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【ベスパレストア計画】ようやくセンタースタンドとリヤブレーキを装着したけれど、エンジンはまだまだ。

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ようやく部品が揃ったのでセンタースタンドを仮付する。

ベスパを直すのにない知恵を絞っているが、財布も絞っているため前回はセンタースタンドの装着に失敗した。追加で部品を注文すると、中1日で待望のブラケットが到着した。これでようやくセンタースタンドをボディに戻すことができるのだが、またもや問題噴出だ!

やっとセンタースタンドが取り付けられた。これでひと安心、できるはずが……。

 センタースタンドを取り付けるのに特別難しいことなんてないのだが、部品の注文をミスったため引き延ばしになってしまった。でもまぁ、その間にリヤブレーキアーム周辺を清掃できたからヨシとしよう。前回の作業終了後、すぐに追加で正しいセンタースタンド・ブラケットを注文すると、中1日で届いた。いやはや、便利な世の中になったものだ。
 ということで早速センタースタンドをボディに取り付けよう。まずはブラケットでボディに仮付したら、しっかりスタンドが動くかどうか確認。問題なさそうならボルトとナットを本締めする。残りはスプリングを取り付けるだけだが、その前に写真のスタンド上側のブラケット近くを見て欲しい。のっぺりしたメッキ部分にタイトル写真にはない黒い物体が付いている。これはスタンドをあげた時、勢いよくスタンドがブラケットに当たるのを防ぐためのゴム製緩衝材。元から付いていたスタンドに残っていた部品だが、状態が悪くないので再使用することにした。
 スプリングを取り付けるのは、素手では無理。スプリング装着用の専用工具があるので持っておくと便利だ。スプリングを付けたらスタンドを動かして、ちゃんと作動するか確認する。大丈夫ならリヤブレーキアームを取り付けよう。

新しいブレーキワイヤーを取り付ける。

 前回清掃しておいたブレーキアームユニットに新品のブレーキワイヤーを取り付ける。このワイヤーを見てお気づきかもしれないが、純正とは形状が違う。純正は直接ワイヤーを挟み込んで固定していたが、こちらはワイヤーに丸い部品が取り付けられているので直接ピンへ取り付けることができる。本来ならワイヤーから丸い部品を切り取って使うべきなのだろうが、せっかく付いているものだし、この状態でも正常に作動するので今回はこのまま進行させてみよう。もちろん、不要になる純正部品は捨てずに保管しておく。
 

清掃したアウターワイヤーにインナーワイヤーを入れる。
 前回清掃して再使用可能と判断したアウターワイヤーを用意し、新品のインナーワイヤーを差し入れる。この時、インナー側をグリスアップしてから入れるのが鉄則だ。ただ、この作業はもっと後でもよかったと作業を進めていて判明した。というのもベスパはワイヤー類がボディの中を通る。このリヤブレーキワイヤーもボディの中を通るのだが、アウターとインナーを合わせてリヤブレーキアーム側からボディの中を通そうとしても、まず無理。アウターだけボディの後ろ側から差し入れて、ブレーキアームユニットが入る穴までアウターを押していかなければならないのだ。

 とはいえ作業はそのまま進める。インナーワイヤーの丸い部品とピンにもグリスを塗りたくり、しっかり潤滑させつつ汚れから守ってあげよう。そして前回清掃しておいたブレーキスイッチを取り付ける。この部品はブレーキアームを操作して広げた状態にしないと入らない。だから片手でアームを押しつつ、もう片方の手でスイッチを入れて細いボルトを仮止めするまで両手で作業しなければならない。
 ちなみにブレーキスイッチを固定する細いボルトは7mm。普通はこんなサイズの工具を持っていないだろう。ベスパを整備するには7mmに始まり8mm、11mm、13mmなど珍しいサイズの工具が不可欠になる。なぜこんなサイズを揃えているかといえば、以前の記事でも紹介したが筆者は長くベスパを所有しているから。これからベスパを所有するなら、ぜひ揃えていただきたい。

ボディから出ているハーネスをスイッチにつなげる。
 ブレーキアームをボディ側の穴へ通すのは、本来なら知恵の輪のように難しい。だが我がP125Xはフロアがサビサビだったため、程よく穴が広がっている。補修はしたものの穴は広がったままなので、スンナリと通すことができた。アームをボディに通したら、ボディから出ている2本のハーネスをブレーキスイッチに取り付ける。
 ちなみに古いベスパはリヤブレーキ操作時だけテールランプが点灯する。このスイッチはブレーキを操作していない間ずっと導通していて、ブレーキング時にスイッチ内で導通が切れる。導通が切れるとテールランプが点灯する構造だ。

やっとフロア下が元の状態に戻ったぞ!

元の状態からここまでキレイにしたのだから我ながらうれしくなる!
 先ほど説明したワイヤーの通し方だが、この写真を見ていただけたら一目瞭然だと思う。グレーのワイヤーがボディ後ろ側のフロアが切れる辺りから飛び出ている。飛び出ている根本にはゴム製の部品があり、シフトワイヤーとともに整理されている。これがブレーキアームユニットと繋がっているのだから、前側から通そうと思っても無理なのだ。
 ここで手に入れた状態の同じ場所と比較してみたい。いやはや、サビだらけ穴だらけのフロアに朽ちかけたセンタースタンド、それに汚れまみれのブレーキアームユニット。これをここまでキレイにすると、早くも乗りたくなってくる。今から完成が楽しみになってきた。
 さぁ、残るはエンジンを載せるだけだ。早速続きを作業してみよう! と思ったのだが、ちょっと下の写真を見ていただきたい。

エンジンにリヤショックが直接ついてボディから吊られる構造だ。

リヤショックはエンジンの後ろ下で繋がる。
 何が言いたいのかといえば、エンジンを付けてしまうとサスペンションだけ交換するのが面倒になるということ。将来的にリヤサスペンションを交換するのなら、今のうちに交換するべきだろう。ただ、現状で正常に動くのなら新品を買うこともない。さて、どうすべきか。ということでサスペンション単体で簡単にチェックしてみよう。

この外観を見れば内部の状態も判断できるというものだ。
 サスペンションの状態をチェックするといっても難しいことはない。要は体重をかけてサスペンションを縮め、元に戻る様子を見ればいいということ。縮めた状態から力を緩めたら、即座に元の状態に戻れば状態の良し悪しはともかく作動していると判断していい。
 早速体重をかけてサスペンションを縮めてみる。ここから体重を抜くとサッと戻る、はずだったが全然動いている様子がない。おそらく生産された1978年から交換したことがないのだろう。齢42歳のサスペンションが生きているとは思えない。これは素直に新品に交換するとしよう。ベスパはフロントよりリヤサスペンションに負荷がかかる。というのもフロントブレーキはほぼ効かず、リヤ中心に制動することがひとつ。さらにエンジンユニットを支えつつ、走行中は絶えず伸び縮みしていることがプラスされる。またライダーの体重もほぼリヤにかかるから、リヤサスペンションは非常に重要な部品なのだ。ということで、またしても追加の部品注文になってしまった。

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