in サーキット秋ヶ瀬(埼玉県さいたま市) 10年ぶりのレースにちょうどイイ! TKレンタルバイクシリーズに出場してみた【前編】
- 2018/12/13
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MotorFan編集部
2017年からスタートしたTKレンタルバイクシリーズは、その名の通り、車両をレンタルして楽しめるワンメイクレースだ。ビギナー、エキスパートのほかに、GO&FUNチャレンジという若手育成のためのクラスを設け、サーキット秋ヶ瀬で開催されている。
かつてレースに情熱を燃やしたカメラマンが7年ぶりにカムバックするために、この「TKレンタル」に挑んだ!! 今回は、前日の練習走行の模様をお届けします!
PHOTO:鷺坂 悠馬/山田俊輔
REPORT:星野耕作
まとめ:佐藤恭央
星野耕作(フリーランスフォトグラファー)
元地方選GP125参戦 (MOTO BUM)。 現役時代の最高位はもてぎロードレース選手権での3位。現在はフリーのカメラマンとして、バイク関係、芸能、音楽、ファッションと多岐にわたり活動中。オフィシャルサイト http://kousakuhoshino.com/
武田雄一
元全日本ライダーで、ST600クラスでは優勝経験もある。TKレンタルバイクシリーズの主宰で、秋ヶ瀬でのシリーズ戦のほか、明智ヒルトップサーキットでの耐久レースも開催し、レースの楽しさや厳しさを教えてくれる伝道師! オフィシャルブログ https://ameblo.jp/yu1-takeda/
お金を余り掛けず、時間も掛けずにレースに出たい人に!
私がロードレースを辞めてから早7年が経ちます。その間に仕事でちょこちょこバイクに乗ることはあっても、サーキットは全く走っておらず、身も心もレースから離れてしまっていました……。“レースに出たい”という気持ちはずっと胸に秘めていたけれど、本職であるフリーランスのフォトグラファーとして生き残るためには、日々の仕事をこなし、常に作品撮りや機材のアップデートが必要です。要するにヒマ(とお金)がない!! 趣味のバイクレースはさておき、死活問題に直結する人生レースで後塵を拝するわけにはいきません。
そんな悶々としていた時に知ったのが今回参戦を決めた「TKレンタルバイクシリーズinサーキット秋ヶ瀬」です。整備が行き届いた車両が用意されているので、当然、自前で車両を用意する必要がないんです! バイク(またはレース)フリークなら、マシンをチューニングしたり、その都度メンテナンスをしてコンディションを保つのも一興ですが、初期投資やランニングコストが掛かるのもこの車両が大きなウエイトを占め、レース参戦では難関だったりします。また、私は仕事兼用でハイエースを所持していますが、コンペティションとなると自走というわけにはいかないので運搬用にトランポも必要になります。でも、レンタルならこれらの問題がクリアできちゃうんです!
「時間もお金もないけどレースに出たい!」という今の私におあつらえ向きなのです。ちなみにレースに出場するにはフルフェイスヘルメットやレーシングスーツ、ブーツなどの装備も必要ですが、装備類一式も借りられるので、身一つでレースに挑むことが可能。これはビギナーにとっては嬉しいですね。
本番前日にみっちり練習走行!
さて、出場すると決まったらポディウム(表彰台)のてっぺんを狙いに行きますよ! この「TKレンタル」は、長年続くミニバイクレースのモトチャンプ杯東日本シリーズと併催されていて、レース前日は特別スケジュール(別料金)になっています。15分×6回と普段よりも多めに走行できるようなので、情けない結果にだけはならないように“勘”を取り戻したいところ。レースの参加人数によっては練習走行時にマシンをシェアすることもあるそうですが、サーキット秋ヶ瀬を走るのが初めての私にとって、本番前にたっぷりと練習できる機会があるのはとても助かりました。
アンダーボーンの珍しいレーシングバイク
さて言い忘れていましたが、レンタル車両はスズキのFU150という、日本ではあまり見かけないモデルです。アンダーボーンフレームなのにやたらとレーシーな、珍妙なスタイルの一台ですが、聞けばアジア各国を転戦するロードレースの登竜門「SAC(スズキ・アジアン・チャレンジ)」初年度の2015年に実際に使用されていたという、由緒正しきバイクのようです。
早速、自前の装備に身を固めてイザ発進! 久しぶりに腕を通したレーシングスーツは常日頃から節制していた甲斐あってジャストフィット! 正直、アンダーボーン仕様だからサーキットには不向きなのでは?と思っていましたが意外や意外!! ポジションはSP50マシン(NS50R/Fなど)に似た“攻めの姿勢”が取れます。燃料タンクが一般的なバイクより下位置なのでニーグリップをするのに最初は少し戸惑いましたが、通常とは違う車両をゲーム感覚で操るのがクセになりそう!
扱いやすいキャラクター
この車両に搭載されている空冷4スト単気筒エンジンは、ヨシムラ製マフラーとミクニ製TMRφ28キャブレターで強化されていてかなりパワフル。20ps近くは出ているハズ! かといってピーキー過ぎず、本来の粘り強いエンジン特性と6速ミッションのギヤ比が絶妙にマッチしていて低速からでも不安なくアクセルを開けていけます。
車重が100kgオーバーと市販車並みにあるけれど、乗車位置と重心バランス、スチールフレームならではの適度な“しなり”が効いて、ビギナーからエキスパートまで扱いやすく、バイクに求められる基本動作がとっても素直だから乗っていて楽しいんです。各ライダーのレベルに応じてくれる〝懐の深さ“が感じられました。マシンだけに依存せず『人間が頑張ればタイムが出る』仕様ですね。若手ライダーの育成に使用されているのも納得です。
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