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ホンダ新型CBR600RRの車体を見る。| 高められた空力性能、マスの集中と軽量化も高性能に寄与

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基本的に従来モデルのフレームを踏襲する新型CBR600RRの車体周りだが、さらなるコントロール性の向上と安定化を目指した改良は多岐にわたっている。その中でも、話題の中心となっているのが空力特性の向上だ。
REPORT●川島秀俊

ホンダCBR600RR……1,606,000円(消費税10%を含む)

 特に目を引くのは、外観上のアクセントになっている新装備のウイングレット。MotoGPマシンのRC213Vからフィードバックされたノウハウをもとに、過度なピッチングを抑えてタイヤ接地圧の安定化をはかってくれる。形状としては先にリリースされたCBR1000RR-Rと異なるのだが、これはパワーの違いからアンチウイリー効果を省いたため。特に実感できるのはコーナー進入時にブレーキをリリースしたポイントから旋回中にかけてで、俊敏なハンドリングを阻害しないよう、入念なセッティングが行われた。
 カウル形状も見直されており、スクリーン角度を35°から38°に立てて防風効果をアップ。タンク上面には伏せた際にヘルメットをかわすへこみが-10mm追加され、トップスピードの向上に貢献する。レーシングポジション時、保安部品を装着した量産状態でのCD値はクラス最少の0.555を達成しているのだ。カウルの改良は他にも性能向上に寄与しており、ミドルカウルはアウトレット性能のアップでラジエーター冷却効率を最大化。ロアカウルはリヤタイヤに当たる空気量を低減し、前面以外でも空気抵抗を抑えている。

 車体側に目を移すと、ハンドリングを向上させるためにディメンションが変更されているのに気付く。ホイールベースは5mm短縮され、よりクイックに曲がれることが予想されるが、3mm延長したスイングアームや0.51°寝かせたキャスター角で安定性が生まれ、絶妙なコントロール性に仕上がっていることを裏付ける。各部の軽量化は徹底して行われ、スイングアームは板厚や内部構造の最適化で-150gのバネ下重量低減を実現。ヘッドライトとウインカーは軽量化しつつ吸気ダクトへのマウントに変更し、マスの集中とカウル側ステーの廃止でさらなる軽量化を実現している。ABSモジュレーターも小型化して車体中央寄りへマウントしており、このように細かく煮詰めたマスの集中と軽量化がすべての慣性モーメントを減少させ、俊敏なハンドリングを進化させているのだ。

 サスペンションは、基本的に従来モデルのスペックを継承している。ただ、よりセッティング幅が持てるようにフロントフォークの突き出し量を15mm伸長。スイングアームのエンドピース接合部も3mm延長され、ファイナルギヤレシオの調整幅が拡大された。細かな部分では、テストライダーによる走行を重ねてフューエルタンクシェルター(カバー)形状をリメイク。ハンドル操作やホールドのしやすさが向上している。

 このように、細かく仕様変更された新型CBR600RRの車体は、まさに熟成の領域! 一般ライダーが扱いきれるジャストサイズのパッケージングとして、スポーツ志向のライダーすべてを満足させてくれる。


主要諸元

車名・型式:ホンダ・2BL-PC40
全長×全幅×全高(mm):2,030×685×1,140
軸距(mm):1,375
最低地上高(mm)★:125
シート高(mm)★:820
車両重量(kg):194
乗車定員(人):2
燃料消費率(※6)(km/L):
国土交通省届出値…定地燃費値(※7)(km/h)23.5(60)<2名乗車時>
WMTCモード値★(クラス)(※8)…17.3(クラス3-2)<1名乗車時>
最小回転半径(m):3.2
エンジン型式・種類:PC40E・水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 直列4気筒
総排気量(㎤):599
内径×行程(mm):67.0×42.5
圧縮比★:12.2
最高出力(kW[PS]/rpm):89[121]/14,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):64[6.5]/11,500
燃料供給装置形式電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI)>
始動方式★:セルフ式
点火装置形式★:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):18
クラッチ形式★:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速…2.615
 2速…2.000
 3速…1.666
 4速…1.444
 5速…1.304
 6速…1.208
減速比(1次★/2次):2.111/2.562
キャスター角(度)★/トレール量(mm)★:24°06´/100
タイヤ:前…120/70ZR17M/C(58W)、後…180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式:前…油圧式ダブルディスク、後…油圧式ディスク
懸架方式:
 前…テレスコピック式(倒立サス ビッグ・ピストン・フロント・フォーク)
 後…スイングアーム式(ユニットプロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド

◼道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元) 
■製造事業者/本田技研工業株式会社
(※6)燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
(※7)定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
(※8)WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます

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