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スーパースポーツ好きがクルーザーに乗りたくなったときのモトグッツィV9ローマーという選択肢【試乗:MOTO GUZZI V9 ROAMER】

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カリカリのスポーツバイク派にこそ味わっていただきたい

 ともあれV9ローマーの白眉は、モトグッツィ伝統の縦置きVツインであることは間違いない。

 走り出しは腹に響くような鼓動を伴う。そして3速もしくは4速で40〜80km/hで流しているときのビート感が心地好く、それ以上飛ばそうという気にならない。一定の速度で走り続けてもまったく飽きない。

 だが、試しにそこからさらにアクセルを開けたり、ギヤを一段落としてみると、さらなる魅力に気づく。パンチの効いた鼓動が回転の上昇とともに見事に収束し、みずみずしく高回転まで吹け上がるのだ。

低回転域では鼓動感が強く、それでいて高回転域まで伸びやかに回るのは90度Vツインならでは。
エキゾーストは左右の各バンクから一本ずつ伸び、途中で集合されることなく左右2本出しとなる。ビートの効いたサウンドが楽しめる。

 たとえばV角45度のハーレーダビッドソンの場合、ダダッ、ダダッ、という鼓動感が強く、低い回転域を保って早めのシフトアップをしたくなるが、一次振動を抑えられるV角90度のモトグッツィはドコドコドコドコと鼓動のテンポが速く、上まで回してもストレスがない。そして排気量の近いハーレーダビッドソンのスポーツスター883系よりも中間加速が力強く感じられたのは意外だった。

 もちろん水冷DOHCの90度Vツインのように天井知らずに回るはずもない。なにしろモトグッツィは昔ながらの空冷OHVを守り続けているのだ。だからライダーを急き立てることもない。

 豊かな鼓動感が味わえるのに気持ちよく上まで回すことも許容し、かといって回せ回せと急かされるわけでもないモトグッツイ製Vツインに「ちょうど良さ」を感じる人は少なくないはずだ。

フロントブレーキにはブレンボ製キャリパーが奢られる。ディスク径はフロントが320mm、リヤが260mm。

 前述のライディングポジションも相まって、カリカリのスポーツモデルを所有するライダーでも違和感やストレスを覚えることなく存分にクルーザーらしさを味わうことができる。V9ローマーはそんなバイクだ。

 だからスーパースポーツやストリートファイターに乗り慣れたライダーがクルーザーの世界に飛び込むとき、このバイクは有力な選択肢になり得るだろう。

 ワイルドながら、どこか繊細さも持ち合わせている。そんなマカロニウエスタンの魅力を、スポーツ派のライダーにこそ味わっていただきたい。

モトグッツィV9ローマー
全長×全幅×全高:2240×865×1165mm
ホイールベース:1465mm
シート高:785mm
車両重量:199kg
エンジン形式:空冷4ストロークV型2気筒OHV 2バルブ
総排気量:853cc
内径×行程:84.0mm × 77.0mm
最高出力:55hp/6250rpm
最大トルク:62Nm/3000rpm
燃料タンク容量:15L
クラッチ形式:乾式単板
トランスミッション:常時噛合式6段リターン
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ:Ⓕ100/90R19Ⓡ150/80R16
車両価格:127万1111円

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