【スーパーカブ・アーカイブス】1997年(平成9年)に登場した「リトルカブ」の歴史をチェック! 【なぜ女性に人気?】色だけじゃない! リトルカブがオシャレな人に支持される理由
- 2019/03/13
- MotorFan編集部 北 秀昭
1997年(平成9年)、前後のホイールを17インチから14インチに小径化し、シート高をスーパーカブ50の735mmから705mmに変更した「小さなカブ」のリトルカブが登場。スーパーカブ50をコンパクト化&オシャレに演出したリトルカブは、「カブ=オジサンやオバサンの乗り物」というイメージを一新。女の子からも好評だった。限定モデルも多数登場したリトルカブの歴史を辿ってみよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
1997年(平成9年) 初代リトルカブ
スーパーカブ50に採用の大径17インチホイールから、足着き性の良い14インチホイールに小径化された、かわいいフォルムのリトルカブ。
前後輪のタイヤサイズを小径化(スーパーカブ50=17インチ→リトルカブ=14インチ)することで、低シート高(スーパーカブ50=735mm→リトルカブ:705mm)を実現し、足着き性はもちろん、乗降性や取り回し性を向上。小柄な女の子でも扱いやすく設計されているのが大きなポイントだ。
リトルカブは、タイヤサイズの小径化にともない、リヤキャリアの高さを30mm(スーパーカブ50比)低く抑え、荷物の積み降ろし性をアップ。また、ステップやサイドスタンド、キックペダル、マフラーのそれぞれの位置と高さを変更することで、最低地上高と走行時のバンク角も充分確保済み。
デザインは、スーパーカブ50の基本スタイルを踏襲しつつ、ハンドル周り、レッグシールド、フロントフェンダー、シート、リヤキャリアなどの形状を変更。コンパクトで親しみやすいスタイルに仕上げている。
エンジンは、経済性、耐久性、静粛性に優れた、スーパーカブ50に採用の空冷4サイクル単気筒49ccを搭載。スカートをはいた女性でも乗り降りが容易にできる低床バックボーン式フレーム、左手でのクラッチレバー操作を省いた自動遠心クラッチなど、使い勝手の良さで好評を得ているスーパーカブ50の基本機能はしっかりと継承している。
リトルカブは女の子のユーザーを意識した、カラフルなカラーリングも見逃せないところ。発売以来、リトルカブは女の子にも大好評で、「スクーターにはない、ガチャン!ガチャン!というシフトチェンジもGOOD」という声も多いのが特徴だ。
リトルカブ(赤)とスーパーカブ50(銀)を比較!ホイール径の違いに注目♪
●リトルカブの諸元(1997年モデル)
エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC49cc/ボア×ストローク:39mm×41.4mm/最高出力:4.5ps/7000rpm/最大トルク:0.52kgm/4500rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン/タイヤ:前2.50-14 後2.75-14/乾燥重量:74kg/価格:15万9000円(発売当時)
2000年(平成12年) 新春スペシャルモデル
ホワイトを基調に、一部にスケルトン素材を採用した、新春スペシャルモデルを限定3000台発売。新春スペシャルモデルは、新鮮なホワイトのボディカラーに加え、「iMac」などで当時流行だったスケルトン素材をレッグシールドに採用。サイドカバーにはメッキを施しているのもポイント。サイドカバーマークも専用デザインとしている。当時の価格は16万9000円(セル付きは18万9000円)。
2000年(平成12年) ブラックスペシャル
2000年8月には、ブラックを基調にしたカラーリングのスペシャルモデルを限定4000台発売。このリトルカブスペシャルは、ボディとレッグシールドに新鮮でシックなピュアブラックを採用し、サイドカバーにはメッキを実施。ロゴマークはボディに映えるレッドとしているのがポイント。当時の価格は16万9000円(セル付きは18万9000円)。
