空冷単気筒・499cc、古き良きメカニズム&フィーリングを現代に伝える。|ロイヤルエンフィールド・クラシック500
- 2020/11/13
- 佐藤恭央

ロイヤルエンフィールドは1901年に最初のバイクの製造した世界最古のバイクメーカー。現在はインドの自動車メーカー傘下のブランドになっているが、歴史は続いている。そのラインナップの中から代表的ともいえるクラシック500に試乗した。
REPORT●横田和彦(YOKOTA Kazuhiko)
PHOTO&EDIT:佐藤恭央(SATO Yasuo)
ロイヤルエンフィールド・クラシック500 ・・・71万3000円〜77万3000円







約120年の歴史を持つ英国ブランド!

ロイヤルエンフィールドはイギリス生まれのブランド。1901年に初のバイクを製造したという世界最古のバイクメーカーである。しかしその歴史は順風満帆なものではない。一時は世界的な名車を数多く送り出し1955年にはインドでエンフィールド・インディアを設立した。しかし1960年代に入ると他国のバイクが台頭してきて経営を圧迫。1971年にはイギリスの本社が倒産してしまう。しかしインドの工場では車両の生産が続けられていて1993年にインドの自動車メーカー、アイシャー・モーターズがエンフィールド・インディアを買収。1994年にはロイヤルエンフィールド・モーターズと社名を変更し、1996年にはアイシャー・モーターズの1部門となり現在に至っている。
非常に数奇な運命をたどってきたメーカーだといえよう。日本では2020年5月にピーシーアイ株式会社がアイシャー・モーターズと「ロイヤルエンフィールド」の輸入総代理店契約を結んでいる。今後、東京都杉並区に「東京ショールーム」をオープンする予定があり、積極的に情報を発信していくというので楽しみにしたい。
ノスタルジーなフォルムで歴史を感じる!

ルックスは英国車の歴史そのものといってもいい仕上がり。ティアドロップ型のガソリンタンクやスプリングが装備されたサドル型のシート、タイヤを覆う大型の前後フェンダー、低く真っ直ぐに伸びたメッキマフラーなど、古き良き英国車のシルエットそのままだ。
といっても全てがレトロなわけではない。エンジンにはフューエルインジェクションが採用されているし、前後ブレーキにはABSも装備されている。そのあたりを見ると現代のバイクなんだなと感じられる。始動方法も、キックペダルのほかにセルスターターも装備されているのでご心配なく! それでは乗り味はどうだろうか。
またがるとハンドルはやや低め。幅はそれほど広くなく肩に力が入らないポジションとなる。シートは適度に柔らかく、スプリングも効いているので座り心地がよい。ティアドロップ型のガソリンタンクは左右に張り出していて、ニーグリップはアールの頂点を挟み込む感じになる。車重は約200kgとのことだが重心が低く足着きも良好なので車体を起こしたり支えるのはわりと容易だ。
激しい振動に驚き! トルク型でガシガシ走れる!

試しに何度かレブリミッターが効くまで引っ張ってみたが振動で手がシビレてしまう。速度も思ったほど伸びないので、そういう乗り方は向いていないという結論に達した。
コーナーに進入するときは手前の直線でブレーキを終わらせておきたい。しっかりと減速してからあまりバンクさせずにカーブのアールをトレース。出口に車体が向いたところからジワッとアクセルを開けていくと、図太い低速トルクを活かしながら気持ちよく立ち上がっていく。コーナーもゆとりを持って走るくらいがちょうどいいと感じた。
クラシック500との上手な付き合い方!

ルックス通り、走りのフィーリングもクラシカルなもの。驚くほどエンジンパワーがあるわけじゃないし、ブレーキが強烈に効くわけでもない。バンク角も少ないし、俊敏なフットワークがあるわけでもない。しかしどんなシーンであっても車体にあったスピードで走っていれば不自由を感じることはない。
エンジンの特性上、一定のスピードで走り続けるのは得意なモデルなので、個人的には60〜80kmくらいで流しているときが“風”と“バイクの振動”と“排気音”がシンクロして気持ちがよかった。スペックではなく「走りのテイスト」を求めるライダーにとっては気になる1台だろう。
図太い低速トルク+低重心で小回りが効く!

キックスタートはロマンだ!

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