高級路線を貫いた新たなカブのこだわりとは?」 既存のカブとナニが違う? 高級路線、約40万円の「スーパーカブ C125」を徹底解説
- 2018/07/03
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MotorFan編集部
東京モーターショーで初披露され、この度ついに9月14日(金)に発売されることが公表されたホンダのパーソナルコミューター「スーパーカブ C125」。カブ本来が持つ、人々の生活に役立つ存在という基本骨格はそのままに、往年のC100のデザインと最新鋭のスペックを備え、新たなスーパーカブへと進化を遂げた。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
ホンダ スーパーカブC125……399,600円
スーパーカブフリークも注目の「スーパーカブ C125」が、いよいよ9月14日(金)にリリースされる。「スーパーカブ C125」を徹底的に解剖し、掘り下げるためには、まずスーパーカブシリーズの歴史を語らなくてはいけないだろう。
初代モデルの「スーパーカブ C100」は、創業者である本田宗一郎氏と藤澤武夫氏の指揮や開発により、ホンダ創業から10年目にあたる1958年に誕生。その後に続く歴代のスーパーカブシリーズは、創業者の想い=人々の生活に役立つ喜びの提供を受け継いできた。
以来60年にわたり、「性別を問わず、幅広い年齢層に使い勝手の良いモビリティ」を目指し、常に時代や地域ごとの要望に応えることで新鮮な魅力をキープ。その結果、スーパーカブシリーズは2017年に世界生産累計1億台を達成した。
“新しい路線のスーパーカブ”であるスーパーカブ C125の開発に先立ち、開発陣はスーパーカブシリーズの原点として、互いにその特徴を改めて再確認したという。
スーパーカブってどんなバイク?
○軽快な車体取り回し性
「乗る人」「燃料タンク」「エンジン」などの重量物を車体中心付近に、ほぼ縦一列に集中配置したことによる高い運動性能
○安心の操縦性能
前後17インチタイヤにより得られる高い走破性
○優れた居住性
低重心エンジン+低床バックボーンフレームによる“ステップスルー”がもたらす、スカートをはいた女性でも乗れる容易な乗降性。また、下半身への風雨や泥はねからの影響を軽減する「レッグシールド」
○簡易な操作
勾配や積載量などの状況に応じてギヤ変速が任意に行え、かつ、クラッチ操作を不要としたミッション形式(自動遠心式クラッチシステム)を採用
○小型ながら高性能で信頼性が高く、優れた経済性と耐久性を備えた4ストロークエンジンの採用
スーパーカブとは、これらが無駄なく組み合わされることによって、「モーターサイクルの運動性能」と「スクーターのような扱いやすさ」の双方を、高次元でバランスさせたコミューターであること。このホンダ独創の車体パッケージングが、歴代のスーパーカブシリーズにはしっかりと引き継がれてきたわけだ。
スーパーカブシリーズの血統を引き継いだ、「スーパーカブ C125」の開発コンセプトとは?
スーパーカブ C125は、タイの二輪開発部門である「Honda R&D サウスイーストアジアカンパニー・リミテッド」で開発。また、タイの「タイホンダマニュファクチュアリングカンパニー・リミテッド」が生産を担当している。
スーパーカブ C125は、歴代のスーパーカブシリーズと同様、“原点”となる普遍的な車体パッケージング、また「世界的視野」のもと、“発展”したゆえの成果である性能の進化を反映させたグローバルモデルとして開発された。
スーパーカブ C125の狙いは、ズバリ、
現代の“豊かな生活”との調和 =Personal Commuter for Global “NICEST LIFE”
初代モデルのスーパーカブ C100以来、継承進化してきた基本性能の高さをベースに、現代の都市交通環境やライフスタイルとの調和を図った上質なパーソナルコミューターとしての姿を今一度見つめ直し、最新の技術手段による美しいフォルムと走りを目指した。
具体的には、自分らしいスタイルを大切にする、物選びに妥協しない本物指向の世界中のユーザーに向け、その豊かな現代生活の中で、改めてスーパーカブの持つ価値を体感してもらいたいという想いだ。
これらの実現のため、ホンダは各技術領域において、以下をテーマに取り組んだ。
・スタイリング …古びることのない「スーパーカブデザイン=普遍性」を所有する、という価値観の表現
・走り…運動性能と動力性能の両面から、快適性とゆとりのさらなる向上
・装備…ホンダ独創のコミューターに、より上質感を提供する最新装備
