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車体は軽いし、ジャンプもできる。ヤマハWR155Rは最高に遊べるバイクじゃないか。

  • 2020/07/02
  • 後藤武
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また一台、気になるマシンが上陸した。ヤマハのWR155Rは完成度が高い車体と軽さを武器にストリートからオフロードまで、肩肘張らずイージーなライディングを楽しむことができる。

PHOTO●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
問い合わせ●バイク館SOX(https://bs-sox.com)

ヤマハWR155R……39万90000円

 WR155Rが上陸すると聞いて「どんなマシンがやってくるのだろう?」と思った。アジア圏からやってくるマシンは当初、コストをおさえたチープな作りのものも少なくなかったが、最近ではそんな状況も変わりつつある。価格は抑えられているのに高性能で質感も高いというマシンが少なくない。一番大きなマーケットというだけあって、メーカーの気合の入り方が違う。エンデューロマシンWRの名前をつけているのだから、それに恥じないマシンであるはず。そんなことを考えながら期待が膨らんでいったのである。

ストリートでの使いやすさが光る

 目の前にした実車は、想像以上の仕上がりだった。戦闘的なデザインと本格的なサスペンション。車体も軽い。質感だって悪くない。「これは期待できるかもしれない」と考え、まずはストリートを走り出す。
エンジンは軽快に吹け上がる。しかしそれはレーシングマシンのような過激な感じではない。ストリートでの扱いやすさは無十分過ぎるくらいに考えられている。下からのトルクは十分にあるし、低回転でもギクシャクすることなく走ることができる。
 可変バルブタイミングのエンジンは、高回転の回り方もシャープに回る。レスポンスも悪くない。エンジンは基本的にXSR155と同じものだが、こちらの方がずいぶん完成されている印象を受ける。

 高速道路はクルマの流れに従って移動する程度であれば問題ないが、ペースを上げてクルマをリードしようとすると苦しくなってくる。クルージングしている時は回転が上がり気味になるが振動はそれほど多くないから、急がずに移動していくのであれば苦痛に感じるほどではない。今回は1時間程度走行したけれど、ストレスはまったく感じなかった。
 オンロードでハンドリングも癖はない。車体は軽いけれど21インチフロントタイヤの安定感がある。

オフロードでは軽さと車体の軽さが武器になる

 オフロードでのテストは雨上がりのマディーな場所。モトクロスコースではなく、フリーライドできる場所でトレッキング的な走り方をしてみた。滑りやすく、スタンダードのタイヤでは注意が必要だった。こういう状況でエンジンは扱いやすい。排気量が155だからトルクの出方もおだやか。スロットルを開けてもグリップを失いにくい。低回転のトルクの出方がいいから滑りやすいコンディションでもスルスルと登ってくれる。こういう場所では250よりも軽くスリムな車体はありがたい。

 軽いジャンプも飛んでみたがサスの動きは悪くない。オフを楽しんでみたいというビギナーや、時々オフロードを楽しむというようなライダーにとっては非常に扱いやすいマシンである。ただ、絶対的なパワーはそこそこだから、コースなどで思い切り走りたい人には物足りないかもしれない。

 全体的に見てWR155Rはよく出来たマシンである。デザインも洗練されているから所有する喜びもあるし、オンからオフまでそつなくこなすことが出来る。この車体サイズとパワーのマシンというものは他にないから、用途にマッチした人には唯一のマシンになるはずである。

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