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なぜ楽しい? 無性に市街地を走りまくりたくなってしまう! アプリリア・SX125試乗レポ

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改めて興味深い貴重な125 ccモデル。今や国内4メーカーのラインナップから消滅したカテゴリーだけに、余計に気になる存在である。オフロード・モデルと兄弟車のモタード・モデルがあり、今回は後者のSX125に試乗した。この両車は12月11日に2020年型のニューカラーが新登場。黒ベースに赤と緑とシルバーのアクセントをあしらったニュー・グラフィックに一新された。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

◼️アプリリア・SX125.......418,000円

SX125(新色シルバースピードウェイ)
兄弟モデルのRX125.......407,000円(レッドレースウェイ)

 兄弟車のRX125はフロント21、リヤに18インチのスポークホイールを履く本格的オン・オフモデルだが、試乗車のSXは前後タイヤに17インチのCST製 MAGSPORT(オンロード用)を装着する、いわゆるモタード系モデルである。このホイール換装によってローダウン化が図られている。
 リーディングアクスルのフロントフォークや、ボトムにプログレッシブリンク機構を持つモノショック式リヤサスペンションは共通だが、結果的にシート高はRX125の905mmに対して880mmへ25mm低くなった。

 ホイールの小径化と主な使用用途の変更に合わせて前後ディスクブレーキには専用品を選択。ディスク径はフロントが拡大され、リヤは小径化されている。そして二次減速比が高められた。ドリブンスプロケットをRX125の69丁から62丁に変更。6速ミッションは共通だがホイール径の差も含めて総合減速比は若干高めになっている。

 ツインチューブフレームに搭載されたエンジンはボア・ストロークが58×47mmというショートストロークタイプの水冷前傾単気筒。見るからに狭角バルブ構造をもつDOHC4バルブにマレリ製φ32mmスロットルボディを持つ電子制御式燃料噴射を組み合わせる。ピークパワーの発生回転数は1万rpmをオーバーする。

快活な吹け上がりは病み付きになりそう!

 試乗車のSX125を目の当たりにすると、先ずはサイズ感に立派さを覚える。パッと見ピンクナンバーの125ccとは思えない。しかしスリムなモタードスタイルは、より大柄なRX125よりは気軽に乗れる親しみやすさが好印象。
 諸元によると車重は134kgあるが、車体サイズの程よい大きさが奏功し、取りまわしや引き起し等の扱いは実に軽快。普段の足として便利に活用する上でも気楽な乗り味がとても魅力的である。

 しかし何よりも特筆したいのは、ショートストローク・エンジンから発生する出力特性がとても気持ちよい味付けとなっていること。市街地に走り出したその瞬間から頬が緩む。正直、はしゃいでしまう程に気分が高揚してしまったのだ。スロットルを開けた時のレスポンスが常に生き生きしている事、そして高回転までストレスなく伸びて行く吹け上がり方が実に心地よい。
 
 もちろん125ccという小排気量モデルならではの要素もあるが、大排気量モデルの様な余裕のパワーに恵まれぬかわりに、持てるパワーを存分に発揮できる気持ちよさに魅了されてしまうのである。
 総合減速比が低いところでバランスされるところもあるのだが、市街地や郊外の一般公道で発揮できる速度域でもエンジンの持てるポテンシャルを十二分に駆使できるワクワク感がたまらない。
 つまりエンジンを思い切りブン回して行ける程良いパフォーマンスがそこにある。しかも、そんな美味しい乗り味を楽しんでいられる時間が長く、気持ちイイと感じられる頻度も多いのである。

 前述の通り、それはハシャイでしまう程の乗り味で気持ちが若返る。筆者は常々省燃費運転に努める傾向があるが、そんな思いはすっかり消え失せてしまう程、右手をワイドオープンにしつつ、アグレッシブで快活な走りを楽しんでしまった。

 舗装路でのグリップ感も良く、右へ左への旋回も軽快に扱え、気分が若返る程だ。扱いやすいブレーキも含めて走りに夢中になれる感覚を久しぶりに満喫できたのである。

 ビギナーライダーの入門用にもおすすめだが、シニアライダーのアンチエイジングにも相応しい楽しさがある。アグレッシブな走りに誘うエキサイティングな乗り味と適度な高性能ぶりに価値ある魅力があるのだ。

⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)

125ccとしては立派なサイズ感がある。シート高は880mm。ご覧の通り両足の踵は浮いてしまうが、車体が軽いので不安は感じられない。

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