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リヤブレーキをガツンと強く! はダメな操作方法です!? ケニー佐川の「楽テクBIKE塾」 リヤブレーキ操作②

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ライディングスクール講師として豊富な実績を持つケニー佐川が、楽に楽しく安全にバイクを操るためのコツを記事と動画で分かりやすくアドバイス!バイク初心者はもちろん、リターンライダーからベテランまで目からウロコの楽ネタ満載です。今回はブレーキペダルの操作方法について!

REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)

リヤブレーキはあまり器用ではない

 リヤブレーキはフロントブレーキはと違ってあまりデリケートな操作は期待できません。なぜなら足で操作しているから。足は手より大きな力が出せる反面、微妙な力加減は苦手。特にバイクでは分厚い革のブーツを履いての操作になるのでなおさらです。
 もうひとつの理由は、バイクという乗り物の運転特性によるものです。通常のバイクはテレスコピックタイプのフロントフォークを採用しているため、前後ブレーキを同時にかけるとフォークが沈んで車体が前傾します。これをピッチングモーションと言いますが、強くブレーキをかけるほど、その動きも大きくなります。ブレーキ入力の割合は前7:後3などと教習所でも習ったと思いますが、本当に限界近い強いブレーキではリヤが浮き上がってしまうこともあり、先ほどの入力割合で言えば前10:後0になってしまうわけです。そうなれば、後輪と路面との摩擦抵抗はゼロになってしまうわけで、当然リヤブレーキは簡単にロックしてしまいます。

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一定入力のままキープがキモ

 そこで、リヤブレーキのかけ方ですが、力任せにガツンと踏み込むのはもちろんNG。じんわりとペダルに入力しつつ、ある程度の踏み応えが出てブレーキが効き始めたら、それ以上は強く踏み込み過ぎないのがポイント。一定の入力のままキープする感じです。その上で、より強いブレーキングや繊細な速度コントロールに関しては、器用な手で行うフロントブレーキに任せたほうが確実です。

油圧の反力の高まりを感じつつ、ペダルをじんわりと踏み込んでいく。ステップに置いた土踏まずを支点にして、親指の腹でペダルを押すイメージだ。
路面との摩擦力が高まり「ズッズッ」とか「シュシュ」という摩擦音が聞こえてきたらロック寸前の兆候。実はその状態が最大効力だ。そのまま一定入力をキープできればベスト。

最近のABSはプロライダー顔負け

 それでもリヤブレーキがロックしてしまったら、後輪が滑り出す前にペダルの踏み込みを弱めてロックを解除するのが基本です。ABS装備の場合はロックしても自動的に解除してくれるため安全に止まることができますが、一方で制動距離が伸びる場合もあります。厳密に言えばABSが作動する直前の状態をキープできれば制動距離を短くできますが、それは職人芸の世界です。特に最近のABSは電子制御化されて精度も向上していて、プロライダー以上のブレーキング性能を発揮するシステムも出てきていますので、万が一の場合に使いこなせるよう普段からABSを体験しておくことをおすすめします。

ABSはブレーキロックによる転倒を大幅に低減する安全装置。2018年10月から排気量125cc超の新車にはABS装着が装備化され、今後はABSを使いこなすことが必須になる。
ABSはキックバック(レバーやペダルへの振動)によって作動を知らせる仕組み。万が一の場合でもパニックにならないよう、安全な場所でABSを経験しておくべきだ。

佐川健太郎(ケニー佐川)

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。
趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。 雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも尽力する。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。

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