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限定ベスパを振り返る♯2|世界的に大ヒットしたプリマベーラの50周年記念モデル|ベスパ・プリマベーラ 50th Anniversario

  • 2020/01/04
  • MotorFan編集部 大家 伝
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ベスパ・プリマベーラ 50th Anniversario・アズーロ50

初代プリマベーラのデビューから50年の節目にデビューした限定モデル。それがアニベルサリオだ。レギュラーモデルとは異なる2種のボディカラーを設定し、限定50台という希少性とともにベスパフリークをザワつかせた魅力的なモデルである。
REPORT●隅本辰哉(SUMIMOTO Tatsuya)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●SiLVER BACK GARAGE

ベスパ・プリマベーラ 50th Anniversario

アニベルサリオだけに設定された限定色

 プリマベーラの50周年記念モデルということで、まずはプリマベーラのヒストリーに触れておきたい。プリマベーラというネーミングの登場は1967年のミラノショー。そして翌1968年に販売開始となったのが初代プリマベーラである。このプリマベーラはマイナーチェンジを繰り返しながら1983年まで生産されたが、1976年には動力性能が高められた125ET3プリマベーラも登場。なんと1976年からは世界的に2バージョンのプリマベーラが併売されていたのだが、1983年には一度プリマベーラのネーミングがラインナップから消えてしまう。

 そして日本ではさらに複雑なのだが、ビンテージシリーズとして販売されたスモール系の人気が高かったことから、当時の輸入元だった成川商会の尽力により日本仕様の再生産が実現。異例中の異例ながら、125ET3プリマベーラの再生産モデルが1987年から2000年の期間に日本限定で販売された。ただし世界的にも日本国内でも、2013年まではプリマベーラというモデルの空白期間に突入する。

 さて、2013年になるとプリマベーラのモデル名が復活を果たす。この新世代プリマベーラはかつてのミッションスクーターというパッケージから、より現代的なオートマチックスクーターへと生まれ変わっていたのが最大のトピックだろう。そして排気量の異なるバージョンもラインナップされていたが、今回紹介する限定ベスパはスタンダードな125ccバージョンがベースだ。なのでベースとなった125ccバージョンについて触れつつ、限定モデルであるアニベルサリオをしっかりと紹介していくことにする。

 プリマベーラの背景はいつも少々ややこしい。プリマベーラのデビューはスモールの登場した1963年に対して5年のタイムラグがある。なのでスモールの50周年を記念してデビューしたのが新世代プリマベーラであり、そこから5年のタイムラグを経てプリマベーラの50周年記念限定モデルとして登場したのがアニベルサリオとなる。
 もちろん新世代プリマベーラの登場以前にスモール系を牽引してベストセラーだった、LXというオートマチックスクーターの後を継ぐカタチで登場しているのは言うまでもない。なによりエンジンマウントやダンパーに手を入れることで振動を軽減し、ライダーの快適性は格段に向上。しかも125ccバージョンではi-Getと名付けられ、スペックの向上した4ストローク空冷単気筒SOHC3バルブエンジンを搭載。ABSも標準採用していた。
 またルックス上のポイントとして、近年のフラッグシップモデルである946のエッセンスを随所に取り入れながら新時代ベスパらしさを形成している点は見逃せない。加えてシートしたラゲッジやフロントコンパートメントといったユーティリティの充実も、国産モデルに対抗できるパッケージとしてユーザーから好評価を受けている。

 そんな新世代プリマベーラの125ABSをベースとして設定されたアニベルサリオは、注目度抜群な2タイプの専用カラーを纏ってお披露目された。爽やかに晴れ渡る青空のような「アズーロ50」、深く静かなマットの質感で高級感溢れる「マルーン50」というピアッジオグループジャパン(輸入元)による表現がぴったりだ。
 これにボディカラーと同色糸のステッチ処理を施したライトグレーの専用カラーシートを組み合わせ、ダイヤモンド加工を施しバフがけとは一味違う質感のリム×スポーク&ハブ部分をグレーでペイントした5スポークホイールを前後に履かせている。
 さらにフロントコンパートメントの扉には、50周年を象徴するスペシャルエンブレムを配すといった手法で特別感の際立つ仕様となっている。ちなみにスペシャルエンブレムはプリマベーラのデビューイヤーである1968、50周年めの2018、それにVespaとPrimaveraのアルファベットを大きくあしらった「50」とともにデザイン。

 今回、実車を撮影できたのはアクティブさをイメージさせる「アズーロ50」だったが、シックな装いの「マルーン50」も捨てがたい。走行性能も安全性能も快適性能も兼ね備え、街でも使いやすい大きすぎないサイズ感。日常の用途から休日の遠乗りまで対応する、懐の深さも大きな魅力と言えるだろう。
 2カラーを合わせて限定50台というレアさもファンやコレクターを唸らせるのに十分なファクターだ。新車で手に入れることはもう叶わないが、見つけたら欲しいという衝動を抑えられない1台ではないだろうか。

主要諸元

全長/全幅/全高:1,852mm/680mm/ーーmm
軸間距離/最低地上高:1,334mm/ーーmm
シート高:790mm
車両重量:130kg
エンジン:i-Get4ストローク・空冷単気筒/SOHC・3バルブ
総排気量:124㎤
最高出力:7.9kW〈10.7PS〉/7,770rpm
最大トルク:10.4N・m〈1.06kgf・m〉/6,000rpm
燃料供給装置:電子制御燃料噴射システム(PFI)
始動方式:セルフ式
燃料タンク容量:7L
トランスミッション:自動無段階減変速(CVT)
クラッチ形式:自動遠心クラッチ
フレーム形式:スチールモノコック
ブレーキ形式(前/後):油圧式200mmシングルディスクABS/機械式140mmドラム
タイヤサイズ(前/後):110/70 - 12"、120/70 - 12"
乗車定員:2名
発売当時の設定価格……47万8400円

SiLVER BACK GARAGE/シルバーバックガレージ

正規ディーラー「ベスパ/モト・グッツィ東京青葉台」として、最新モデルからビンテージモデルまで幅広く対応。山手通りの1本裏手でアクセスもよく、中目黒駅からも近い。車両販売だけでなくカスタムや修理の相談もでき、頼れるショップとして注目だ。
電話◎03-6452-4335
住所◎東京都目黒区青葉台1-29-6 101
営業◎10:00~19:00
定休◎毎週水曜、第2・第4木曜
HP◎https://silverbackgarage.jp/

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