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アグレッシブに楽しめる!KTM・250 DUKE は市街地+アルファにジャストなサイズ

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スモールデューク・シリーズの中核と言えるのがこの250 DUKE である。125、200から390まで基本骨格を共有する形でシリーズ化される中、250は最後に投入された。DUKEはモタード系モデルの普及に貢献した存在としても知られ、レースイメージを打ち出すKTMブランドらしい、いかにも走りそうな印象であるがその乗り味もなかなかアグレッシブなものだった。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

◼️KTM・250 DUKE.......586,000円

オレンジ
ホワイト

 KTMのバリエーションの中でネイキッドにカテゴライズされているDUKEシリーズは全部で6機種が揃えられている。車体関係を共用するスモールDUKEは現在国内で125、250、390の3機種を販売。今回の250は、車検不要の軽二輪枠いっぱいの排気量だけに注目度は高い。
 
 コーポレートカラーであるオレンジをあしらった黒とのツートーンカラーは前後にギュッと凝縮されたフォルムと上手くマッチしてなかなか精悍。スチールパイプのトレリスフレームにはオレンジのリヤフレームがボルトオンされる仕組みで、リムサイドのストライプも含めて全体にオシャレ。スラントしたフロントマスクと、後方に跳ね上がりテールを短くカットして長いストレートフェンダーを組み合わせたシャープなサイドビュー等の仕上がりが格好良いのである。
 そのデザインからはモタード系の香りも漂うが、オフロード系から派生していた当初の一般的スタイルからは脱却する斬新なもの。DUKEによってネイキッドスポーツの新たなスタイルが確立されたと言ってもいいだろう。

 搭載エンジンは水冷ツインカム4バルブの単気筒。頭でっかちなシリンダーヘッドからわかる通り侠角レイアウトの4バルブで高圧縮比の追求ぶりが伺い知れる。
 基本メカニズムや車体サイズ的に言って、真っ向ライバルはホンダCB250R。いずれもショートストロークエンジンながら異なる特徴は、スクエアに近い(ショートストロークの度合いが少ない)のがDUKEの方。また圧縮比は10.7のCB250Rに対してDUKEは12.5と高く、明確にハイパワーを追求。結果的に9000rpmで30hpの最高出力を発揮しているのは立派である。
 
 ダイナミックな印象を放つ外観も、マスの集中化を始め、足まわりに採用のシッカリしたそれぞれの主要パーツを見ても、いかにも走りそうな雰囲気であふれているのである。

一気に吹き上がる弾けるようなハイパフォーマンスが魅力的

 試乗車を目前にし早速跨がって見ると、それなりのボリューム感と見た目のシッカリ感が印象深い。しかしサイズ的に大き過ぎないフォルムは程良い感じでピタリと身体に馴染んできて、改めて250ccクラスは日本の使い勝手にフィットすると思えた。
 身長168cmの筆者での足つき性は、ほんの少し両足の踵が浮く。シート幅が広めで、足を出すと股が広がる関係で地面がやや遠くなる。燃料タンクは大きさとデザインに迫力があり、車格的に立派な雰囲気を覚える。しかし車体サイズは大き過ぎず少しタイトな感覚。ハンドルも近い乗り味は、前向きな気分でアクティブなスポーツライディングを楽しむ上での構えが出来上がっている感じである。
 
 意外とバックステップで、そのライディングボジションに納まると気持ちも少しイケイケムードになってくる。
実際、下半身の筋力も活かして旋回時のステップワークを楽しんでみたい気になってくるから不思議な物だ。
 
 連続するコーナーで、次のコーナーに備えて最初のコーナーをあえてリーンアウトで進入してクイックかつ軽快にクリアし、次はシッカリと路面に後輪を押さえつけながらスロットル全開で強かなダッシュを決める。そんな走りが自由自在に楽しめる。6速のシフトワークを合わせて公道でもアクティブな走りが無難にエンジョイでき、かつそんな走りに健気に応えてくれるエンジン・パフォーマンスがとても心地良く感じられた。
 
 前後タイヤの路面への食いつき具合もバランスが良く、ブレーキも扱いやすかった。バイクの上でライダーが動き(体重移動し)やすいアップライトなライディングポジョションも奏功して、アクティブな走り方も存分に楽しめたのである。
 
 それなりにパンチの効いたスロットルレスポンスとメリハリのある吹け上がりを発揮する出力特性も気持ちが良い。伸び感も程良さがあり、7000rpmでシフトアップを促すパイロットランプが点灯。小気味よくチェンジして行く時の加速力と気持ち良さは侮れない。
 またエンジンブレーキにも頼る急減速では、スリッパークラッチの働きでホッピング等、後輪のグリップを失うミスも防いでくれるからありがたい。

 ちなみにローギヤでエンジンを5000rpm 回した時のスピードは23km/h。6速トップ100km/hクルージング時のエンジン回転数は換算値で約7000rpmだった。

 このクラスのバイクを駆ると、改めて日本にジャストフィットする万能ぶりが目立つ。贅沢ではなく、パワー的に余裕も少ないが、持てるフルパワーを思い切り楽しめる走行性能には大きな魅力がある。ビギナーのトレーニングに良いことはもちろん、若さ漲る乗り味は改めてベテランにも楽しんで欲しいと思えた。

⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)

足つき性は適度な感じ。シート高は830mm。両足はベッタリとはいかず、ご覧の通り踵は少し浮いている。

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