2007年(平成19年) 新設計のPGM-FIエンジンを採用
スーパーカブ50と同じく、リトルカブは厳しい新排ガス規制に適合するためにフルモデルチェンジ。吸気システムはキャブレターからフューエルインジェクション(電子制御燃料噴射式/PGM-FI)に変更。マフラーには新たに触媒が装着された。
新設計のエンジンは、低フリクション型のローラーロッカーアームやオフセットクランクを採用。点火方式はフルトランジスタ式に変更された。
パワーは3.4ps/7000rpm、トルクは0.39kgm/5000rpmに設定。当時の価格は21万円(セル付きは23万1000円)。
●リトルカブの諸元(2007年PGM-FIモデル)
エンジン形式:空冷4スト単気筒OHC49cc/ボア×ストローク:39mm×41.4mm/最高出力:3.4ps/7000rpm/最大トルク:0.39kgm/5000rpm/ミッション:自動遠心式クラッチ3段リターン(セル付きは4段)/タイヤ:前2.50-14 後2.75-14/乾燥重量:75kg(セル付きは77kg)/発売時の価格:21万円(セル付き23万1000円)
2007年(平成19年)50周年スペシャル
スーパーカブの誕生50周年を記念し、特別なカラーリングを施した「50周年スペシャル」を受注期間限定で発売。50周年スペシャルは、ボディカラーに鮮やかな色調の専用色(パールコーラルリーフブルー)を、シート表皮には落ち着いたイメージのリードレッドを採用。サイドカバーに記念エンブレムを配置済み。当時の発売価格は21万円。
2013年(平成25年)55周年スペシャル
1958年に登場した初代モデル「スーパーカブC100」の誕生55周年を記念して、ファッショナブルなカラーリングを採用した2種類の「55周年スペシャル」を受注期間限定で発売。
両カラーともに、ファッショナブルなレッド塗装の前後リム、またブラック塗装の前後ブレーキハブを採用することで、足周りの印象を引き締めている。
左右のサイドカバーにはクロームメッキ処理を施し、スーパーカブ誕生55周年を記念したステッカーを配置。格子模様のデザインを施した専用シートとすることで、所有感を高めているのもポイント。当時の発売価格は24万9900円。
2015年(平成27年) スーパーカブの立体商標登録を記念した「スペシャル」
スーパーカブの立体商標(※)登録を記念し、特別カラーを採用した「リトルカブ・スペシャル」を受注期間限定で発売。リトルカブ・スペシャルは、車体色に鮮やかなパールコーラルリーフブルーを採用。フロントエンブレムとサイドカバーのマークには、立体商標登録を記念した専用デザインを実施。シート表皮は、レッドとホワイトのツートーンにすることで、一段とおしゃれなイメージとしている。当時の発売価格は23万7600円。
(※)立体商標とは、自社と他社の製品を識別できる立体物を商標法で保護する制度。スーパーカブは、1958年の誕生から50年以上の間、機能的な向上を図りつつも一貫したデザインコンセプトを守り続けた結果、デザインを見ただけでお客様がHondaの製品であると認識できることが特許庁の審査で認められ、2014年6月に立体商標登録に至った。
【番外編】リトルカブよりも小さい♪スーパーカブ110を「12インチ」にカスタマイズ!
写真はバイクパーツメーカー「キタコ」が手がけた、ユニークなスーパーカブ110の12インチ仕様。リトルカブに採用の14インチよりも、さらに小径化しているのがポイントだ。
キタコ製の「12インチホイール基本KIT(5万1840円)」と「12インチホイールオプションKIT(6万480円)」、また市販のタイヤ(推奨タイヤサイズはフロント:100/90-12、リヤ:120/80-12)を組み合わせれば、17インチを履いたノーマルのスーパーカブ110よりも、約40mmローダウン。14インチを採用したリトルカブよりも、さらにコンパクト&カスタム感溢れるスタイルに仕上げることが可能だ。
■キタコ
http://www.kitaco.co.jp
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