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フルモデルチェンジで走りのパフォーマンスを一段アップ。新型ホンダ・X-ADVを解説

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2012年に公表されたニューミッドコンセプトシリーズは順次9機種もの新開発モデルを投入し人気を得ている。その最後発として2017年にデビューしたX-ADVが、フルモデルチェンジされた。Honda Dream 店より3月25日に新発売される。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO ●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

ホンダ・X-ADV.......1,320,000円

グラファイトブラック
パールディープマッドグレー

よりアクティブにパフォーマンス向上!

いわゆるスクーターではない、バイクの造りである事がよくわかる。

 ご覧の通りスクーター的なスタイリングが採用された大型クロスオーバーモデルとして独自のキャラクターと存在感を放つホンダのX-ADV 。
 スクーターとは一線を画すデザインと高機能で仕上げられている異色なバイクである。その根拠となる大きなポイントはスクーターなら当たり前のユニットスイング方式を採用していない事。
 さらにはフロント17、リヤ15インチサイズの大径スポークホイールを選択している点も見逃せない。つまり、大胆に言うとバイクをベースにしてスクーターのフォルムが構築されている点が斬新かつ魅力的。ライバル無き価値ある存在と言えるのである。
 開発コンセプトは「スマート&エキサイティング ADVENTURE URBAN TRANSPORTER」。今回は先代モデルに対して、動力性能と利便性が高められての登場だ。
 
 主にフレームとエンジンに手が入れられた他、電装系も最新の装備が奢られ、スマホとBluetoothで連携するHSVCS(Honda Smartphone Voice Control system)を新規搭載。
 音声入力に対応したヘッドセットを使うと音声ガイダンスに従って左側のハンドルスイッチを操作する事で、音楽再生や通話が可能となる便利機能だと言う。
 5インチの液晶メーターはフルカラー化された新タイプを採用。実に多彩な情報表示が成される他、表示デザインも好みによって選べる設定になっている。
 その他オプションの50L容量のトップボックスにはスマートキーシステムタイプを新設定。バイク本体のスマートキー操作に同期してトップボックスの解錠が可能となり、使い勝手が良くなった。
 
 ハード面ではダイヤモンドタイプのスチール製フレームが2020年モデルから刷新され、各部位に応じて板厚を最適化することで、1kgの軽量化を達成。足回り等は基本的に昨年モデルから踏襲されている。
 270 度位相クランクのOHC水冷2気筒を62度前傾搭載されたエンジンもシッカリと熟成されており吸排気系の一新はもちろん、電子スロットル採用のスロットルボア径がφ38mmへと2mm拡大。
 出力特性比較のグラフをご覧いただければわかりやすいが、基本諸元こそ同様ながら、新設計の軽量低フリクション・ピストンの採用を始め、クランクマスや2軸1次バランサーの軸径を見直す等、トータルで高回転高出力化を達成。同時にエンジン単体で1.4kgの軽量化も実現したと言う。
 燃料の噴射制御もより緻密になり、安定した燃焼効率に貢献。そんなパワーアップに伴い、DCT(6速)も4~6 速のレシオが高めにセッティング変更された。
 この他、ライディングモードにはGRAVELモードを追加。シートデザインも前端部がスリムになり足つき性を向上。シート下の収納容量も1L拡大されて22L容量になっている。
 スクーター的なトランスポーターとして便利に活用できる上に、ダートへも踏み込めてしまう。異色な存在ではあるが、総合的な走行性能の高さは大いに期待できそうである。

新設計されたスチール製ダイヤモンドフレーム。単体で1kgの軽量化も果たしている。スイングアームは一体型アルミHPDC(高圧鋳造)式が継承されている。
ロングノズルタイプのインジェクターを新採用。よりレベルの高い燃焼の安定化が追求されている。
スケール(目盛り)が記されていないが、主に高回転域がパワーアップされた様子は伝わってくる。
GRAVELが追加された4種のライディングモードが選べる他に、自分で好みの設定ができるUSERモードもある。

ディテール解説

フロントカウルデザインも一新されている。LED式ヘッドライトにはデイタイムランニングライトが採用された。
フロントにはリンク式のウィンドスクリーンが装備されている。
スクリーンの高さは手動で5段階調節できる。
17インチサイズのスポークホイールを採用。フロントフォークやブレーキも基本的に変更は無い。
吸排気系のみならず、エンジンには大きく手が入れられ、単体で1.4kgの軽量化も実現。ミッション(DCT)も一部レシオ変更されている。
排気系も一新されて排気ガスの浄化性能とパワーアップに貢献。
駆動はバイクと同じチェーンドライブ。減速比に変更は無い。
ナックルガードの標準装備も同様。ハンドル右側にパーキングブレーキレバーがある。ステアリング切れ角は39度を確保。
下がシフトダウン、人差し指で扱うのがシフトアップボタン、いずれもマニュアル操作用。ホーンの上がMODEスイッチ。右にファンクション及びセレクトスイッチが配置されている。
上の赤いのがエンジンキル及び始動用スタータースイッチ。下はDCT用でNとDモードの切換え。グレーのスイッチはオートとマニュアルモードを切り換える。
高い位置にセットされたフルカラー5インチTFTメーター。
数多くの情報提供がなされる他、表示パターンも4タイプから選択できる。
スマホとの連携を図れるHSVCSシステムの概念図。
スマートキー方式。大きなプッシュボタン操作でイグニッションON/OFFでき、ステアリングロックも連動する。
前ヒンジで後方が持ち上がる長いダブルシートを採用。先端部分形状のスリム化で足つき性も改善。
ラゲッジスペースは1L増加して22L容量が確保された。庫内にはUSB Type-Cの電源ソケットが標準装備されている。
少し細身にデザイン変更されたテールまわり。

⬛️主要諸元⬛️

X-ADV
車名・型式:ホンダ・8BL-RH10
全長(mm):2,200
全幅(mm):940
全高(mm):1,340
軸距(mm):1,580
最低地上高(mm):135
シート高(mm):790
車両重量(kg):236
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):42.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):27.7〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.8
エンジン型式:RH10E
エンジン種類:水冷4ストロークOHC 4バルブ直列2気筒
総排気量(cm3):745
内径×行程(mm):77.0×80.0
圧縮比:10.7:1
最高出力(kW[PS]/rpm):43[58]/6,750
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):69[7.0]/4,750
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):13
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:電子式6段変速(DCT)
変速比:
 1速 2.666
 2速 1.904
 3速 1.454
 4速 1.178
 5速 0.967
 6速 0.815
減速比(1次/2次):1.921/2,235
キャスター角(度):27゜00′
トレール量(mm):104
タイヤ(前/後):120/70R-17M/C 58H / 160/60R-15M/C 67H
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド

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