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バイクの運転は手が疲れる! を回避するクラッチワーク。|ケニー佐川の「楽テクBIKE塾」 クラッチ操作①

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ライディングスクール講師として豊富な実績を持つケニー佐川が、楽に楽しく安全にバイクを操るためのコツを記事と動画で分かりやすくアドバイス!バイク初心者はもちろん、リターンライダーからベテランまで目からウロコの楽ネタ満載です。今回はクラッチ操作の基本について!

REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)

バイクのクラッチレバーは半分握るだけでいいんです。

クラッチのストロークは3段階ある

ツーリングから帰ってくると、もう左手が痛くて仕方がないということありませんか?
原因ひとつとして考えられるのは、クラッチの切りすぎかも。
そこで、クラッチレバーを操作しているところをイメージしてみてください。クラッチ操作に関しては、レバーを引き始めてからクラッチが完全に切れるまでのストローク(ゾーン)は大きく分けて3段階あります。まずはそこを知っていただきたいのです。

クラッチレバーを引くと最初にあるのがカタカタする「遊び」のゾーン。通常は5mm~10mmはあるはずだ。クラッチ操作に直接関係するわけではないが、多すぎるとタイムラグにつながるため適正に調整しておきたい。
「遊び」の直後にレバー操作に手応えを感じる(重くなる)ゾーンが訪れる。ここからが半クラの始まりで、さらに引き込んで完全にクラッチが斬れるまで10mm~15mm程度の引き代があるはずだ。低速バランスではその中で最も駆動力が安定する位置を探すのがポイント。

ムダに握力を鍛えていないか!?

クラッチレバーを引こうとすると、最初に何も手応えがないカタカタする「遊び」のゾーンが5mm~10mm程度あるはずです。そこから引いていくとレバーが重くなりクラッチが切れ始めます。これが半クラの状態ですが、そのゾーンは割と短くて10mm~15mm程度引くと完全にクラッチは切れてしまいます。さらに奥までレバーを引き込むこともできますが、それはつまり全切り状態なのにレバーだけ引いていることになります。握力を鍛えるためならそれもありですが(笑)、ツーリングで左手首が痛くなってしまうのは、ムダに握力を使ってしまっているせいかもしれません。

さらに引き込むと突然、駆動力が途切れるポイントがある。そこが全切り状態で、だいたいクラッチレバーを半分も引けばこの状態になる。駆動力ゼロということは、つまりバイクは前進できないので不安定になり、立ちゴケのリスク大。
4本掛けで最後までがっちり握ってしまうと、再びクラッチをつなぐまでにタイムラグが生じ、シフトアップ&ダウンがぎこちなくなる。レバーを引き込むほどリターンスプリングの反力も増すので左手への負担も大きく疲れやすい。

半クラのゾーンを正確に知っておく

たとえば、低速でUターンするときなど半クラを多用しますが、クラッチレバーを引き過ぎると駆動力が伝わらなくなり、逆に不安定になってしまいます。半クラのゾーンは車種により異なりますが、「どこから半クラが始まり、どこから全切りになるのか」を正確に知っておくことが大事。それがUターンを上手にこなすコツだったりもします。また、最小限のクラッチ操作でシフトチェンジができれば、効率的でタイムラグが少なく、長時間乗っていても疲れにくくなるなどメリットも大。ぜひ試してみてください。

クラッチはエンジンが生み出したパワー(動力)の伝達装置だが、使い方によってアクセルやブレーキの代わりにもなる。特にUターンなど極低速域における繊細なコントロールには無くてはならないツールでもある。

佐川健太郎(ケニー佐川)

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。

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