全部190cc! 全部”CB”ってつく! 海外ホンダのCB190SS、CBF190TR、CBF190Rの違いを解説【プチインプレ付き】
- 2020/05/08
- 佐藤 快
世の中これだけ色んな種類のバイクがあると、どこか一部が同じで他は少し違う、という似たようなバイクもあります。
今回はSOXから発売されているCBの190シリーズ3台の違いを解説!
同じメーカーから同時期に発売された同じ排気量でも、中身はしっかり違うんです。
PHOTO●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
問い合わせ●バイク館SOX(https://bs-sox.com)
ホンダだけど日本のホンダではない
今回の3台、同じホンダでも実は私達が知っている日本のホンダじゃありません。
CBF190TR、CBF190Rは新大州ホンダ(シンタイシュウホンダ)、CB190SSは五羊ホンダ(ウーヤンホンダ)という別のホンダのバイクなんです。
五羊ホンダ(ウーヤンホンダ)は中国の広州汽車集団有限公司と日本のホンダとの合弁会社、新大州ホンダ(シンタイシュウホンダ)は中国のホンダと現地企業との合弁会社なので、別メーカーというわけではありませんが、資本が違う会社ということです。
ホンダ・CBF190R.......359,000円(税込)
この3台、スタイルがどれもまるっきり違います。
まず新大州ホンダ(シンタイシュウホンダ)のCBF190Rはストリートファイター(以下:ストファイ)。小排気量クラスのストファイって実は結構珍しい存在で、他を探してもそれほど選択肢が多くありません。
一部では大型クラスのデザインに小排気量のエンジンを載せたストファイもありますが、その点CBF190Rはオリジナルのストファイスタイルに仕上がっていて、フロントのマッスル感は中々の完成度!
190というのも重なって、ある意味他では見ないストファイになっています。
●Specfication
・全長・全幅・全高 2029×739×1041mm
・車重 142kg
・排気量 184cc
・最高出力 12.4kW/8000 rpm
・タイヤサイズ前後 110/70-17 TL / 140/70-17 TL
ホンダ・CBF190TR.......349,000円(税込)
次に同じく新大州ホンダ(シンタイシュウホンダ)のCBF190TRは日本でも発売された新世代CB、CB250Rと似たスタイルのネイキッド。
一般的認識のネイキッドとは少し違い、近未来的デザインやLEDライトなど現代ならではの装備ですが、これは新世代CBに言える特徴なのでジャンル分けするならネイキッドしかないでしょう。
クオリティも高く、CBらしいゴツっとしたタンクにフレームに沿ったサイドエアダクトはCB250R、CB1000Rに通ずるものがあります。
ただ、アルミ製アンダーガードにブロックタイヤを装着し、スクランブラー的なテイストが入っているのはCBF190TRだけ。
最近のトレンドをフルコンプリートした次世代ネイキッドです。
●Specfication
・全長・全幅・全高 2019×822×1083mm
・車重 142kg
・排気量 184.4cc
・最高出力 12.4kW/8000 rpm
・タイヤサイズ前後 110/70-17 TL / 140/70-17 TL
ホンダ・CB190SS.......399,000円(税込)
最後に五羊ホンダ(ウーヤンホンダ)のCB190SS。
これもネイキッドバイクじゃん!という声も聞こえてきそうですが、ここではひとまず、ネイキッド=カウル装着車のカウルを剥がしたスポーツテイストのバイク。ストリートバイク=CB400SS、SR400のようなオールドとも感じられるテイストのバイクと分けてみます。CB190SSはスポーツバイクの側面とともに、クラシカルな側面の両方を備えているので、ネオクラシック系のストリートバイクと言えるかもしれません。
ネオクラシックの流れが大型クラスから始まったこともあり、小排気量クラスでは未だ数少ないジャンルとなっていますが、CB190SSはそこにピンポイントでハマっている1台と言っていいでしょう。
LEDの灯火類、倒立フォークにブロックタイヤという車体に、ブラウンのダイヤモンドステッチのシート、クラシカルなアップハンドルが合わさり、このネオクラシックテイストに仕上がっています。
ちなみにホンダ車でSSというとCB400SSを思い出しますが、これは関連付いているわけではなく、CB190SSが出る前から五羊ホンダにあったCB190RというストリートファイターのバイクのネオクラシックバージョンなのでSSという名前が入っています。
●Specfication
・全長・全幅・全高 2025×795×1090mm
・車重 146kg
・排気量 184cc
・最高出力 11.7kW / 8000rpm
・タイヤサイズ前後 110/70-17 TL / 140/70-17 TL
乗ってみても違いは大きい
名前こそ似ていても、実際に乗ってみてもこの3台の乗り味は異なります!
個人的に一番乗りやすかったのはストファイのCBF190R。
楽なポジションにニーグリップしやすいタンク、上まで回るエンジンなので、街をブラブラ走るだけでも楽しいし、テンポよく軽快に運転しても同じ楽しさで乗れるので、街中ではほぼ最強に乗りやすいバイクかもしれません。
一番バランスが良かったのはCBF190TR。
まさにCB400の190バージョンといった感じで、街ではもちろん、幹線道路でも他車に遠慮することなく交通をリードできるパワーです。街での楽しさこそCBF190Rに分がありますが、ツーリングから通勤通学など、これ1台で様々なことをやるつもりならCBF190TRのほうが個人的には楽しめると思います。
ちなみに新大州ホンダのCBF190R、CBF190TRのエンジンフィーリングはほぼ同じ。空冷単気筒190ccなので全体的にもっさり回る感はありますが、125のようにあと少しパワーが足りない……ということもなく、低回転では単気筒らしい粘り強いパンチ力、高回転まで引っ張っても振動少なく綺麗に回り続けるエンジンです。
驚いたのは五羊ホンダのCB190SS。
同じエンジンのはずなのに体感でもわかるくらいパワー感が違いました。
他2台はもっさり回るのに対し、CB190SSのエンジンはレスポンス良くどの回転からでもしっかり吹け上がります。全体的にもっさり感が薄く(無いわけではない)、何も言われずに乗ったら250だと思うくらい元気なエンジンなんです。
実際に3台並べてヨーイドンしたらタイム差こそ小さいかもしれませんが、それでも乗って感じるパワー感の違いは大切。スタイルをとってもCB190SSは今回の中で一番流行りに乗ったセンスだと思います。
個人的に一番かっこよかったのもCB190SSです。
こういうネオクラシックのバイクってビルダーが作ろうと思ってもなかなか難しいもの。元あるネオクラシックをカスタムすることはできますが、大本の部分を作るのはやはりメーカーなのでCB190SSはその点でも良くできているバイクだと思いました。
佐藤 快
バイク好きな26歳二輪ライター。
若者向けバイクwebマガジンMotoBe編集長でもあり、小排気量新車は一通り試乗、レストアやカスタムも得意とする若者ライダー。
愛車はSR400カスタム、RA125、NSR250(MC21レストア中)など、2スト&旧車好きでもある。
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