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スーパーカブをベースにした、アメリカ生まれのトレッキングモデル 【ハンターカブ】クロスカブ50/110のルーツ! 「CT110」は今でも人気/ホンダ

  • 2019/05/30
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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「ハンターカブ」とは、1960年初頭より北米で販売されていた、スーパーカブベースのトレッキングバイクの愛称。人気の現行モデル「クロスカブ50/110」の元祖的存在としても知られるハンターカブは、山や川、荒地、獣道などのトレッキング&トレール走行、ツーリング、街乗りなど、幅広い用途に対応できるよう開発。メッキカバーを装備したアップマフラーや、レッグシールドを排除したスリムで軽快なフォルムも、ハンターカブの大きな特徴だ。そんなハンターカブの人気モデルを、年代順に追ってみた。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net
撮影協力●ホンダコレクションホール

1962年(昭和37年) C105T トレール55

 1959年(昭和34年)、現地法人の「アメリカ・ホンダモーター」が設立された頃、アメリカではバイク=ハーレーダビッドソンなどの大排気量車が人気であり、定番だった。

 そこでホンダはバイクの新たな需要や開拓を目指し、狩猟やレジャー、広大な農園管理用として「ハンターカブ」を開発。ハンターカブは、需要創造の火付け役となった。

 アメリカでは1961年(昭和36年)に、50ccの「CA100T」が発売。翌年の1962年(昭和37年)には、写真の「C105T」が発売。C105Tは、ブロックタイヤ、専用フェンダー、大径スプロケットを追加装着したダブルスプロケット方式などを採用した輸出用トレールモデル(エンジンをガードするアンダーカウルはオプションだった)。翌年には、ダウンマフラーからアップマフラーとなり、CTシリーズへと発展した。

 写真のメッキ仕様モデルは、アメリカの優良ディーラーに贈呈された非買品を再現したもの。

■Specifications
全長:1725mm/全幅:575mm/全高:945mm/重量:73kg/燃料タンク容量:4.0ℓ/エンジン形式:空冷4サイクルOHV単気筒54cc/ボア×ストローク:42mm×39mm/圧縮比:8.5/最大出力:5.0ps/9500rpm/最大トルク:0.38kgm/8500rpm/変速機:3速/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前2.25-17 後2.50-17/最高速度:65km/h

1963年(昭和38年) CA105T トレール55

 「CA105T」は、スーパーカブをベースに、悪路走行用のブロックパターンタイヤ、大小2枚のドリブンスプロケット、アップマフラーを装備。なお、フロントフェンダーはレス化されている(フロントフェンダーを装着し、ガンキャリアや専用キャリアを装着した狩猟用モデルもあった)。

 エンジンは55ccのスーパーカブC105とほぼ共通だが、キャブレターの取り付け位置や、フューエルコックが異なっているのが特徴。

 日本では1963年(昭和38年)、「ハンターカブ C105H)」の名称で、少数ながら販売された。

■Specifications
全長:1725mm/全幅:575mm/全高:945mm/重量:73kg/燃料タンク容量:3.0ℓ/エンジン形式:空冷4サイクルOHV単気筒54cc/ボア×ストローク:42mm×39mm/圧縮比:8.5/最大出力:5.0ps/9500rpm/最大トルク:0.38kgm/8500rpm/変速機:3速/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前2.25-17 後2.50-17/最高速度:65km/h/日本での当時の価格:6万円

1964年(昭和39年) トレールCT200

 1964年(昭和39年)、87ccエンジンを搭載した「CT200」が北米でリリース。ハンターカブは元来、牧場や農作業での使用を想定していたが、そのずば抜けた走破性から、狩猟やレジャー向けバイクへと利用価値を変化させ、アメリカを中心に、さらなる人気を獲得した。

