Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • Motor-Fan[モーターファン]
  • モーターファンテック
  1. TOP
  2. バイク
  3. ニューモデル

旅道具に相応しいサイドパニア標準装備! 【VERSYS-X 250 TOURER試乗】パニア標準装備で250ccらしからぬ存在感! なのに意外と素直で乗りやすい。|カワサキ

このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年3月にデビュー。ひと月遅れてスタンダードモデルも追加投入された。大柄なアドベンチャースタイルの採用が特徴。かつて存在していたKLE250アネーロの後を継ぐ様なキャラクターを持ち、走る場所を選ばない汎用性の高いツーリングモデルである。試乗車は2019年1月にカラー&グラフィックが一新された最新モデルだ。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

メタリックスパークブラック×メタリックフラットスパークブラック

カワサキ VERSYS-X 250 TOURER•••••••689,040円

メタリックムーンダストグレー×メタリックフラットスパークブラック

 VERSYSの250シリーズに現在ラインナップされているのは、このツアラーのみ。以前販売されていたSTDモデルと装備内容で異なっているのは、パニアケース、エンジンガード、ハンドガード、DCソケット、センタースタンドが標準装備されている点にある。本来のキャラクターに沿って、より魅力的な仕上がりを誇れるだけに、バリエーションにツアラーが残されたのは、成り行きとしてむしろ自然な結果だろう。
 ユーザーサイドから見ても、スタンダードモデルをベースにオプションのアクセサリーを買い揃えて行くよりお買い得感も高いからだ。
 
 開発コンセプトは「Any-Road Any-Time」。いつでもどの様な道でも対応する高い汎用性を持つ。そんなスタイルや機能性が追求されているわけである。搭載エンジンはZやNinja250と基本的に共通ながら、出力特性は専用のチューニングが施され、6速ミッションも含めてギヤレシオも全て専用設計だ。
 
 フロント19、リヤ17インチサイズのスポークホイールには多彩な路面に対応するパターンデザインを採用したマルチパーパスチューブタイヤを装着。前後サスペンションも余裕のあるストロークを稼ぎ出している。燃料タンク容量も17L と十分に大きくロングツーリングを快適に楽しめる設定が魅力的である。

オフローダーではないが軽い冒険もOK!

 試乗車に跨がると、250ccクラスとは思えない程大きく立派な乗り味を直感する。実際その雰囲気はミドルクラスに匹敵する印象だ。シート高もそれなりに高く、183kg ある車両重量も決して軽くはない。
 ただ、スマートに決まるライディングポジションと高めの位置にあるワイドハンドルが奏功して、扱いは軽く、大きく重いバイクに乗るような不安感は皆無。250ccクラスらしいフレンドリーな乗り味が好印象だ。
 
 エンジンも剛性メンバーに加えたバックボーンフレームは、ライダーの足元周辺がスマートにデザインされ、足つきに対する不安が少ないので、トコトコと林道に分け入る様なシーンでも抵抗感が少なくて済む。おまけにステアリングは40度まで切れるので、山あいの狭い場所でUターンするのも楽。
 サスペンションもストロークが大きく突然に遭遇する未舗装の工事中道路でも平然と、何食わぬ顔で楽々走り続けることができる。
 
 水冷2気筒エンジンは、実に小気味良く、軽快かつスムーズに良く伸びる印象。これは車重に対応して全体のギヤレシオが低く設定されている事にも影響されているが、3000rpm~最大トルクを発生する10000rpmまで、直線的かつ平均的な加速力を発揮し、どの領域でも不足のないスロットルレスポンスを魅せてくれる。
 さすがに3000rpm 以下ではトルク不足だが適切なギヤリングのおかげで、常用域では常に元気良く快活な走行性を披露するから、それもまるで気にならない。
 
 ちなみにローギヤで5000rpm 回した時のスピードは22km/h。6速トップギヤで50㎞/hの時、エンジン回転数は3750rpm。同じく100km/hクルージングでは約7500rpmも回る事になる。
 回転フィーリングとしては騒々しいと言えなくもないが、振動等に不快な要素は少なく不思議とその仕事ぶりの健気さに親しみと愛着を覚えてしまった。高速走行でも、流石に余裕ある走りは望めないが実用的なパフォーマンスは十分の物がある。
 
 上体を起こし背筋の伸びた姿勢で乗る。見晴らしの良い景色を楽しむ走りは気分が良い。フロント19インチホイール採用による直進安定性も快適。旅道具としての機能性も満足できるレベルだ。
 
 本格的ツアラーからダウンサイジングしたいと考え始めた人も一考の価値があると思えたのが正直な感想だ。もちろんビギナーにもお勧めできる。パニアを始め標準装備アイテムの使い勝手も良い。コスパ的な魅力と実用性の高さは侮れないのである。

⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)

両足の踵は少し浮いた状態になる。シート高は815mmと少し高めだが、車体はスマートなので、足つき性に不安は感じられない。車重は183kgもあるが、それもあまり気にならなかった。

おすすめのバックナンバー

バイク|令和元年(2019年)のトピックおさらい!

バイク|令和元年(2019年)のトピックおさらい! 一覧へ

解決します! 交通ルールの素朴なギモン

解決します! 交通ルールの素朴なギモン 一覧へ

3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説 一覧へ