッツィ V7Ⅲラフ……1,177,000円

 モダンネイキッドのブレヴァ750をベースに、往年のV7スポーツを彷彿させる古典的なスタイリングを与え、2008年に発売されたのがV7クラシックだ。今日まで続くネオクラシックブームの火付け役となった1台であり、2011年にはV7Ⅱ、そして現在はV7Ⅲと、厳しくなる排ガス規制に対応しながら今なお進化を続けている。

 そんなV7Ⅲシリーズにはさまざまなバリエーションモデルが存在する。今回試乗したのは、日本では2019年5月から販売がスタートしたV7Ⅲラフという特別仕様車だ。ラフというネーミングからも分かるように、オフロード走行も想定したデュアルパーパス的な雰囲気に仕立てられたモデルであり、昔風に言えばスクランブラーである。とはいえ、ワイヤースポークホイールやセミブロックタイヤに換装されてはいるが、ホイールトラベル量はベースとなったV7Ⅲストーンと共通であり、アドベンチャーモデルのように未舗装路をガンガン飛ばすのには向いていないと言えるだろう。

 エンジンを始動すると、まずはクランク縦置きレイアウトの洗礼を受ける。スロットルを開けると車体は右へ、戻すと左側へ傾く力が作用する。いわゆるトルクリアクションであり、一定ペースで巡航している際はほとんど気にならないが、シフトチェンジのためにクラッチを切ってスロットルを戻すと、車体がユラッと左へ傾こうとする。

 とはいえ、この挙動は慣れの範疇であり、モトグッツィならではの世界観を構築する大きな要素の一つとなっている。加えて、小太鼓を叩いているかのような弾けるビート感も健在だ。同じ空冷90度Vツインながら新設計のエンジンを搭載するアドベンチャーモデルのV85TTは、こうしたトルクリアクションやビート感が薄まっているため、モトグッツィらしさという点においてはV7Ⅲシリーズの方が圧倒的に上だ。それに、スロットルレスポンスやシフトフィールなど全てがソリッドな印象であり、それもあって見た目のクラシカルな外観とは裏腹にキビキビとよく走ってくれる。

1967年に登場したV7 700以来続く、伝統のクランク縦置き空冷90度V型2気筒OHV2バルブエンジン。付け加えると、750ccという排気量は1972年にデビューし、プロダクションレースで大活躍したV7スポーツを彷彿させるもので(ただしボア×ストロークは異なる)、最高出力も52hpで共通というのも興味深い。現行のスモールブロックエンジンは第3世代にあたり、6段ミッションを採用。MGCTトラクションコントロールは介入レベルを2段階に調整できるほか、必要に応じてカットすることも可能。

 一方、ハンドリングは、フロントに18インチホイールを採用していること、また前後ともタイヤサイズが細いこともあってか、昔ながらの〝後ろ乗り〟がピタリと決まる。ブレーキを残しながらコーナーに進入するよりも、手前のストレート部分で減速を終え、後輪荷重の状態で曲がった方がピタリと決まる。シート形状とステップ位置がそうした乗り方に合っているというのも見逃せないだろう。それと、シャフトドライブによるテールの上下動はそれなりに発生するものの、ライダーを慌てさせるほどではない。なお、標準装着されているピレリのMT60はセミブロックパターンながら舗装路でのグリップ力は良好。未舗装路での走破性は時間の都合により未確認だが、純オンロードタイヤよりは期待できるだろう。

 ABSやトラクションコントロールなどライダーエイドな最新のデバイスを導入してはいるが、ライディングフィールは往年のモトグッツィそのものであり、他メーカーのバイクでは味わえない唯一無二のものだ。ヤマハ・SR400に乗っている若いライダーのステップアップとしてもお勧めできる1台だ。

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