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MotoGP譲りのテクノロジーが詰まったスーパーV4エンジン登場 未来のドゥカティ・スポーツバイクに搭載されるV4エンジン:デスモセディチ・ストラダーレ

  • 2017/09/08
  • Motor Fan illustrated編集部
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デスモセディチGPから直接派生した新型エンジンの生産が間もなく開始される。デスモドロミック、カウンター・ロテーティング・クランクシャフト、「ツインパルス」イグニッション・システムを搭載する新型V4エンジンは、11月5日午後9時(中央ヨーロッパ標準時、日本時間11月6日午前5時)に、発表される新型ドゥカティ・パニガーレに搭載される。

V4エンジンをアンベールしたドゥカティのCEO、クラウディオ・ドメニカリ

ドゥカティの新しいV4 エンジンドゥカティは、MotoGP で培ってきた経験をもとに、将来のドゥカティ・ハイパフォーマンス・モデルに搭載する、新しい90度V4 エンジンを開発した。デスモセディチ・ストラダーレ(Desmosedici Stradale)と名付けられたこのエンジンは、ドゥカティの歴史における新たなマイルストーンとなるものである。ドゥカティは、このエンジンとともに新たな歴史の扉を開き、個性的なニューモデルを開発することで、輝かしい未来へと進もうとしている。

デスモセディチ・ストラダーレは、MotoGP マシンに搭載されているV4 エンジンから誕生した。このパワーユニットは、デスモセディチGPに搭載されているエンジンの寸法とジオメトリーを踏襲し、卓越したフルードダイナミクスを実現している。さらにこのエンジンは、デスモセディチGP と同じエンジン型式(90度V4)を採用し、42度後方に傾けられている。このソリューションによって、新型V4エンジンは、非常にコンパクトに仕上がり、マスを集中化させて、シャシーと完璧に一体化することが可能になった。

MotoGP マシンと同様、このエンジンはカウンター・ローテーティング(逆回転)・クランクシャフトを搭載し、ホイールのジャイロ効果を低減させることによってコーナー切り返しにおけるハンドリングや俊敏性を向上させると同時に、加速時のウィリーやハードブレーキング時におけるリヤホイールのリフトアップを抑制している。70度オフセットされたクランクピンによって、「ツインパルス」と呼ばれるイグニッション・システムが実現している。これにより、このエンジンは独特なエキゾースト・ノートを奏で、扱い易いハンドリングとコーナー出口における素晴らしいトラクションを生み出す。

デスモセディチ・ストラダーレは、サーキット走行でその真価を発揮するエンジンだが、一般道におけるニーズも十分満たすように設計されている。そのため、一般道でライディングを楽しむために重要な要素となる中速域のトルクを最大化し、低回転域におけるトルクとパワーを向上させるため、排気量をMotoGP マシンのエンジンよりも若干拡大して1,103cc としている。

最高出力は155kW(210ps)以上/13,000rpm、最大トルクは120Nm(12.2Kgm)以上/8,750~12,250rpm で、ユーロ4規制に適合している。デスモセディチ・ストラダーレにも、デスモドロミック・システムが採用されている。

左からドメニカリ、テストライダーのミケーレ・ピッロ、ただいまランキング首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ、そして元チャンピオンのホルヘ・ロレンソ。

デスモドロミックは、気筒あたり4 本のバルブを精密に制御することによって、デスモセディチGP をMotoGP クラス最速のマシンにすることに大きく貢献している技術である。この高回転型「デスモ」エンジンには、最先端のテクノロジーが投入され、かつてないレベルの洗練性、コンパクト性、軽量性を実現することに成功した。

MotoGP マシンと同様、このエンジンはボアを81mm に設定して設計作業が進められた。81mm のボアは、MotoGPのテクニカル・レギュレーションで認められている最大値であり、スーパースポーツ4 気筒セグメントにおいても最も大きなサイズとなる。

デスモセディチGP と同じボアを採用することは、パワーを生み出すためのあらゆる流体力学(バルブ、インテーク・パイプ、スロットル・ボディを通過するエアの流れ)が、MotoGP マシンのエンジンと非常に近くなることを意味している。エンジンへの吸気は、可変長エアインテーク・ファンネルに接続されたスロットル・ボディを介して行なわれ、あらゆる回転域にわたってシリンダーへのエアフローを最適化することにより、パワーデリバリーおよび扱い易さの両面で大きなメリットが得られている。楕円スロットル・ボディには、2 本のインジェクターが組み込まれており、スロットル・バタフライの上下に設置されている。

MotoGP から生まれ、デイリーユースにおいても高い信頼性を実現するテクニカル・ソリューション・パッケージは、構造およびテクノロジー面で類まれなモーターサイクル用V4 エンジンを生み出すことのできる、ドゥカティの高い技術力を示すものだ。

1103cc、4気筒、90度V型エンジン
•          ボア×ストローク:81×53.5mm
•          圧縮比:14.0:1
•          最高出力:155 kW(210ps)以上/13,000rpm
•          最大トルク:120Nm(12.2Kgm)以上/8,750〜12,250rpm
•          カウンター・ロテーティング(逆回転)・クランクシャフト
•          ツインパルス点火シーケンス、クランクピン・オフセット:70度
•          ユーロ4規制に適合
•          デスモドロミック・ハイブリッド・チェーン駆動バルブ・タイミング・システム、デュアル・オーバーヘッド・カムシャフト(DOHC)、気筒あたり4バルブ
•          湿式多板アンチパター(スリッパー)/サーボ・クラッチ
•          セミ・ドライサンプ潤滑システム、オイルポンプ×4(サプライ×1、リターン×3)
•          楕円スロットル・ボディ(52mm径相当)×4、可変長インテーク・ファンネル
•          6速ギアボックス、DQS(アップ/ダウン)
•          バルブクリアランス調整・点検間隔(デスモサービス)/24,000km毎

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