【東京・奥多摩ツーリング／第九回　檜原村の滝を訪ねて】村上菜つみのバイクでカフェめぐり名瀑と歴史ある神社に心あらわれるひととき【東京・奥多摩ツーリング／第九回　檜原村払沢の滝・檜原豆腐ちとせ屋】

2020/11/20
MotorFan編集部村上菜つみ

「檜原豆腐ちとせ屋」は県道205号水根本宿線に面しています。訪ねるときには白い湯気が目印になるかな？

檜原村(ひのはらむら)は、その9割以上を森林が占め、その大半が秩父多摩甲斐国立公園に含まれる自然にめぐまれた村。なのに都心から1時間ちょっととアクセスがよく、ツーリングやドライブ、ハイキングに訪れる人が絶えません。

REPORT●村上菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋克也(TAKAHASHI Katsuya)

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北秋川と南秋川がまじわり、檜原街道と水根本宿がぶつかる橘橋交差点あたりは、村役場や郵便局など、檜原村の主な施設が集まる村の中心部です。さらに名瀑・払沢の滝など、見どころもいっぱい。さあ、ここから檜原村をめぐる小さな旅をはじめましょう。

山道の行き止まりにある払沢の滝。東京都で唯一「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑です。

払沢の滝は北秋川の支流、セト沢にあります。森の奥ふかく轟音をあげるこの滝は、落差約60m、4段にわかれていて迫力満点！　神秘的な滝つぼには、かつて大蛇が棲んでいたという伝説も残されています。冬には結氷し、みごとな氷瀑の姿をみせてくれるそうです。

古い水桶にぷくぷくと浮かぶあぶくと葉っぱ。森の命をはぐくむ小さな水面の世界です。

檜原郵便局の旧局舎。木工製品などを販売するお店「森のささやき」として今も使われています。

滝への道沿いにあった「山男のガチャ」500円。可愛いおもちゃからは、ふわりと木の香り

踏みしめればじゃりじゃり鳴る土道、苔むした木々。滝への道には見どころがいっぱい。

払沢の滝への道は、水根本宿線にある駐車場から徒歩15分のちょっとしたハイキングコースです。ハイヒールではためらうほどの未舗装の道も、ライディング・シューズで足元を固めたライダーならへっちゃら。さわやかな山の空気を楽しみながらのんびり行きましょう。

滝への道沿いに建つギャラリー喫茶やまびこ。ちょっととぼけた雰囲気がイイ味ですね。

●払沢の滝
〒190-0214
東京都西多摩郡檜原村本宿
TEL：042-598-1011

歴史の重みを感じさせる九頭竜神社の社殿。光あふれる境内に神聖な空気が満ちています。

檜原村数馬の森にある九頭竜神社。創建についての正確な史料は残っていないそうですが、少なくとも1545年に勧請の記録があるとのこと。それだけでも歴史ある神社であることがわかりますね。龍神を祀るこの神社には、いまも全国から多くの参拝者が訪れています。

神域をまもる狛犬。おおきく口を開いた阿形の像は、物ごとの始まりを表しているのだそう。

●九頭龍神社
〒190-0221
東京都西多摩郡檜原村数馬7076
TEL：042-598-6135

払沢の滝にほど近く、北秋川のほとりに佇む檜原とうふちとせ屋。秋川源流の清らかな水と国産大豆から生まれた昔ながらの手作り豆腐が自慢です。店先ばかりでなく、近くの歩道にまで、甘くあたたかいお豆の湯気と香りがふわりと漂ってきていました。

うの花ドーナッツ1個90円、濃厚豆乳1杯100円。つい何度も味わいたくなる逸品です。

揚げ油の中でしゃらしゃら踊るドーナッツたち。見ているだけで楽しくなってきますね。

いろいろな豆腐が楽しめます。檜原豆腐もめん168円、手づくりおぼろ豆腐 242円、油揚げは1枚 84円。

●檜原とうふ　ちとせ屋
〒190-0200
東京都西多摩郡檜原村5557
TEL：042-598-0056
営業時間：9:30～17:00
定休日：火曜日

檜原村は、豊かな水と緑にめぐまれた東京都多摩地区唯一の村。美しい森や滝、歴史の厚みを感じる古い神社、おいしい食べ物……どれも素晴らしいものですが、それにもまして深く胸に残ったのは、この村の人々の温かさでした。東京の西の果てにある温かい村へ、あなたもぜひ足を運んでみませんか？

村上菜つみ

モデル・モータージャーナリスト。
ツーリング雑誌の編集部員を経て、フリーランスとして独立。
オートバイや車での気ままな一人旅を好み、各地のグルメや名湯をレポートし続けている。
月刊モトチャンプにて旅企画「ぶらり二輪散歩」連載中。
FB：https://www.facebook.com/natsumi0606/
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