【ベスパレストア計画】地味な作業で根をあげそう、エンジンにワイヤー類を接続。|ベスパP125X
- 2021/01/11
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増田満
ようやく自立した我がベスパP125X。ここからは一気に作業を進めたいところだが、肝心要のワイヤーやハーネスを接続しなければエンジンは再始動してくれない。地味な作業になるが一つ一つ解決させるため、各ワイヤーとハーネスを接続させていこう。
ボディにエンジンを戻すことに成功した。次なるミッションはエンジンにつながっていたハーネスやワイヤーを再接続させることだ。先にフロントフォークをボディに戻すのもアリだが、そうなるとさらにボディが重くなるため整備性が悪化してしまう。今の段階ならボディを横倒しにして作業するのもラクなのだ。ということで、早速続きを始めよう!
エンジン単体の時にキャブレターまで外して清掃しておいた。ボディにエンジンを戻したら、面倒だがもう一度エアクリーナーカバーを外してアクセルとチョーク、2本のワイヤーを元に戻そう。本来ならこの2本のインナーワイヤーも新品へ交換しておくべきだが、クラッチやシフトと違って後からでも作業しやすい場所なので今はそのまま作業を続行することにした。
左の写真で見える上のワイヤーがチョークワイヤーで、アクセルワイヤーはカバー部分に隠れてしまった下にある。どちらも難しいことはなく工具もなしで再接続できる。つながったらエアクリーナーカバーを元に戻すだけだが、カバーの内側は油汚れが激しく、本体側と重なる段差には汚れがびっしり付着していた。キレイに清掃してから戻している。
エンジンがかかることは以前に確認しているので触らなくてもいいのだが、ここまでキレイにしたのだからスパークプラグはカバーがない今のうちに交換しておくことにする。ベスパP125Xの適合プラグはNGK製ならB6HSが標準なのだが、元々付いていたプラグはBR6HS。これは「抵抗入り」や「レジスタータイプ」などと呼ばれるもので、スパーク時に発生する点火ノイズを低減させるセラミック抵抗体が内蔵されているもの。
古いバイク、キャブレター方式のバイクに抵抗入りプラグを使う理由はあまりなく、むしろ抵抗が入ることで悪影響を及ぼすこともありそうだ。なぜ抵抗入りプラグをつけているのかは謎だが、ここは抵抗の入っていない標準プラグを選んでおこう。
前回新品に交換したシフトワイヤーにグリスを塗りつつインナーワイヤーを通しておく。シフトユニットまでインナーワイヤーが貫通したらシフトユニットとワイヤーが接する部分を中心にグリスを塗りたくっておく。グリスはワイヤーと接する部分だけでなくワイヤーによって動くユニットのギザギザ部分やスプリングにも塗っておくのが肝心だ。
ユニット内部に貫通したインナーワイヤーの先端には末端金具と呼ばれる部品が付く。これがユニットに引っかかってハンドチェンジした時にユニットが動く仕組みだ。とりあえず現状ではハンドル側が手付かずなので、末端金具は仮留めしておくだけで大丈夫だ。
シフトワイヤーに続いては、エンジンの下に接続されるクラッチワイヤーとリヤブレーキワイヤーを接続させる。エンジンの下に位置するので、そのままだと非常に作業しづらい。そこでボディを横倒しにして作業しよう。
まずクラッチワイヤーを通そうと思ってインナーワイヤーが入るあたりを確認すると、以前の作業で失敗したことを思い出した。ボディを分解した時、クラッチワイヤーを抜いてインナーが通る金具を外そうとしたら途中でモゲてしまっていたのだ。それが左の写真中央に見える折れたネジ。反対側にはゴムのカバーが付いているので、まずカバーを外す。現れたネジの残り部分を手で回そうと思っても簡単には緩まない。そこでネジザウルスという専用工具を使って外すことにした。
ネジザウルスは以前にサビを落とす時、リキッドというサビ落としケミカルを使ったのでご記憶の方もいるだろう。この工具、持っていると本当に助かることが多いのでオススメだ。途中で折れたネジはネジザウルスの前にあっけなく敗退した。ただ、こんな金具普通には売ってないので、さて困った。でも十年以上も前にベスパ100を直した経験があり、その時にスペアとして入手した部品がいくつかある。在庫を見ると合うものがあったので無事に新品交換できた。
クラッチユニット側はアーム状のパーツにインナーワイヤーを通して、反対側へ末端金具を取り付けてユニットを動かす仕組み。まだ末端金具までつける必要はないのでワイヤーだけ通しておく。
リヤブレーキワイヤーはインナーだけ以前の作業で新品に交換しておいた。滅多に切れることはないが、元から付いていたワイヤーはすでにボロボロだったので安心を買ったと思おう。とりあえず今の段階では仮留め程度でよく、最終的にタイヤを装着してから効き具合を調整することになる。
ここまでできたら横倒しにしていたボディを直立させてハーネスの接続作業に移ろう。さて、以前の作業で外した点火コイルや配線カバーなどを出して確認すると、ガ〜ン、完全に忘れていた。コイルから出ているハーネスがすでにボロボロだったのだ。写真のようにハーネスのアウターが破れてしまい、配線が剥き出しになっている。
どうしてこんなことになったのかは不明だが、この状態で元に戻しては絶対に悪影響が出ることだろう。ここで戦意消失してしまった……。次回は配線の作り直しから始めよう。
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