水冷SOHC単気筒、前後17インチラジアルのスポーツミニ 44万円は高い?安い? 原付らしからぬ超本格派「CB125R」試乗レポ/ホンダ
- 2018/05/24
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MotorFan編集部
125cc、250cc、1000ccの3モデルが揃うCB-Rシリーズ。その末弟CB125Rは、原付二種らしからぬ優れた走行性能で乗る者を魅了する。
TEST RIDER●武田雄一(TAKEDA Yuichi)
PHOTO&REPORT●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
CB125Rの税込価格は448,200円。同じ125ccで同型エンジンを積むグロムが351,000円。スズキGSX-R125が386,640円でDOHCエンジンを搭載(CB125RはSOHC)、同じくDOHCエンジンのKTM 125DUKEは510,000円となっている。
「CB125Rは価格が高い」!?
ライバルと比較すると、やはりこういった第一印象になってしまうのは仕方がないところだが、ひとたび跨り走り出すと、その高めの価格設定にも頷けるものがあった。
「車体の操安特性と重心バランスが、ほかの125ccクラスのマシンよりも優れた印象。より軽快に操ることができました」
そう話すのは今回の試乗を担当した武田雄一さん。元全日本ライダーとして、またタイヤメーカーなどのテストライダーとしての経験を持つ彼にとって、CB125Rのポテンシャルはかなり高いレベルにあると感じたようだ。
「ブレーキング時のフロントの動きもビッグバイクを思わせるような感覚で、バイク全体がきちんと、緻密に設計されているのが伝わってきます。最近のこの手の軽量クラスは車体も大きく重たい印象が多いけど、このCB125Rは、ビッグバイクを思わせるスケール感とは裏腹に走りが軽妙でいいですね」。
GSX-R125は134kg(装備重量)、125DUKEが137kg(乾燥重量)という車重に対して、CB125Rは127kg(装備重量)とかなり軽量な仕上がりに。
車体の設計・開発を担当したHONDAの八百川さんによると、「CB125Rは軽量化とマスの集中化をとことん追求しました」と話す。
メインフレームは、このクラスではポピュラーなトラスフレームではなく、ダイヤモンドフレームを選択。限界まで薄肉化した高張力鋼スチールを素材に、パイプワークで強度やねじれ剛性を確保。
また、モノショック式のリヤサスペンションの採用やマフラーをクランクケース直下にレイアウトすることで、前後の車重バランスを50:50に限りなく近づけているのも特筆点。これらに加え、ばね下重量の低減効果と高剛性を両立するφ41の倒立式フロントフォーク、軽量化が図ったアルミホイール、ラジアルタイヤを組み合わせたことも、大排気量車を彷彿とさせる運動性能に大きく貢献している。
「まるで2気筒かと思わせるエンジン特性も好印象でした」
CB125Rのエンジンは水冷4ストロークOHC単気筒。しかし、単気筒特有の振動や、低回転トルクを重視した特性はそれほど感じさせず、高回転までスムーズに上昇する様を、武田さんは「2気筒エンジンのようだ」と形容する。前後に長く、容量を稼いだエアクリーナーは、吸気抵抗を低減するために吸気の流れをストレートにレイアウトしたことも、良好なエンジンレスポンンスに貢献している。
このエンジン特性は諸元表の数値にも表れており、CB125Rは最高出力が13ps /10,000rpm、最大トルクは1.0 kgm /8,000rpmで発生するのに対し、同じホンダの124ccだが、空冷横型エンジンを搭載するグロム(最高出力9.8ps/8,000rpm 1.1 kgm/5,250rpm)とはまったく異なる、高回転を活かしたスポーティな特性となっている。ギヤ比は少しロングな印象でメーターは3速で90km /h、5速で110km /hを示した。6速に入れると失速の兆しがあらわれたが、CB125が法定速度60km /hの125ccクラスであることを考えると、それほど問題はないだろう。
「思わず攻めてみたくなる」
124ccという決して大きいとは言えない排気量ながらも、元全日本のトップライダーの武田さんをそう言わしめるほど、CB125Rは「原付二種=セカンドバイク」という従来の認識を打ち砕く、優れた実力を備えていた。
武田雄一
元全日本ライダー。ヘルメット一つでレースに参戦できる「TKレンタルバイクシリーズ」 主宰。ミニバイクレース「モトチャンプ杯」出身ということもあり、小排気量車の試乗も得意とする。
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