スーパーカブ C125の開発に際し、開発陣は「世界一でなければ日本一とは言えない」という気持ちで取り組んできたという。その結果としてスーパーカブ誕生60周年となる年に生まれたのが、スーパーカブ C125なのだ。
スーパーカブ C125のスタイリングはS字基調
創業者の思想を受けた初代モデル・スーパーカブ C100のデザイナー、木村讓三郎氏は「幅広いお客様が扱いやすいこと」を念頭に、デザイン方針を「普遍性」と定めた。これは現在のホンダのデザインポリシー、「機能を外観で表現する」が、すでに60年前から実践されていた事を示している。
スーパーカブ C125のデザインにあたってもこれを踏まえ、独創の車体パッケージングと最新技術を上質なコミューターとして調和させた、気品あるスタイリングを追求。
具体的には、女性でも乗り降りしやすいステップスルー空間からリヤタイヤのストローク軌跡に沿ったサイクルフェンダーで構成される、S字基調のシルエット。そのデザインは、「機能を外観で表現する」というデザインの基調そのものを端的に表わしている。
スーパーカブ C125はボディ全体を滑らかでおだやかな曲面で機能的に構成し、レッグシールドからリアフェンダー後端にかけて両サイドに硬質なエッジを通すことでハイライトを走らせ、シルエットの基調をエレガントに際立たせているのがポイント。
このシルエットの実現にあたり、1mm2mmレベルの微妙な差が完成車の印象を大きく左右するため、リヤフェンダーには厚みが必要な樹脂成形ではなく、より薄いスチール材のプレス成形を採用している。
スーパーカブ C125のフロント周り
フロント周りは、初代モデルのスーパーカブ C100同様、「ユニットステア」の構成を採用。ハンドルからフロントフォークまでの可動部全てを、一体の外観
としている。
その結果、ライダーの膝から上とレッグシールドの距離がより近づき、ライダーの乗降性を損なうことなく、風の巻き込みを抑制。また、居住性のさらなる
向上にも寄与している。
また、フロントフォーク両端にエッジを通すことで、ボディS字部のエッジラインと調和を図りながら、フロントタイヤとボディー側双方をしっかり支えて
いるフロント周りの印象に仕上げている。
スーパーカブ C125のハンドル周り
初代モデル・スーパーカブ C100の「鳥が翼を広げたような形のハンドル」は、同車の大きなチャームポイント。これは当時、鉄板プレス成形を前提としたハンドル製造面の課題解決を図ると同時に、幅広いユーザーを想定した、コミューターにふさわしいライディングポジションを実現するため、当時の開発チームが一丸となって取り組んだ賜物。
スーパーカブ C125にはこのハンドルのモチーフを取り入れ、先人達の情熱を未来に伝えようとしているのが特徴だ。
初代モデル・スーパーカブ C100のライディングポジションの特徴である「背筋がスッと伸び」「混雑した市街地でも前方を見通しやすい開放的な視野が得られる姿勢」を基本に、操作しやすい自然な位置にグリップを配置。これにハンドルスイッチ、メーターなどを一体化した立体的なフォルムの美しさを最大限に引き出すため、形状再現性にすぐれた成形樹脂でハンドルパイプを内蔵する構造を採用。
ハンドルパイプにはテーパー加工を施すことで、完成車と調和したハンドル部のボリューム感を演出している。
メーターはクロームのダブルリングによって分けられた、2つのレンズからなる立体的な構成として上質感を演出。外側にはアナログ表示とインジケーター類、内側をデジタル表示とすることで限られたスペースの中に有用性の高い情報を効率よく伝えることで利便性を向上。視認性の高いフォントと精緻(せいち)さを感じさせる目盛り部のグラフィックは、クラシックな腕時計に見られるような普遍性を感じさせるデザインに仕上げられている。
フィニッシュとカラーリングにもこだわりあり!
ホンダではスーパーカブ C125を、エルゴノミクスなどに代表される「身体的な機能性」の観点のみならず、人に与える見た目の印象も「重要な機能」と位置づけ、各部の上質な造り込みを追求。「普遍性」を感じる部品には、機能、材料、製法、仕上げの調和を図ることが大切と考えて各部を成立させている。
カラーリングはスーパーカブの原点をモチーフとしているのがポイント。スーパーカブ C125では、歴史あるホンダのプロダクトであることを象徴するオールドタイプのウイングマークを採用。また、世界中のユーザーと「スーパーカブの物語」を共有したいという想いから、初代モデル・スーパーカブ C100を彷彿させる「パールニルタバブルー」を採用している。
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