229,000円の格安系スクーター|中国新大洲ホンダのRX125FI SE、街乗りには不満ナシ!の実力でした。
- 2020/08/05
- MotorFan編集部 栗栖国安
スマートキー方式イグニッションシステムをはじめUSB電源など最新の装備が快適な走行を実現してくれるスポーツスクーターが、中国新大洲ホンダから登場したRX125FIだ。STDとSEの2タイプがあり、上級モデルとなるSEを試乗してみた。
REPORT●栗栖国安(KURISU Kuniyasu)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
問い合わせ●バイク館SOX https://bs-sox.com/
ホンダ・RX125FI SE……229,000円
アグレッシブなスタイルがスポーツ心を刺激する
世界中の二輪車市場を席巻した日本のバイクだが、いまは世界各国の工場で生産されている。正確にいえば、日本国内で生産されているバイクのほうがはるかに少なく、中国や東南アジアの工場のほうが主力といえる状況だ。中国の新大洲ホンダもそうした海外生産拠点のひとつだ。そして、そこから生み出されたプレミアムスクーターRX125FIである。今回は上級モデルとなるSEを市街地で試乗してみた。
マットブラックのボディがなかなか精悍だが、シャープなラインで構成されたボディスタイリングがとにかくスポーティ。LEDのデュアルヘッドライトを装備したフロントカウルのフォルムはとくにアグレッシブだ。こうしたスポーツスタイリングなら血気盛んな若いライダーにもピッタリだ。
スポーティなデザインが魅力のRX125FI SEだが、ボディもコンパクトな部類だ。前後10インチタイヤ採用ということもあるが、このクラスのスクーターとしては小ぶりである。車重も111㎏と軽量なので取り回し性は非常にいい。反面、シート高は780mmとやや高めの設定。体格の小柄なライダーだとちょっと足が着けにくいところもあるだろう。でも、このあたりもスポーツスクーターらしい部分だといえる。
フロアボードはステップスルータイプなので、足置きの自由度は大きい。前後のスペースはそれほど広くないものの、ポジションを変えることができるので、ある程度の距離を乗っても疲れにくそうだ。シートも表皮が滑りにくい加工がしてあり、座面もワイドなので、座り心地が良くお尻が痛くなることもなさそうだ。
イグニッションスイッチを押し、右に回せば始動準備完了。ブレーキレバーを握ってセルスイッチを押せば簡単にエンジンが目覚める。スマートキーシステムなので電子キーを携帯していればイグニッションのオン、オフができ、シートロックの解除もできる。目新しいシステムじゃないが、やはり採用されていると便利だ。
スポーティな外観ながら走りの質はスムーズさが際立つ
搭載するエンジンは、124.9㏄の空冷単気筒。スクーター用のパワーユニットとしては標準的なもので、燃料供給はもちろんFIだ。アクセルをグイっとひねる。アグレッシブなスタイリングなので鋭いダッシュを見せるかな?と身構えていたのだが、意に反して実にスムーズにレスポンスし、穏やかに加速していく。もちろん車の流れをリードするだけのパワーはあるのだが、125㏄クラスのスクーターとしてはパワーがあるほうではない。どちらかといえばゆったりと走るのに向いている特性だ。これはこれで悪くない!というのが個人的な印象。これならちょっとしたツーリングも楽しめそうだ。
ボディが軽量でコンパクトということもあり、ハンドリングは軽快だ。前後10インチタイヤによるところも少なからずあるが、市街地での機動性は高い。反面、小径タイヤなので路面の影響は受けやすく、路肩の継ぎ目に乗ったときの操縦安定性への悪影響は皆無ではない。まあこれはこのモデルに限ったことじゃないのだが、あまり調子に乗ってしまうと足元をすくわれる。せっかくスムーズで快適な乗り心地があるのだから、そうした性格に合わせた乗り方、使い方をしてやれば、街乗りからツーリングまで良き相棒になってくれるだろう。22万9000円という低価格もうれしい。
主要諸元
年式:2020モデル
排気量:124.9cc
最高出力:6.9kW(9.3ps) / 7,500rpm
最大トルク:10.3Nm(1.05kgf/m)/6,000rpm
タンク容量:6.4L
全長/全幅/全高:1,737mm × 692mm × 1,120mm
ホイールベース1,228mm
最低地上高:132mm
シート高:780mm
重量:111kg
ブレーキ:前ディスク/後ドラム
タイヤサイズ:
前 100 / 90 - 10
後 100 / 90 - 10
ヘッドライト:LED
テールランプ:バルブ
製造国:中国
モーターサイクルジャーナリスト
栗栖 国安
プレスライダー、広告モデルライダーから二輪雑誌業界に足を踏み入れて38年。専門誌、一般誌を中心にニューモデル試乗からツーリング紀行まで幅広い分野で取材、執筆活動を行う。趣味はサッカー観戦と乗り鉄。好きが高じて現在、「バイクでめぐる廃駅・廃線の旅」を鉄道雑誌で連載中。
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