転倒時のダメージを軽減するエンジンガードを装備。
北米仕様のハンタータブの定番、大径スプロケットを追加装着したダブルスプロケット方式を採用。

■Specifications
全長:1805mm/全幅:565mm/全高:720mm/重量:82kg/燃料タンク容量:6.0ℓ/エンジン形式:空冷4サイクルOHV単気筒87cc/最大出力:6.0ps/8000rpm/最大トルク:0.65kgm/6000rpm/変速機:3速/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前2.25-17 後2.50-17

1967年(昭和42年) C100(ボスキット装着車)

 アメリカ向けのスーパーカブC100を対象に製作された、「ボスキット」と呼ばれるカスタムキットを組み込んだモデル。

 「ボスキット」は、当時流行のストリートスクランブラー的なスタイリングを狙い、CA105T&CT90用アップマフラーとパイプハンドル、フェンダーなどで構成。1970年まで、車両とともに発売された。

■Specifications
全長:-/全幅:-/全高:-/重量:55kg/燃料タンク容量:-/エンジン形式:空冷4サイクルOHV単気筒49cc/最大出力:4.3ps/9500rpm/最大トルク:0.33kgm/8000rpm/変速機:3速/クラッチ:自動遠心式

1968年(昭和43年) CT50

 「CT50」は、国内初となる、日本専用の量産型50cc版ハンターカブ。

 エンジンはスーパーカブC50用がベース。バイクで初めての副変速機(スーパートルク)を採用するなど、大量積載や登坂性能に優れたモデルとして開発された(副変速機はモトラにも採用)。

 副変速機は停止時に切り替える方式。3速のロータリーミッションのレシオを、ハイ&ローの2パターンで使用できるため、合計6速のギアレシオに設定できる。

 「CT50」は、スーパーカブC50に採用のレッグシールドの代わりに、現代のカブカスタムの定番であるフレームカバーを採用。ダウンチューブ兼用のエンジンガード、ヒートガード付きのアップマフラー、パイプ製アップハンドル、前後のトレールタイヤなど、ハンターカブならではのパーツで構成されている。

■Specifications 
全長:1805mm/全幅:720mm/全高:1050mm/重量:71.5kg/燃料タンク容量:6.0ℓ/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/ボア×ストローク:39mm×41.4mm/圧縮比:8.8/最大出力:4.8ps/1万rpm/最大トルク:0.37kgm/8200rpm/変速機:3速×2/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前2.25-17 後2.50-17/登坂能力:14度/当時の価格:6万5000円

1981年(昭和56年) CT110

 「CT110」は、1968年(昭和43年)に国内発売されたハンターカブ「CT50」の復活バージョンとして登場。

 CT110は、国内では短期で絶版となったが、海外での人気は高く、輸出仕様(CDI点火&サブミッション付きモデル)はロングセラーとなり、逆に国内に平行輸入されて販売していた時期もあった。

 国内では一般的に、ハンターカブ=赤いCT110として受け止められることが多い。その理由は、歴代のハンターカブの中では、国内の中古車市場においてCT110のタマ数が圧倒的に多いから(2019年現在)。

 7.6psのパワフルなエンジンは、CT系シリーズ最大の排気量を誇る105cc。大型のリヤキャリア、プロテクター付きのアップマフラー、エンジンガードなど、ハンターカブならではの装備で構成されている。

■Specifications
全長:1905mm/全幅:755mm/全高:1060mm/乾燥重量:87kg/燃料タンク容量:5.5ℓ/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒105cc/ボア×ストローク:52.0mm×49.5mm/圧縮比:8.5/最大出力:7.6ps/7500rpm/最大トルク:0.85kgm/6000rpm/変速機:4速/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前2.75-17 後2.75-17/登坂能力:20度/当時の価格:15万9000円

ポスト オフィス カブ(オーストラリア)

 オーストラリアの郵便局では、1981年(昭和56年)に日本でも発売されていた「CT110」をベースにした、大型バッグ装備の配達用バイクを採用。パワフルな105ccエンジン、5.5リットルの大型フューエルタンク、大型リヤキャリアなどの装備はそのまま。日本仕様と同様、副変速機は省かれているのが特徴だ。

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