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いい意味で600ccクラスと錯覚する軽やかなエンジン。|MVアグスタ・BRUTALE 800 RR SCS試乗

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※試乗&撮影車両は2019年モデル

「獰猛」を意味するネーミングのBRUTALE。頂点にあるイメージリーダーはブルターレ1000 セリエオロ。その血統を受け継ぐミドルクラスが3気筒エンジン搭載のブルターレ800である。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●MV AGUSTA 東京

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MVアグスタ・BRUTALE 800 RR.......2,123,000円 (2020カラーは3月発売予定)

MVアグスタ・BRUTALE 800 RR SCS .......2,255.000円(2020カラーは5月発売予定)

ライダーまで元気になれるエキサイティングな乗り味

⚫️足つき性チェック(身長168cm)

⚫️ディテール解説

◼️主要諸元◼️

◼️ライダープロフィール

MVアグスタ・BRUTALE 800 RR.......2,123,000円 (2020カラーは3月発売予定)

MVアグスタ・BRUTALE 800 RR SCS .......2,255.000円(2020カラーは5月発売予定)

ショックパールレッド/アビオグレー
アゴシルバー/ダークメタリックグレー

 MVアグスタが、プレミアムブランドである事は既にご存じの通りであろう。このブルターレ800 RRもミドルクラスのスポーツネイキッドというカテゴリーながら、その価格は200万円前後のレベルにある。よりスペシャルな価値を纏った800 RR LH44に至っては、税別で300万円というプライスタグが掲げられた事でも注目を集めたのである。

 さてブルターレの外観デザインは、その名を表すかのように力強く、かつスタイリッシュ。真紅(アゴスチーニレッド)のトレリスフレームを始め、ブラックホイールのリムサイドやタンク&シートカウルに赤いアクセント・ストライプをあしらう等のデザイン処理は、流石にイタリアンモデルらしく、日本車には無い独自のセンスが感じられる。
 トレリスフレームに搭載された3気筒のブラックエンジンも、オルガンパイプを思わせる右出し3段テールのマフラーデザインと共に全体がギュッと凝縮された塊感とも相性が良く、同ブランドのミドルクラスの中でも特に似合っていると思う。
 
 水冷DOHC並列3気筒の放射状12バルブエンジンはそれぞれに出力特性等が若干異なっているものの、基本的には共通。あえてF3と比較するなら、ピーク馬力&ピークトルクの発生回転数が少し低めにチューニングされているが、一方で中低速域を重視された派生モデルのDRAGSTERと比較すると高回転高出力型のF3に近い出力特性を誇り、ストリートファイターに相応しいハイパフォーマンスが期待できるのである。

ライダーまで元気になれるエキサイティングな乗り味

 試乗&撮影車両は2019年モデル。早速に跨がりテーパード・パイプバーハンドルに手を添えると、やや腰高に感じられるライディングポジションと相まって、不思議と攻撃的な気分になってくる。誤解無きよう言葉を変えれば、元気な気分に包まれると言った方が正解かもしれない。
 
 ステアリングヘッドの上部にはハンドルバーと平行にステアリングダンパーの存在が見て取れる。基本的に舵角は少なめだが、ワイドハンドルで操舵フィールは軽快。それでいて、舵の動き方には落ち着きが備わっているわけだ。ちょうど中央にある黒いダイヤルを回せば、好みのダンピング調節が簡単にできてしまう。
 ちなみにマルゾッキ製のフロントフォークは右側が伸び側、左は圧側のダンピング調節ができる仕組みである。
  
 キーをONにしてハンドル右側の赤いスタータースイッチを押すと798ccの3気筒エンジンは簡単に目覚める。上から順に径が小さくなる3段テールピース・マフラーからの排気音はデシベルがやや大きく感じられるが太いサウンドを聴かせてくれた。
 タンク両サイドにはエアインレットのダクトを配した点も只者ではない迫力を感じさせてくれる。
 スッキリと処理されたシート&テール回りのデザインもスタイリッシュ。しかも全体にマッシブなデザインながら、前後がギュッと凝縮されたコンパクトなフォルムもライダーをアグレッシブな気分にさせてくれる。
 
 搭載された3気筒エンジンは柔軟さを持つ上に、いかにもショートストロークエンジンらしい小気味良さを発揮。スロットルレスポンスと、回転が吹き上がる様はかなりの鋭さがある。
 感覚的には600ccクラスと勘違いする程に軽快かつシャープな特性を披露してくれるのだ。それでいて800ccならではの太いトルクで車体を押し出す加速フィーリングは豪快。1万rpm オーバーの世界までストレスなくアッサリと伸び上がる出力特性は秀逸である。
 決して高すぎないギヤレシオとも上手くマッチして、ストリートファイター的な機敏な走りが簡単に引き出せるのである。逆に言うと想像していたより低めのレシオが相まって、右手のスロットル操作に対して俊敏にレスポンスしてくれ、実に元気の良い走りが楽しめるのである。
 日本の一般公道を走る限り、もうこれ以上のパフォーマンスは必要ないと思えた程、実用性能としてはまるで不足のないトップレベルのハイパフォーマンスぶりに大きな魅力を覚えた。

 操縦性も比較的素直な扱いやすさがあり、直進安定性も良い。ピレリ製のROSSOIIIを履く前後タイヤのグリップ感も優れていた。前述の通り舵角の関係で小回りUターンこそ苦手だが、市街地での足代わりからツーリングまで、スポーツマインドに浸りながらエキサイティングな走りが楽しめるのである。

⚫️足つき性チェック(身長168cm)

跨るとやや腰高な印象。シート高は830mm。ご覧の通り両足の踵は少し浮いた状態になる。

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